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ITALY NEWS

イタリア中小企業訪問
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2007/05/31 
 
 

イタリア中小企業訪問  




Bpart srl


"とびっきり"のイタリアを紹介するシティガイド
「イタリアストラオルディナリア」を発行

 

ミラノでファッションやデザインに感度の高い人たちの間で話題を集めている斬新なシティ・ガイドブックがある。その名は「ミラノ・ストラオルディナリアMilanostraoridinaria.」。「ストラオリディナリオ」は、「並外れた」「ずば抜けた」という意味。「ミラノとびっきりガイド」と意訳することもできよう。

大学ノート半分ほどの小さな版だが、しっかりとした厚地の表紙の中には200件以上の「ミラノとびっきり」のショップやレストラン、アートギャラリーなどの店舗情報が詰まっている。シンプルで抑制のきいたグラフィックワークの際立つ各ページにあるのは一味違うユニークな店舗ばかりだ。有名ブランドショップやチェーンショップは一つも入っていない。ユニークなのは各店舗について店の写真、紹介文やデータに加えて、店主の写真やプロフィールも掲載されていること。店主がどのような思いでこの店をつくり、運営しているのか。扱っているグッズやサービスだけでなく、店主も「出演」してもらうことで顔のみえる200のストーリーを集めたミラノ案内にもなっている。

編集発行人兼アートディレクターのBpart社の代表フェリーチェ・バッシFelice Bassi氏はミラノ生まれのミラノ育ち。ミラノへのこだわりから誕生したガイドブックもミラノ版の成功をもとにトリノ、ローマ、フィレンツエなどシリーズ化が進んでいる。ミラノ中心部に近いストウーディオでバッソ氏に本書発行の意図や今後の抱負などお話をうかがった。

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プロフィールを教えてください。
今年50歳ですがいつも年齢よりは若いといわれます。エディトリアル・グラフィック専門学校のグラフィックデザイン科卒業と同時に独立し、Studio Felice Bassiを開きました。その後、マルチメディアの編集デザイン専攻コース修了し、80年代からCD-ROMなどマルチメディアを活用した映画やアートの専門誌を発行し、同分野の草分け的存在となりました。その後もヴィジュアル・コミュニケーション、アートディレクションの仕事を経験し、7年前にこのガイドブックを創刊し、現在にいたっています。
おそらく私のDNAの中に「編集の仕事」に対する大きな情熱が刷り込まれているのでしょう。斬新で楽しくそして役に立つプロジェクトを立ち上げる中で思い切り自由に自分の気持ちを発散させていくのが私の仕事スタイルです。

この「Straordinaria」シリーズはどのようにして生まれたのですか。
人とは一味違った活動を行って自らの歴史を自分で創っていこうとしている人々が沢山集まって出来上がっているこの国、イタリアという国を今までにない新しい視点でとりあげたいという願望から生まれました。測り知れないほど豊かな情報の宝庫を、賢くかつ簡潔、実用的な手法で紹介したいという願望から生まれたのです。

最初はミラノですね。今ではどこまで「地域」は広がっているのでしょうか。
ミラノ版はすでに8年目となりました。このあと、イタリア各地で、ミラノで経験したコンセプトとノウハウを応用して、シリーズ化をしたいというアイデアが生まれました。2005年にトリノ、そして2006年にジェノバ、そして2007年にはローマ版が誕生しました。2008年にはさらに、フィレンツエ、ヴェネツイア、ナポリ、コモ・レッコ等を予定しています。

1冊のガイドはどのように生まれるのでしょうか。
新しいガイドをつくる際に最初にすることは本シリーズの哲学にあう地域かどうか、対象都市を慎重にセレクトすることです。「とびきり」の店舗が集積している地域でないとする意味はありませんから。

次に必要なのは、地域の個性を理解してその土地のガイドブックを実現する熱意と資質のあるプロジェクト・コーディネータを見つけることです。その土地で活躍し地域を熟知している現地のジャーナリストから選び、現地で編集チームを結成しますが、人選は楽ではありません。
人選をした後は、「テスティング作業」を行います。特定のエリアを限定した上で、現地スタッフにレストラン、ショップ、ギャラリーなど取り扱う物件の候補を40-50店舗ほど選んでもらいます。その上で私自身も現地にいって、自分の目で評価した上で、一緒に候補のショップや店を訪れ、店主とミーティングを持ちます。本当に「他とは違う」「とびっきりの」店舗なのかどうかを実地検証するわけです。

