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ITALY NEWS
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2001/01/01 


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伊経済概況(現状と見通し)

東京三菱銀行ミラノ支店  





1.イタリア経済の現状

●イタリア経済は99年後半から外需主導で景気回復局面入りし、2000年に入ると内需の回復基調が鮮明になってきました。特に、2000年のキリスト教大聖祭による観光客の急増や、主要な施設の補修、改修の公共事業の拡大、周辺国の政情安定により消費者心理は好転、伸び悩んでいた個人消費の増大に加えて、外需の成長に対する寄与度が大幅なプラスとなりGDP成長率は順調な伸びを記録しました(第1図)。但し夏以降、原油高とユーロ安が輸入物価を直撃したことでユーロ圏を上回る消費者物価水準が問題視される中(*)、中東情勢の不安も加わり再び消費者心理は悪化(第2図)、徐々にペースダウンとなり第1四半期の3%成長から第3四半期は2.4%に拡大が鈍化してきました。通年では2.8%程度の成長率に留まりそうです。

(*)全輸入に占める石油の輸入比率は13.7%と、独(6.3%)や仏(9.9%)に比べて高いことから、原油高とユーロ安の影響が比較的大きく作用します。

●個別項目では、雇用者数はパートタイマーを中心に増加し、失業率は低下傾向(7月10.5% 第3図)です、但し実質賃金がマイナスとなっていることもあって、小売売上高は依然低調で底固さは見られません。鉱工業生産の伸びは、鈍化傾向を示しています(第4図)。このうち、鉱工業受注では、海外受注は輸出拡大を背景に好調な一方、国内受注は年後半に入り伸び鈍化した模様です。また、設備稼働率は依然高水準ですが、足元で若干低下傾向が窺がえます。企業景況感も、原油価格上昇や利上げを背景にピークアウトした模様です。


2.来年の見通し

2001年のイタリア経済は、米国、欧州主要国の景気減速により外需鈍化があるものの総選挙を意識して実施される減税効果による個人消費の拡大に支えられ、引き続き2.7%前後の成長率が見込まれます。


(1) 消費部門:個人消費は、賃金抑制を背景に依然力強さに欠けますが、雇用者数の増加が続くなか、減税(所得税減税や住宅取得税廃止など)の効果もあり、個人消費は緩やかな拡大を続けるものと思われます。

(2) 投資部門:民間設備投資については、企業の受注・生産見通しともに概ね改善基調にある中で(第5図)、政府の企業向け減税(法人税と州事業税の引き下げなど)の効果が期待され、設備投資は堅調に拡大すると思われます。但し、政府部門では、大聖祭関連で好調だった建設投資の冷え込みは避けられないでしょう。

(3) 外需:輸出は、米国、欧州主要国、アジアの景気減速を背景に、拡大ペースの鈍化が予想されます。一方、輸入は内需拡大により前年比伸びを高めると思われますが、外需の成長寄与度はプラス水準を維持すると思われます。

(4) 物価:物価については、これまでの原油高やユーロ安の影響一巡により、前年比上昇率の鈍化が予測されることに加え、@賃金上昇は引き続き抑制されること、A規制緩和によるガス料金(消費者がガス供給者を自由に選べるようになる)・電気料金(国営電力会社の民営化)、電話料金競争の激化等の下落、等の物価抑制要因から2001年通年の消費者物価上昇率は、2.0%程度まで改善が見込まれます。(第6図)


(東京三菱銀行ミラノ支店)

(注)本稿は2000年12月中旬の諸与件を踏まえたものである点ご了承下さい。




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