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ITALY NEWS

イタリア中小企業訪問
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2005/12/20 
 

イタリア中小企業訪問

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食ビジネスにかけるイタリア企業家(3) AGRICOLA GIAN PIERO MARRONE

ピエモンテ州にある
家族経営のワイン農家





約4000年も前からワインを生産してきたイタリアは、フランスに並ぶ世界最高のワイン生産国。特に冬季オリンピック開催でますます注目を浴びつつあるイタリア・ピエモンテ州は、イタリア有数のワイン産地として知られ、秋になればグルメやワイン愛好家らがこぞって目指す場所である。 今回の中小企業訪問では、そのピエモンテ州のラ・モッラLa Morraで世界をマーケットに質の高いワインを製造販売するワイン農家Agricola Gian Piero Marroneを訪ね、国外市場担当のデニーゼ・マッローネDenise Marroneさんにお話をうかがった。

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Agricola Gian Piero Marroneについて
Agricola Gian Piero Marroneは、その名の通りジャン・ピエロ・マッローネさんが経営するワイン農家。ラ・モッラはピエモンテ州のワイン製造の中心地ランゲ地方にあり、バルバレスコやバローロといった有名な赤ワイン産地やスローフードの本拠地ブラ、白トリュフ産地アルバにほど近い。

もともとはお祖父さんのピエトロ氏が始めた事業を拡大してきた。ピエトロ氏は1957年に歴史的農家カッシーナ・カルロCascina Carlo'を購入。すでにあった葡萄畑のそばに、新しくドルチェット種、バルベーラ種を植え、さらにジャン・ピエロさんのお父さんが手伝ってネッビオーロ、モスカートの2種類の葡萄栽培も開始した。
お祖父さんが始めた事業にジャン・ピエロさんが加わったのは1975年。そして1983年にはラ・モッラにあった農家を購入し、より一層の品質向上に成功した。2000年からはジャン・ピエロさんの3人の娘さん達も手伝いを始めている。国外市場を担当しているデニーゼさんは長女だ。
「私たちは家族経営の企業です。妹のセレーナはまだ学生ですが、オフィスの仕事を手伝っています。一番下の妹ヴァレンティーナはアルバにあるワイン醸造の学校に通っており、ワイン醸造に関して新しいアイデアを出してくれます。
もちろん家族以外にも強力なメンバーがいます。例えば私たちのワイン醸造技術者のマッシミリアーノ、葡萄畑の仕事を担当しているフランコ。それから、18年間一緒に仕事をしているフランカは私たちの活動のすべてを熟知しています。事務担当の母を手伝うために今年の9月にはダニエーラも加わりました。最も忙しい葡萄の収穫期には一時的な協力作業員も加わります。」

「当農家の面積は18ヘクタール。12ヘクタールが所有地で、6ヘクタールは賃借地です。私たちが生産するワインは年間15万本。そのいくつかを紹介すると、
ランゲ・シャルドネ"Memundis" Doc シャルドネ種100%
ドルチェット・ダルバ"Carlot" Doc ドルチェット種100%
バルベーラ・ダルバ・スーペリオーレ"La Pantalera" Doc superiore バルベーラ種100%  
ランゲ・ロッソ"Sancarlo" Doc ネッビオーロ60%、バルベーラ30%、ドルチェット10%。
バローロ"Pichemej" Docg ネッビオーロ種100% 伝統的なバローロ
モスカート・ダスティ"Sole d'Oro" Docg モスカート種100%のデザートワイン
などなど、どれも高品質のもので、ワインを良く知った人に向けて製造しています。」

2005年の葡萄の出来はどうだったのだろうか?
「2005年のヴェンデンミア(収穫)は葡萄の質、量の両面でとても良いものでした。大満足です。ちょうど雨が続いた1週間があったのですが、その前に収穫を終えることができ、ラッキーでした。そうでないと、一年の仕事が台無しになってしまうのです。2005年の私たちのワインは上出来だと思います。」

主な販売先は国外
「家族経営の私たちの会社では、葡萄の栽培にしろカンティーナの仕事にしろ、家族全員の協力を必要としています。私も常にここで働いてきました。18歳の時から父親と一緒に世界中を旅行し始め、2年前に大学を卒業してからは、国外の顧客との交渉やプロモーションに従事するため、フルタイムで働くようになりました。大変な仕事ですが、得られる満足も大きいです。一年中忙しくしていますが、特に今クリスマスの時期は販売が集中し、お客さんとのやり取りも多くなります。」

世界最大のワイン生産国イタリアだが、国民一人当たりの消費量は1960年から90年の30年間で半減しているという。一方で、消費の国際化が進みつつある。
「私たちのワインのおよそ80%が外国向けです。主要販売先は、ベルギー、スイス、アイルランド、オランダ、ドイツ、そして東南アジアです。日本にも出しています。また最近は、オーストラリア、カナダとも協力関係を結びつつあります。主な顧客は、高級レストラン、商社、小さな輸入業者です。私たちはすべての協力者とパーソナルな関係を築きたいと思っています。そうすることで、彼らのあらゆる質問に直接答えることができ、彼らの要求にふさわしいサービスを提供することができます。
また、家族あるいはワイン愛好家といったニッチな市場にもとても興味があります。家に小さなカンティーナ(ワイン貯蔵室)を持っていたり、質の高いワインを買って自分の家でゆっくりと味わったり、友達と飲んだりする人たちは増えてきているからです。」

日本市場についてはどう見ているのだろうか?
「日本とはある輸入業者を通じて何年も前から取引を行っています。この輸入業者とは友人のように親しい関係です。彼らは私たちのバルベーラ・スーペリオーレ"La Pantalera"や"Sancarlo"などを購入しており、特に東京の高級レストラン向けに販売しています。
私と父は、今年の2月に日本に一週間滞在したんですよ。日本人の味覚を知り、それにふさわしいワインを提供するために行ってきました。私たちにとってはまだ小さな市場ですが、これから大きく発展する可能性があります。日本のみなさんのイタリア文化やワインに対する興味は常に増してきています。」

量ではなく質の向上を
ピエモンテ州ランゲ地方はワインの産地として有名だが、それだけに競争も激しいのではないかと質問したところ、意外な答えが返ってきた。
「私たちはこの地域の他の生産者たちを"競争相手"とは思っていません。むしろ"同僚"と見なしています。喜ばしいのは、近年、この地域の生産者たちがみな質の向上を目指していることです。そうすることで、この地域のレベルが上がり、世界中にピエモンテの高品質のワイン文化を広めることができます。」
一農家だけが生き残りをかけて頑張るよりも、地域全体で質の向上を目指した方がより世界に力を発揮できる、という考えなのだ。

最後に将来について尋ねてみた。
「量ではなく、常に質の向上を目指していきたいと思っています。すでに取引のある市場に対して注意を怠りなくし、お客さんに最良のものを提供し、私たちの製品を味わっていただきたいですね。」
ラ・モッラのあるランゲ地方は、トリュフ、ノッチョーラ(はじばみの実)の産地でもある。豊かな自然と農業文化が残るこの幸せな土地で生まれた高品質のワインを、世界中の人たちに味わってもらいたい。静かなラ・モッラのワイン農家から、デニーゼさんたち家族全員の熱い思いが伝わってきた。   (K.Maruyama)



AGRICOLA GIAN PIERO MARRONE
Fraz. Annunziata 13
12064 La Morra (CN)
tel: +39 0173 509288
fax: +39 0173 509063
e-mail:marrone@agricolamarrone.com
URL:http://www.agricolamarrone.com


 

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