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ITALY NEWS

イタリア中小企業訪問
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2004/10/1 
 

イタリア中小企業訪問


Snoline spa

道路標識製造を専門に約50年





イタリアを旅していると、「車があるといいなぁ」と思うことがよくある。フィアットという世界的に有名な自動車会社が存在するイタリアでは、鉄道網よりも道路網の方がより発達していると言われる。ミラノ−ナポリ間をつなぐ太陽高速道路"アウトストラーダ・デル・ソーレ"が1964年に完成した時には、フィアットのチンクエチェントという名の車が開通記念として走行した。当時のイタリアでは、"フィアット車のための道路建設"は"経済発展"と同義だった。

そんなイタリアの"経済発展"の一翼を担ってきたとも言えるのが、今回訪問したスノライン株式会社Snoline spa。現社長フランツ・ミューラー氏のお父さんが、1955年に道路標識を製造する会社として興した。ちょうど第二次大戦後10年が経ち、「イタリアの奇跡の成長」と呼ばれた10年間が始まろうとするる頃。前述の太陽高速道路の建設が始まったのもこの時期だ。イタリア国内の道路網拡充と歩調を合わせるようにして、スノラインは道路の安全性を高めるための製品開発に力を入れてきた。

ミラノから高速道でヴェネツィア方面へ向かい20キロのところ、左手に「Snoline」の看板が見えてくる。事務所、工場、研究室で計39名が働くズノラインの輸出マネージャー、ロベルタ・グリッティRoberta Grittiさんにお話をうかがった。

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現社長のミューラー氏も、創設者であるお父さんも、化学技師。化学会社で働いていたお父さんは、それまでの塗料ではなく新しい素材での道路標識を、という市場の要求に応える形でスノラインを設立した。「新しい素材で、取り扱いが簡単で、そして長持ちするものをつくることが目標でした。ここから、現在でも私達の主要製品である"前もって製造された横断ライン"が生まれたのです。」

英語で言えば"プレファブリック・ライン"となるこの製品、横断歩道を示すためなどに道路に描かれるラインのことだ。それまでは塗料で描かれていたのが、ラミネート樹脂を薄板状にしたラインを事前に工場で製造し、後は必要な場所に接着するだけで済むようにした。「この製品を開発した後、イタリア国内の道路・高速道路網の成長に合わせ、スノラインは道路の安全性を高めるため他の製品を開発してきました。」

現在、スノラインの製品群は3つのタイプに分けられる。まずは道路ラインのためのラミネート薄板、緩衝柵などの安全製品、そして、運転手に減速をうながすパネルなどその他の付属製品だ。製品数トータルは約30になる。
「リサーチやプロジェクトの段階を重視しています。私達の製品は、道路標識製造という分野に適応し得る最高の技術研究の成果です。最も良い素材を使用して耐久性を高め、外観も美しくし、環境にも配慮しています。」
「当社の研究室や技術事務所は、外部の設計者や大学と協力しています。もちろん、高速道路会社や地方自治体、民間の道路標識設置業者といった私達の顧客や利用者、専門家の意見を聞き、彼等の求める道路での安全性を見つけだし、技術的にも経済的にも満足してもらえるような製品を開発するよう心がけています。こうして開発された製品の多くが国際特許を持っています。」

また、製品をつくるだけではない。顧客へのアシスタントサービスも万全だ。特別な作業を要する製品を設置する際にはスノラインの設置班が作業に従事したり、他業者が設置にあたる場合も、コントロールする技術者を派遣したりする。また、設置後に予想しないような問題が起こった場合にも対応する。

今では、イタリア国内だけでなく、ドイツ、フランス、イギリスなどヨーロッパの他の国へも製品を輸出している。国内ではもはや戦後の経済成長期のような道路網拡充は望めないのだから、国外進出は必然だろう。その点、ミラノという近隣ヨーロッパ諸国に車でもすぐに行ける場所に会社の拠点があることは利点だ。国外においては比較的大きな販売会社を利用して製品普及に努めたりもしている。
「すでに私達の売上の40%は国外でのものです。EU規則に適合した製品ですので、ヨーロッパの他の国でも問題なく私達の製品を使ってもらえます。製品を売るだけでなく、他国の技術者ともコンタクトをとっています。」 
ミラノやローマ、パリなど大都市での道路標識の改善に貢献し、ドイツ、フランス、イギリスの高速道路工事の安全性を確保し、また、スノラインの緩衝柵を通しヨーロッパ各国で多くの人命を救ってきた、と言う。

「今年のヨーロッパ市場はあまり良い状況ではありません。一般的な経済状況が良くないのと、アメリカのライバル会社がユーロ高を利用して低価格攻勢をかけていることも影響しています。」
しかし、ここに来て市場に回復の兆しが見えてきているという。また、中近東や北アフリカの国々への進出も計画中だ。
「当業界で国際的に重要なイヴェントに参加したり、業界紙に製品広告を載せたりして、プロモーションするようにしています。また、顧客とのコンタクトを欠かさないため、当社から常に最新の提案をパンフレットのような形で送っています。」
「当社は、顧客への高品質のサービスが評価され、国際規則UNI EN ISO 9001:2000に認められています。"道路の安全性を高める"という目標の下、会社組織、製造過程、製品コントロールを厳しく行っています。」

総勢39名という決して大きいとは言えない会社だが、道路標識という分野に特化し、研究開発に注力することで、顧客の信頼を得る。たゆみない努力の成果が競争力のある製品に結びついているという自信を、グリッティさんのお話から強く感じることができた。   (K.Maruyama)



Snoline spa
Via Francesco Baracca 23, 20056
Trezzo sull'Adda (MI)
tel:(+39)02-909961
fax:(+39)02-90996200
e-mail:info@snoline.com

(ホームページ)http://www.snoline.com


 

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