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ITALY NEWS

イタリア中小企業訪問
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2005/11/30 
 

イタリア中小企業訪問


食ビジネスにかけるイタリア企業家(2)Ristorante GIRASOLE

女性シェフが切り盛りする
北イタリアの地中海料理レストラン





ミラノの南、オリオ・リッタOrio Littaという町にGirasole(ジラソーレ)というレストランがある。北イタリアにありながら魚介類を使った地中海料理を得意とするレストランだ。この店の経営者であり、シェフも務めるのはヴィヴィアーナ・ヴァレーゼViviana Vareseさん。給仕頭でソムリエのサンドラ・チチリエッロSandra Cicirielloさんと組んで、ジラソーレを切り盛りしている。そして、今年、イタリア中のシェフ100人近くが参加したターラントの料理コンクールで見事第3位を獲得した。今回の中小企業訪問では、31歳という若さでレストラン・ジラソーレを経営するこのヴィヴィアーナ・ヴァレーゼさんにお話を伺った。

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ジラソーレを開くまで
オリオ・リッタの町はロンバルディア州ローディ県にある。パヴィアからも近く、ポー川がそばを流れるのどかな場所だ。そのオリオ・リッタにあるレストラン・ジラソーレは、魚介類を使った地中海料理が売り物。"ジラソーレ=ひまわり"というネーミングからも分かる通り、店内は地中海の太陽を思い出させるような明るく家庭的な雰囲気を醸し出している。

このお店の経営者兼シェフがヴィヴィアーナ・ヴァレーゼさんだ。彼女は1974年、南イタリアのサレルノ生まれ。父親がレストランを経営しており、彼女は7歳の時からピッツァを回していたという。レストランの忙しい仕事から逃れるため教員養成学校を卒業するものの、料理への情熱は彼女を父親と同じ道へと導いた。
学校を出た後、まずは父親の経営していたトラットリアで料理人としての基礎を学ぶ。そして、21歳の時にピアチェンツァの地中海料理店の見習いとなり、ナポリの歴史的レストランカジーナ・ロッサで働いたシェフのそばで勉強。続いてイタリア料理界の巨匠グアルティエーロ・マルケージのレストラン(ミシュランの二つ星)で修行し、ここでレストランをオーガナイズすることがどういうことかを学んだという。
そして、1999年、オリオ・リッタにジラソーレを開く。わずか25歳でレストランを開いたヴィヴィアーナさんだが、困難はなかったのだろうか?
「レストランを開こうと思ったのは23歳の時です。オリオ・リッタの町を選んだのは、別に戦略的、理論的に意味があったわけではなく、父親が20年間経営したトラットリアがここにあったからです。父が亡くなった後、新しい装いで店をつくろうと決心しましたが、その頃はまだお金もたくさんもっておらず、銀行からの借り入れなど金銭面で苦労しました。しかし、強い信念と友達の助けで、決心してから1年半の1999年5月29日にジラソーレを開くことができました。」

ヴィヴィアーナさん、そしてジラソーレにとって大きな転換点となったのは、現在店でソムリエと給仕頭を務めるサンドラ・チチリエッロさんとの出会いだ。サンドラさんはブリンディシ県のオストゥーニ生まれ。魚が大好きで、若くからミラノの魚屋で働きはじめた彼女は、キオッジャ、マンフレドーニアなどイタリア中の魚市場を回り、自身もミラノの魚市場で働いたことがあるという。また、魚に対する知識を深める一方、イタリアソムリエ協会で学び、ソムリエの資格を取得した。 「ジラソーレは最初はピッツェリアとして開店しました。しかし、サンドラと出会ってはじめて自分の知識をより活用することができるようになり、彼女と一緒に店の改革を始めたのです。まずピッツェリアという形をやめ、魚介類の量、そしてその質を高めました。これは彼女の20年にわたる経験のおかげです。私たちの根っこの部分にある"地中海"は変えることなく、料理をより洗練されたものにしました。サンドラはまた、ソムリエとしてワインの充実にも従事しました。現在は彼女が選んだエチケットが100種類以上あります。
こういった店の転換をイタリアが経済危機に陥っていた時期にやったわけで、お金と時間、そしてたくさんの愛情を注いでジラソーレを新しく作り直しました。」

