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ITALY NEWS
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2006/11/30 
 
 

イタリア中小企業訪問  

食ビジネスにかけるイタリア企業家(11)
Rizzoli Emanuelli S.p.A

アンチョビの缶詰は100年の伝統
イタリアのフードバレー、パルマから


 


パルマでアンチョビの缶詰など水産物加工品を製造するリッツォーリ・エマヌエッリ社は、今年で創立100周年。イタリアの食の中心地とも言えるパルマで、伝統の製法を守りながらもパイオニア精神を失わず、高品質の製品を投入しつづけている。
今回の中小企業訪問では、同社のマーケティング部門担当のミケーラ・ヴィカリオットMichela Vicariottoさんにお話を伺った。

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イタリアのフードバレー、パルマ
リッツォーリ・エマヌエッリ社は1906年にエミリオ・ゼッフリーノ・リッツォーリ氏によってパルマに誕生した。その前身はエミリオ氏の父親が1898年にトリノで始めた水産物加工会社。主にリグーリア湾でとれる青魚の加工を行っていた。当時のトリノは、ジェノヴァ港とアルプスの向こうとをつなぐいわゆる"塩の道"の分岐点という特別な位置にあったのだ。
その後、父親の会社で経験を積んだエミリオ氏は、"質"と"伝統"が戦略的に大事であると考え、イタリアの食の中心地とも言えるパルマに現在のリッツォーリ・エマヌエッリ社を設立した。「パルマはイタリアのフードバレーFood Vally。食品保存加工技術がどこよりも発展していたのです。」

「当社はちょうど今年100周年を迎えました。製造加工のプロセスはずっと昔からのやり方を踏襲していますし、材料や製品の質を守るという考えも変わっていません。」
現在、同社会長は四代目となるアントニオ・リッツオーリ氏。そして、その息子のマッシモ氏が代表取締役として活躍している。従業員数30名、年商は1,820万ユーロ(2005年)だ。

100年にわたり受け継がれた伝統
主な製品は、缶詰や瓶詰のアンチョビ、サーディン、ツナ、鯖、サーモン。製品数は20以上になる。
「原材料となる魚は最良のものです。オイル漬けに使用するオリーブオイルもそう。消費者に高品質を保証します。例えば、私たちの主要製品であるアンチョビは、スペイン北部のカンタブリア海でとれたものです。」カンタブリア海は、その温度やプランクトンの数などから最高のアンチョビがとれる場所として知られているのだそうだ。その他、ポルトガル、シチリア、クロアチア、アルバニアから原材料となる魚がやってくる。

「その後、新鮮なうちに加工を施します。ずっと伝わってきた塩漬け法に従い、長い貯蔵期間を経て製品が出来上がるのです。製造加工は手作業です。特に目玉商品のアンチョビは、小さくてデリケートな魚ですので、身をきれいにしてからフィレ状にし、塩漬け、最後に容器に詰めるまでの間、細かな注意を要するのです。私たちは伝統的な製造プロセスを守っています。また、製品の一つである辛いアンチョビ(Alici in salsa piccante)は、100年間ずっと変わらない"秘密のレシピ"に基づいているんですよ。」

伸びる売り上げ
製品の9割はイタリアの大手スーパーや小売店などで販売されている。残る1割は、フランス、ドイツ、スペインといったヨーロッパ向けだ。
「リッツォーリブランドは歴史ある製品としてイタリアの市場ではよく知られています。特に、辛いアンチョビは当社の代名詞にもなっているほどです。でも、マーケティング活動も欠かしていません。アンチョビだけでなく、ツナ、サーモン、鯖、サーディンと製品の幅が広がってきたのも、その結果です。そして、常に品質の高いものを提供しており、そのため市場では高価格帯製品というポジションにあります。」

昨年の年商(1,820万ユーロ)は、前年比16%の増加となった。
「特に大きな要因があったわけではありません。私たちが常に拡大を目指している結果だと思います。」
魚の加工段階では手作業をかたくなに守っているが、リサーチに基づく加工プロセスの改良にも余念がない。例えば、新製品"リッツォリーネ"はオリーブオイル漬けのアンチョビが2匹だけ入ったモノポーションで、少量使いに適している上、プラスチックフィルムをはがすだけで簡単に開けられる利点もある。

「"たくさんの伝統を売る会社"というのが会社のモットーです。私たちは単に魚を売っているのではなく、100年の経験から得られた知恵の中に"保存"された魚を売っているのです。
しかも、伝統だけにとらわれず、常にパイオニア精神で前を見据え、最新技術を導入しながら新しい製品を出していくことも大事だと考えています。そうすることで、市場において確実な歩みをとることができるのです。」

「マーケティング活動を通して、消費者の嗜好にもっと注意を向けていきたい」とおっしゃるミケーラさん。活き活きとした雰囲気が印象的な方だった。常に前を見据える姿勢と「人間らしい誠実さも大切」という社風が、100年の伝統を色あせさせないヒントなのではないか。ミケーラさんのお話を聞きながら、そんなことを思った。
(K.Maruyama)

Rizzoli Emanuelli S.p.A
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