テスティングの効果がよければ、今度は、コーディネータに掲載候補となるショップなどのデータベースを構築してもらいます。データベースの構築は、オリジナリティや特異性などの要素で、他とは違うショップなどをみつけるリサーチからうまれます。店舗のスペースが個性的かというリサーチだけではなく、店舗をつくり運営している店主の個性も重要な要素となります。こうして、最初の300~400件の候補店のデータベースを構築してから、ガイドブック実現のための具体的なプロセスをすすめるために各店との交渉をはじめます。

どのようなビジネスモデルなのですか。
出来上がったガイドブックは各都市で地域のキオスク、書店などで通常の出版物と同様に販売されますが、それ以外の販売流通ルートを我々は考え出しました。それは、ガイドに掲載された店に相当数を購入してもらい、その店に来るお客さんに販売してもらうのです。大切なお客様にプレゼントとして提供しているお店もあります。一冊のブックに200件のショップが入っていれば市内に200件の販売拠点があることになります。
さらに、たとえばこの春のミラノのサローネ・ディ・モービレでは本ガイドに広告ページをいれたものを7000部印刷し、サローネを訪れる人たちに無料配布しました。したがって、書店販売、各ショップでの配布、特別イベントでの無料配布などを含めると、2万部もの発行部数となりますので、当ガイドに掲載せれることは大きな広報PRヴァリューがあります。
とはいえ、掲載するかどうかは我々編集部で決定します。ミラノの場合はすでに8版目になりますので、掲載してほしいという自薦他薦も多いのですが、編集コンセプト、セレクト基準にあうかどうか、一言でいれば、その店だけが持つ「特異性」があるかどうかが条件となります。どれほど沢山の部数買い取りを保証してくれても、我々の基準に満たない場合は残念ですがお断りします。

市場からの評価はどうでしょうか。
近年、市場の側でも、シティガイドの分野でも、何か新しいコンセプトの出版物の誕生を「待ち望む」期待のようなものがあったのではないでしょうか。この5月にRomastraordinaria, つまり、ローマ版ガイドが誕生し、プレゼンテーションをしてきたばかりですが、これもローマの町に大きなインパクトを与えています。現在、主要都市のガイドブックが揃ってきたことで、自分の街のガイドをつくってほしいという要望も届いています。

どこが強みですか。
先ほども申し上げたように、イタリア各地で、専門分野に強い地域の優秀なジャーナリストのネットワークを活用できることです。チームの結成は楽ではありませんが、いったん機能しはじめると、毎年の更新版の際に、新しい店舗を細心の注意でセレクトできるだけでなく、新しい物件があればそれをすぐにモニタリングしたり、既存店についてもすみやかに修正することが可能となります。

今後への挑戦はなんでしょうか。
ここまでネットワークを広げてきました。ミラノの街への愛着から誕生したこの試みが他都市でも成功するのをみてとても心強く思っています。このことは我々にとって嬉しいだけではありません。この仕事をますますいい形で継続し、より多くのリアリティを巻き込んでいくようにと背中を押して励ましてくれるような気がします。とはいえ、常に時の経過とともに進んでいかねばなりませんし、何事も偶然にまかせず、チャンスを見失わない体制をつくることが必要であって容易ではありません。
今後はイタリア全国についての革新的な内容のガイドブックシリーズ「イタリア・ストラオルディナリアItaliastraordinaria」を構築していくことが目標です。利用者の方に高いレベルで常に新しいコンテンツ、役に立つプロダクツを提供していきたいと思っています。

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イタリアの街角にある個性的なショップやカフェ、何気なく通り過ぎてしまいがちだが、小さいながら各店が一味違った何かを発信している。そしてこれらの集積こそが世界のどこにもない個性的なミラノのストリート、そしてミラノの街をつくっているのではないか。この視点からはじまったバッソ氏の「ミラノプロジェクト」。今ではイタリア各地の「とびっきりのもの」とそれを支える人を探し、わかりやすく紹介することでイタリアのもつ魅力、底力をアピールしていこうという全国プロジェクトにまで発展してきている。各地で多くの共感や支持を集めつつあるバッソ氏独特の「イタリア賛歌」、Italiastraordinalia の今後に期待したい。 (聞き手 E.Oshima)

Bpart srl
4,via giannone 20154 milano
Tel +39 02 89690143  Fax +39 02 34536952
URL: http://www.italiastraordinaria.it
email: info@bpart.it   

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