レストラン経営の苦労と喜び
ここでヴィヴィアーナさんとサンドラさんの仕事を簡単に紹介しよう。まずシェフのヴィヴィアーナさん。「週に3回青果市場に行き、果物と野菜を買います。私の日常の仕事はだいたい9時ごろに始まり、レストランのすべての料理作りをてがけます。パスタはすべて手作りですし、デザート、デコレーション、ソース、魚の処理などを二人のアシスタントと一緒に行います。」
一方、サンドラさんは「私は魚介類の購入をまかされています。朝の5時から始まるので大変ですが、私にとっては一日で最も大切な時間です。私はつねに"質"に重点を置いています。さまざまな味覚の異なる質の高い魚をどうやってお客様に提供しようかと考えます。そして、ワインです。料理とワインの組み合わせはとても大切です。そして、ヴィヴィアーナがつくる料理は、私のOKが出なければお客さんの前に出されません。」

ヴィヴィアーナさんがジラソーレを経営するにあたって大事にしていることは何だろうか。
「最も注意していることはお客様への配慮です。大切なのは、でしゃばり過ぎないホスピタリティだと思っています。例えば、テーブルの上にはいつも新鮮な生花を飾って心地よい雰囲気を出すようにしていますし、レストランをきれいに掃除しておくこともとても大切です。
疲れた時はレストラン経営は大変だと思います。また、時に私のやっていることを理解してくれない人に出会うこともあります。例えば、最近は大きなチェーン店などがどこにでもあって、とりあえず何でもやります。私たちはそうではなく"質"を重視しているのです。しかし、それはコスト、犠牲が必要であることも意味します。
しかし、仕事をしていて嬉しい瞬間ももちろんあります。 一番嬉しいのは、ジラソーレでお客さんが幸せな気分に浸れる時です。「グラッツィエ(ありがとう)」と言ってもらえると嬉しいですし、お客さんが美味しそうに食べている様子を見るとこちらも嬉しくなります。そんな時、私のやっていることは正しいのだと思うことができます。まだまだやることはたくさんありますが、料理を前にした時のお客さんの微笑みのために頑張ろうと思います。私たちのスローガンを知ってますか?"料理への愛情はともに分かち合うもの"です。」

今後について
ジラソーレは今年で3回目になるターラントのムール貝を使った料理コンクールFestival italiano della Cucina con la cozza tarantinaで見事3位を受賞した。ターラントは古くからムール貝の養殖で有名で、このコンクールにはイタリア中の料理専門家が注目する。「ターラントのフェスティバルではトマトとなす、水牛のモッツァレッラ、そしてターラントのムール貝を使ったミルフィーユをつくりました。これは店でも出していて、いつも評判です。」
しかし、魚介類ばかりではなく、北イタリアの地元の料理ももちろん忘れていない。現在はローディ県一帯のレストランが参加するローディ・ガストロノミア・フェスティバル(2005年10月1日〜12月11日)にも名を連ねており、期間中は地元の郷土料理を中心にしたメニューをセットで食べることができる。それから付け加えておきたいのが、ヴィヴィアーナさんは有名なパティシエ、マウリツィオ・サンティンのもとでチョコレートの勉強をしたことがあり、デザート作りも得意だ。

最後に今後について尋ねてみた。
「シェフとして働くからにはミシュランの星をとりたいと思います。でも、それはまだ夢の話。私たちの今の主な目的は、ジラソーレでよく働き、良い料理を作り、日々自分自身をより良いものにしていくことです。そして、お客さんが友達と一緒に笑顔で戻ってきてくれること、新しい料理をつくること、毎日何か新しいことを考えつくことが大事です。」

女性がシェフをするのは大変ではないかと尋ねたら、「女性シェフは体力では男性に劣るけれど、料理への配慮や愛情では上だと思います。世界のトップシェフの一人はナディア・サンティン(注:イタリアの有名レストラン"ダル・ペスカトーレ"の女性シェフ)であることを忘れてはいけません」と答えてくれたヴィヴィアーナさん。まだ31歳という若さである。料理への愛情を彼女と分かち合う人たちがこれからもどんどんと増えていくことだろう。   (K.Maruyama)



Ristorante GIRASOLE
Via Mantovana 48, Orio Litta (LO)
Tel. 0377-944785
e-mail:girasole.orio@libero.it
URL:http://www.girasoleristorante.com
営業時間: 12:00〜14:30/19:00〜23:00頃まで
定休日: 日曜夜と月曜


 

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