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ITALY NEWS
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2004/01/01 


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イタリア経済概況(現状と見通し)


東京三菱銀行ミラノ支店

 



1.イタリア経済の現状
イタリア経済は、年前半に景気後退局面入りしたものの、外需の改善が成長に寄与し、第3四半期には、実質GDP成長率が前期比0.5%(前年比0.5%)とようやく回復の兆しが見えてきた。年前半の景気後退の原因は、輸出不振に加えて、2002年末に終了した投資減税の反動により民間の設備投資が大きく落ち込んだことが挙げられるが、こうした調整圧力が一巡してきたことも考えられる。但しインフレ率の高止まりや年金改革への不安などから、消費者マインドの改善が頭打ちとなっていること、度重なるストライキや、ユーロ相場の急騰により、企業マインドの改善にも足踏み傾向がみられることから、回復の基調は弱い。2003年の実質GDP成長率は、ほぼ前年並みの0.5%程度にとどまると見込まれる。


-
1999
2000
2001
2002
2003/Q1
Q2
Q3
GDP成長率
1.6
2.9
1.7
0.4
▲0.1
▲0.1
0.5
(1999-2002年:前年比、2003年:前期比 %)

個別項目では、失業率は、派遣・有期雇用などの柔軟な雇用形態の浸透の効果や政府の雇用対策などにより緩やかな低下基調を維持している。

-
2002
2003年/1月
4月
7月
10月
失業率
9.0
8.9
8.7
8.7
N.A

(%)

消費者物価上昇率(HICP)は、ユーロ導入後の根強いサービスインフレやタバコ税・公共料金の引き上げ、猛暑による食料品価格上昇などのため高止まりしてきたが、足元では携帯電話通信料の値下げなどにより幾分鈍化傾向がみられる。

-
2003年/4月
5月
6月
7月
8月
9月
10月
11月
HICP
3.0
2.9
2.9
2.9
2.7
2.9
2.8
2.8

(EU基準、前年同月比 %)

貿易面では、内外景気の好転をうけて、輸出入とも回復の兆しがみえる。貿易収支は、7-8月に大幅な黒字を計上したが、9月は輸入の伸びが輸出を上回ったことから、若干の赤字となった。

-
2003年/4月
5月
6月
7月
8月
9月
輸出
217.1
216.0
205.2
255.4
152.6
221.5
輸入
223.6
219.3
210.4
228.2
139.0
225.1
貿易収支
▲6.5
▲3.2
▲5.2
27.2
13.6
▲3.6

(億ユーロ)

2.来年の見通し
来年のイタリア経済は、生産回復に伴い投資の調整圧力も緩和することが予想されるなか、利下げ効果の浸透やインフレ率の低下、雇用・所得環境の改善などから、内需主導で回復傾向を辿ろう。一方、域内での相対的な高インフレとユーロ高のために輸出競争力が低下しているとみられ、今後予想される外需の回復は、他のユーロ圏諸国よりも遅れる可能性がある。こうした中2004年の実質GDP成長率は、1.4%程度の緩やかな回復となろう。また高止まりしてきた物価については、今後は食料品価格の落ち着きやユーロ高の効果の浸透によりインフレ圧力が徐々に緩和することが予想されることから、インフレ率も緩やかな鈍化を続けよう。

(東京三菱銀行ミラノ支店)
(注)本稿は12月中旬の諸与件を踏まえたものである点をご了承ください。



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