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ITALY NEWS

イタリア中小企業訪問
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2005/10/28 
 

イタリア中小企業訪問


食ビジネスにかけるイタリア企業家(1)Soluzioni s.r.l.

Mediterraneatingを通して
ナポリから南イタリアの食文化を世界へ





紺碧の海と太陽輝く青い空が印象的な南イタリア最大の港湾都市ナポリ。古代ギリシアの植民地として生まれ、長い歴史を誇るナポリは、食文化が豊かな土地でもある。ピッツァ・マルゲリータ発祥の地であることは有名だし、モッツァレッラチーズはナポリを州都とするカンパーニア州の代表的特産品だ。降り注ぐ陽光の恵みを受けたワインも美味しい。
そんな南イタリアの食文化を広めるべく昨年から始まったのが国際的な見本市メディテラネアイーティングMediterraneating。実は、弱冠32歳というナポリの企業家のアイデアで生まれたものだ。今回の中小企業訪問では、ナポリのコンサルティング会社Soluzioni s.r.l.を経営するその若き企業家、,b>マッシモ・ルチディMassimo Lucidi氏にお話をうかがった。

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メディテラネアイーティングについて
メディテラネアイーティングは、南イタリアの食材や加工品を中心に生産メーカーが出展する見本市。ナポリのオルトレマーレ国際展示会場Mostra d'Oltremareで開かれる。今年で2回目となる生まれて間もない見本市だが、南イタリアの食文化を世界に広めるビジネスの場としてイタリア国内外からの注目を集めている。昨年11月に開かれた第1回目は、オープニングにアレマンノ農林大臣を迎え、125年の歴史を持つナポリのパスタメーカー・ヴォイエッロなど100の企業が出展。期間中、ヨーロッパだけでなくアメリカ、カナダ、日本、中国からのバイヤーなどおよそ5,000人が訪れ、大成功を収めた。

このメディテラネアイーティングの仕掛け人であり、総指揮を務めるのがマッシモ・ルチディ氏だ。
「メディテラネアイーティングは、南イタリアを中心とする地中海地域にある中小企業が生産する食品を、世界にプロモーションするという今までになかった見本市です。"グローカルGlocal"、すなわち地域に根付いた伝統的な産物で、しかも品質や味覚において世界レベルで普及する可能性をもっているものに目を向けています。世界的にプロモーションするリソースに欠けるこの地域の中小企業を助け、偽造品などの脅威から守るためにも有効な手段です。世界中からのバイヤーが訪れ、この地域の生産者メーカーとが出会う場となっています。」

「メディテラネアイーティングは私のアイデアで生まれました。ナポリへの愛情と、今まで働いてきた中で培ってきたこの地域の食文化に対する知識が結びつきました。私はよく旅行をしますが、他の町と比較することでナポリの良さを一層認識します。そして、この地域を発展させるために国際的な見本市を開く必要があると考えました。この地域には素晴らしい生産メーカーがたくさんありますが、彼らは常に成長性に問題があったのです。
実は昨年6月、ナポリでイスラエル大使とパレスチナ代表が晩餐をともにしたのですが、その機会に「地中海と美味しい食卓は異なる民族を結びつける」というメディテラネアイーティングのアイデアを外に出しました。地中海の中心にある町ナポリが将来を見通す場になるよう願っています。」

今年のメディテラネアイーティングは11月17日から20日までの4日間にわたって開かれる。今年は南イタリアだけでなく、エジプトやスペイン、フランス、トルコなど広く地中海地域の企業が出展する。また、種々のセミナーや会合、イベントが予定されている。
「毎年必ず農産物加工品に関するリサーチ論文を発表することにしています。メディテラネアイーティングは、研究や分析を通じて市場の方向性や成長の可能性、新しい動きを知ることができる場なのです。
また、異なった文化の人たちが出会い、楽しむことができる場所でもあります。昨年は日本人の女性オペラ歌手が地中海への愛をつづった歌を歌いました。今年は日本人のバイヤーたちが歌いながらピッツァを作るというイベントがありますよ。」

