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ITALY NEWS

イタリア中小企業訪問
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2004/06/1 
 

イタリア中小企業訪問



OASIS s.r.l.

家具産地ポルデノーネから世界展開




イタリア北東部フリウリ・ヴェネツィア・ジュリア州のポルデノーネPordenone一帯は、ミラノ近郊と並びイタリアの家具産地として知られる。ヴェネツィア湾へ流れる川を通じて水陸交通の要所として中世の時代から栄え、豊富な水資源を利用して、繊維などの産業が栄えてきた。戦後は、家電産業と並んで家具産業が発展。家族経営中心の中小企業群が世界をマーケットに事業展開している。

今回訪問したバスルーム家具製造会社オアシス社もそんな「イタリアの中小企業」を代表する会社。ポルデノーネ市から15キロのところにある人口2000人余りの小さな町ブドイアBudoiaに拠点を置く。ブドイアは新石器時代に起源を遡る歴史ある町で、なだらかな山を背後にひかえ、この時期には緑がいっぱいに広がる。そんなのどかな町からイタリアだけでなくアメリカ、ロシアなどへ世界展開しているオアシス社。今回は、同社の輸出マネージャー、フランチェスカ・クワイアFrancesca Quaiaさんにお話を伺った。

オアシス社の概要
オアシス社は、フランチェスカさんの曽祖父が1908年に創設したクワイアグループに属する。同グループは家庭用家具全般を製造・販売しており、おじいさん、そしてお父さんが経営を引き継いでいる。総社員数約40名のグループだ。オアシス社は1984年にバスルームで使われる家具を専門に製造する会社として創られ、洗面台や付属戸棚などを取り扱っている。ヨーロッパのバスルームは日本のお風呂場とは違い、トイレ、洗面台、シャワー(バスタブはあったりなかったり)が備わった部屋のこと。ちょうど80年代頃にバスルームが「単にシャワーを浴びる場所」から「リラックスする場所」へと見直されはじめ、そういった意識の変化を背景にオアシス社は設立された。

社員15名のオアシス社の中でフランチェスカさんは輸出マネージャーという位置付けだが、外部から採用された取締役とともに、同社の経営全般をコントロールしている。「ミラノのカトリック大学法学部を卒業して、オアシス社で働き始めました。最初はこの仕事に対して興味を持てるかどうか不安でしたが、今では情熱を傾けて働いています。オアシス社の家具の魅力を知り、それを多くの人に知ってもらいたいと思うようになったからです。」

同社の戦略は「常に新しいものを求める」ことにある。もともと木工家具製造から始まったクワイアグループは、長い経験と持続的に行ってきた最新の製造設備への投資により、高級家具市場の中での地盤を確かなものとしてきた。しかし、同グループの取り扱う家具は機能重視のクラシックなものが多い。オアシス社はもっとアヴァンギャルドで刺激的なもの、しかし毎日使っても飽きず10年後でも評価されるものを提供するよう心がけている。

いくつかの案の中からデザインが決定すると、まずは試作品が作られる。この段階で、素材、機能性、製造方法、製造に必要な時間、梱包方法などさまざまな面からのリサーチが行われる。「試作品作りがもっともデリケートで重要な段階です。一生使えるものでなければなりませんから、まずは素材のリサーチが大切です。そして、ひとつの家具を作るのにはさまざまなパートが必要ですから、それぞれの機能性などのリサーチも必要になります。出来あがったオアシス社の製品を見て、形だけを真似することはできるかもしれませんが、全く同じものを作ることはできません。この試作品の段階での細かなリサーチが私たちの強みと言えます。」製造は協力会社を含めすべて地元で行っている。海外へはすべて輸出対応だ。これは、自分たちがきちんとコントロールできるところでなければ質の高いものがつくれないというポリシーから。ポルデノーネという産業集積地帯が形成されている点は製造効率化に大変有利で、競争力アップにつながっている。

製造は基本的には受注生産。販売は高級家具を扱うエージェンシーを利用、大口顧客に対しては直接オアシス社がコンタクトをとる。固定費負担がかさむので自前の販売店は持っていない。イタリアの家具市場は飽和状態にあるが、世界的に見るとロシアや東ヨーロッパなどの国々を中心に市場は伸びている。オアシス社もアメリカやフランス、ロシアなど世界20カ国に輸出しており、重要な収入源となっている。

成功の秘訣
オアシス社は、先月開かれた国際的な家具見本市ミラノ・サローネ・デル・モービレで、新しいコレクション"オードゥエO2"を発表した。土地・雲・雨・植物という「自然の四要素の循環」をコンセプトに、PUR(ポリウレタン)を主要素材にした洗面台、バスローブかけにもなる照明ランプ、アームチェアなど新たな8製品を展示。バスルーム用を基本としながらもそれにとどまらない新しい家具だ。

「今年のサローネは大成功でした。面白味に欠ける他社のスタンドの中で、当社の新しいコレクション"オードゥエ"は異彩を放っていると好評でした。」イタリアには超有名デザイナーが存在するが、彼らはお金で動くため、大きな家具会社のコレクションは次第に似たものになってしまうという。

「私たちがうまくやってきているのは、次の点にあると思います。ひとつは、顧客の求めるものに最大の注意を払い、彼らの嗜好、習慣、生活スタイルをよく知ること。それから、一貫性を持った製品群をつくっていくこと、そして、世の中の傾向を先取りするよう注意し、新しいアイデアに基づいた製品を出すことにより顧客のスタイルにどういったインパクトを与えうるかを理解することです。」

フリウリ地方独特ののんびりとしたイントネーションで穏やかに話してくれたフランチェスカさん。話の中で何度も「スティモロ(刺激)」という言葉が出てきた。顧客の満足を念頭に置きながら、常に新しくて異なった感動を生む家具を製造していくことが勝負の鍵、とその優しい面立ちからは想像できない力強い話をうかがうことができた。これからもブドイアの町から世界に向けて新しい家具が送り出されていくに違いない。   (K.Maruyama)



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