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イタリア経済概況(現状と見通し)
東京三菱銀行ミラノ支店
1.イタリア経済の現状(2004年)
イタリア経済の回復は、依然緩やかなペースにとどまっている。第3四半期の実質GDP成長率は、ドイツ、フランスを上回る前期比0.4%であったが、前年同期比でみた成長率は1.3%と低く、ユーロ圏平均の1.9%に比べて出遅れ感が残る。中でも製造業部門の不振が続くのは、2002年以来のユーロ高に加え、低い生産性の伸びと高い単位労働コストの上昇、伝統的な消費財や機械類に特化した製品構成、などから輸出競争力が低下したためとみられる。足元では在庫調整の進展等は見られるものの、相次ぐストや夏季休業の影響から生産は低迷している(第2図)。実際、12月14日にはイタリア経団連(CONFINDUSTRIA)のMontezemolo会長は、「現在のイタリア経済は戦後最悪の危機である」との発言をし、経済界の苛立ちを表明している。
一方、停滞感が強い企業部門とは対照的に、家計部門には底堅さがみられる。年前半の個人消費は平均すると年率2%近いペースで伸びており、パルマラット社破綻等の余波で10年来の水準に落ち込んでいた消費者マインドも、最近のインフレ率低下が好感され、持ち直してきた(第3図)。雇用者数は柔軟な雇用形態導入の効果もあり、持続的に増加している。
【第1図:実質GDP成長率】
【第2図:鉱工業生産と企業景況感】

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【第3図:個人消費と消費者信頼感】
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個別項目では、まず、失業率は、労働市場改革の結果、パートタイムや派遣労働のなどの雇用が増加したことにより低下基調。
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2001年 |
2002年 |
2003年 |
2004年 2Q | |
失業率 |
9.1% |
8.6% |
8.4% |
8.1% |
物価については、原油高の影響で生産者物価の上昇が加速。一方で、賃金上昇率は安定しており,消費者物上昇率(HICP)は、サービス価格高騰の沈静化や通信関連費下落のため、足下では、エネルギー価格上昇にも関わらず低下している。
(対前年比)
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2001年 |
2002年 |
2003年 |
May-04 |
Jul-04 |
Nov-04 | |
HICP |
2.3 |
2.6 |
2.8 |
2.3 |
2.3 |
1.9 |
2.2005年見通し
景気の先行きについては、緩やかな雇用拡大に支えられた個人消費の回復や、2002年末に終了した投資減税の反動で落ち込んでいた設備投資の持ち直しなどから、緩やかな回復基調を辿ろう。それでも、ユーロ高、原油高、世界景気減速により輸出が抑制されるため、実質GDP成長率は引き続きユーロ圏平均を下回るとみられ、2003年実績の0.4%に対して2004年は1.2%〜1.4%の間に落ち着くとみられ、2005年は、政府筋は強気の2.1%成長を予測しているが、民間調査期間はせいぜい1.5%止まりとしているところが多い。
消費者物価上昇率(HICP、前年比)は、11月も1.9%とほぼ4年振りの低水準となっている。目先はエネルギー価格の上昇や政府主導の小売価格凍結(2004年末迄)の反動などから一時的に上振れるものの、その後はサービス価格高騰の沈静化や通信関連価格の下落を反映して、同国としては、最近の中では低めのインフレ率が続こう。
(注)本稿は12月中旬の諸与件を踏まえたものである点をご了承ください。
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