ルチディ氏の活動
メディテラネアイーティングをオーガナイズするのはルチディ氏が経営する会社Soluzioni s.r.l.。彼はこの会社を通して実に精力的に働いている。ルチディ氏の経歴をたずねてみた。
「1973年ナポリ生まれです。ナポリ大学フェデリコIIの商経済学部を卒業しました。すでに18歳の時から地元のテレビや新聞などでジャーナリストとして働き始めましたが、起こることを証言するだけでは飽き足らず、この地域を愛する者として自らが企業家となることを決意しました。2000年にマーケティングやコミュニケーションサービス、コンサルタントを提供する会社Soluzioni s.r.l.の50%を引き受け、2001年には代表取締役になりました。同時に、弁護士であり企業家のエンリコ・アウリッキオ氏が同社の10%の株を引き受けました。騎士勲章を持つ大先輩の彼がメディテラネアイーティングのアイデアに賛同し、この見本市が実現したのです。アウリッキオ氏がメディテラネアイーティングの総裁の肩書きを担っています。
私はジャーナリストの仕事をした後、地中海観光博Borsa Mediterranea del Turismo di Napoliのための温泉・アグリ分野の責任者といった経験を積んで、この地域のツーリズムに関する知識を蓄えました。今ではSoluzioni s.r.l.を通じて同観光博の海外交渉と戦略・オペレーションマーケティングを行っています。その他にも、大学を出てすぐマーケティングの講師など教師としての仕事も始めたのですが、Soluzioni s.r.lでは2002年よりナポリ大学でツーリズムに関するコースのパートナーを務めています。」

さらに、Soluzioni s.r.l.は、古い伝統ある"Mare Moda Capri(カプリ島で開かれるファッションイベント)"を復活させたり、今年2月にはイタリアで初めてとなる農産物加工品セクターでのオンライン情報発信を始めたりしている。オンライン情報では関係する企業2,500社が一体となり、協力。登録者には毎日ニュースレターを送るなど、生半可でない態度が窺える。

今後について
すでに来年のメディテラネアイーティングの日程(2006年11月23日〜26日)も決まっており、少なくとも2009年までの開催が現時点で予定されている。将来を見通して働くルチディ氏に今後について尋ねてみた。
「仕事、仕事、仕事です。道のりは決して楽ではありません。特に、ミラノと違ってナポリではこういった新しいことに無関心な人が多い。しかし、私と一緒に仕事に携わる人たちが皆、南イタリアの食文化を広めることを支えてくれ、そして私の着手したことが正しいことを証明してくれます。メディテラネアイーティングを、地中海の農産物加工品市場での真の魅力あるコミュニケーション手段とし、世界主要国への輸出活動に欠かすことのできない出発点にしていきたいと考えています。」
「日本はアジアで最も大きな市場であるだけでなく、日本の人たちは常にこの地域の美しさと食文化の素晴らしさに関心を寄せてくれます。皆さんの質や伝統を大事にする姿勢は、メディテラネアイーティングのアイデアと強く結びつくと思います。」

彼の話の中で印象的だったのが「インノベーションがあれば、市場はそれを理解し、取り入れ、評価し、報いる」というフレーズ。常に革新を求めて活動するルチディ氏のそのエネルギーはどこから出てくるのか尋ねたところ、「エネルギーは天からもらう」と笑いながら答えてくれた。実は敬虔なキリスト教信者であり、宗教心の篤い人なのだ。それが彼のひとつの原動力になっていることは間違いない。そして、何よりも地元ナポリへの愛情である。「territorio(テリトリー)」という言葉が、活動の一種のキーワードのように頻繁に出てきて、彼が生まれ故郷ナポリ一帯と強く結びついている様子が窺えた。
陽気なナポリっ子であり、自分の道を信じ、ナポリのために世界へ目を向けて活動する若き企業家ルチディ氏。今後の活躍を大いに期待したい。   (K.Maruyama)



Soluzioni s.r.l.
Viale Gramsci, 12
80122 Napoli
Tel: 081-6583900/1 Fax: 081-2140030
e-mail:info@soluzionisrl.com
URL:http://www.soluzionisrl.com

メディテラネアイーティング Mediterraneating
開催日程:2005年11月17日〜20日
開催場所:Mostra d'Oltre Mare Napoli
Tel: 081-7258000 Fax: 081-7258009
URL:http://www.mediterraneating.com
入場には事前申し込みが必要ですが、
日曜日には一般の人も入ることができます(有料)。


 

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