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ITALY NEWS

イタリア中小企業訪問
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2005/2/1 
 

イタリア中小企業訪問


sushi bar Kukai

ナポリに生まれたお洒落なSushi Bar





ミラノには日本料理を専門にするレストランが数軒あり、そんな日本料理店ではイタリア人が上手に箸を使って食事をする姿も見かける。ローマも然り。しかし、これら大都市を離れると、日本料理店はまだまだ少なく、あるとしても中華料理と一緒ににぎり寿司もメニューに加わっている程度のものが多い。そんなイタリアで、寿司をこよなく愛するイタリア人男性が、故郷ナポリで”寿司バー”を開いた。しかも、変にオリエンタリズムを強調するのでなく、ニューヨークの寿司バーをイメージしてつくったおしゃれでインテリな雰囲気のお店だ。今回は、このナポリの新しい顔、”sushi bar Kukai”を経営するマッシミリアーノ・ネーリMassimiliano Neriさんにお話を伺った。

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寿司との出逢い
マッシミリアーノさんが妹のモニカさんとナポリにKukaiを開いたのは2003年12月。ナポリの中心地、トリエステ・エ・トレント広場にほど近い場所に、全35席ほどの無国籍な空間を作りだした。トゥーフォ(凝灰岩)の白壁に間接照明がおしゃれな雰囲気を醸し出し、店内には世界中の有名な雑誌が置かれている。メニューは、にぎり、細巻き、ちらしなどの寿司類から刺身、味噌汁、ラーメン、そしておにぎりもある。テイクアウトも可能だ。マッシミリアーノさん曰く、「単なる日本食レストランでもなく、バールでもない。一日働いた後にリラックスできる場所であり、アペリティーボ(食前酒)をとる心地よい場所でもあり、ピッツァに飽きた人のための場所でもあります。」

店を開くまで
モニカさんと電話で話したという彼らの夢の内容は、「ニューヨーク風の寿司バーを開いて、ナポリに新しいインターナショナルな香りをもたらそう」というものだった。この電話からたったの4ヶ月で開店にこぎつけるわけだが、道のりは容易ではなかったようだ。まず店を開く場所を見つけたのが2003年の7月。「穴倉」のような場所で、まずこれを完全に改装する必要があった。

しかし、問題は他のところにあった。それは、ナポリではレストラン経営を許可する免許の数が限られており、新規出店が難しいということだった。この免許を得るためには、レストランを閉店しようという経営者から免許を購入するしかないのが実状だというのだ。いきおい、その値段は高くなる。「ナポリ市が定めている免許の数は、人口とレストランの数を考えると、とても少ないものです。しかし、権利の価値を下げたくない経営者と行政との間の利害関係から生まれているのです。」

この難題を片付けても、煩雑で時間のかかるお役所対応が残っていた。「看板を付けるのにも、入口に植木箱を置くのにも許可を得ないといけません。地元の衛生管理局ASLもたくさんの規則を設けており、一旦衛生面での許可を得た後でも、ミキサー一つを加えただけで、届け出ないといけないのです。また、H.A.C.C.P.の自己規制案を作成しなければなりませんでした。」この自己規制案とは、製造中に(彼らの場合、寿司)、衛生面から見て危ない部分を指摘し、それにどう対処するかを示したものだ。
「要するに、店を開くというのは冗談でできるものではなく、強いやる気が必要なのです。」

ナポリのSushi Bar
店の準備、お役所への対応は2003年の11月に完了し、「試運転期間」を経て、12月に”sushi bar Kukai”は開店した。
「最初は私達も、ナポリの人たちは保守的で、エスニックな料理に対して積極的ではないだろうと思っていました。しかし、すぐに考えを変えることになりました。お客のタイプは?と聞かれると”25歳〜40歳の海外をよく旅して日本食をすでに知っているビジネスマン”と答えることはできますが、”初めてKukaiで寿司を食べる”というナポリ人も多くいるのです。」
店の外に行列が出来るほどの盛況が続き、最初は火曜日〜土曜日の夜だけ開いていたのが、日曜日にも開くようになり、さらにお昼の時間、そして月曜日、クリスマス、お正月も開くようになった。

店が大事にしているのはTQF(Total Quality Food)。使用する素材の質にこだわっている。鯛、鯖、鯵、小鰯、タコ、イカなどの魚介類は、毎朝ナポリの魚市場から届く。夜に店を閉める時に翌日分のオーダーをファックスで送るそうだ。一方、まぐろはローマから。日本にも輸出している業者から新鮮なシチリアのまぐろ、そしていくらやうにを仕入れている。

「Kukaiの成功は、私達の予想以上のものです。ナポリ人がいかに新しい文化に対してオープンかということがわかりました。毎月、前月の顧客数を上回る人が来てくれています。」
「ニューヨークやパリ、東京などの町に住んできましたが、ナポリにはまだ足りないものがたくさんあります。今ミラノで日本料理店を開いても、誰も注目しないでしょう。しかし、ナポリにはKukaiの他に一つしかありません。潜在的な発展余地はたくさんあり、それを見つけるのも楽しいことです。
そして、ナポリの町を選んだのは、何よりも私の生まれ故郷だからです。青い空と海があり、5時間でも自由な時間があればすぐにカプリ島に行って泳ぎ、一日の仕事へ向けてのエネルギーを蓄えることができます。
Kukaiという店の名前はイタリア人に発音しやすいので選びました。しかも、弘法大師(空海)の名前は、”空”と”海”という漢字から出来ています。これほどナポリにふさわしい名前が他にあるでしょうか!」

マッシミリアーノさんがモニカさんと電話で話した将来の夢には続きあがる。それは、「イタリアで最初の本物の寿司のテイクアウトチェーンをつくること。」 ナポリで開いた夢がこれからどう広がっていくか、日本を愛するマッシミリアーノさんのこれからの挑戦に期待したい。   (K.Maruyama)



sushi bar Kukai
Via Carlo De Cesare, 55/56
Napoli
tel:(+39)081411905
e-mail:info@kukai.it
(ホームページ)http://www.kukai.it,


 

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