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ITALY NEWS

イタリア中小企業訪問
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2004/04/1 
 

イタリア中小企業訪問



アルベルト・モーロ不動産事務所

Studio Immobiliare Alberto Moro


イタリアの都市の中で最も多くの日本人が住むミラノ。その数は2,000人以上になる。音楽、デザイン、モードなどを勉強する学生や日本企業で働く駐在員等々、やって来る目的は様々だとしても、彼らがこの町に来て真っ先にしなければならない共通のことがある。それは、家探し。言葉も習慣も違う場所で気にいる住居を見つけるのは容易なことではない。しかし、ミラノには日本人にとってありがたい不動産会社が存在する。アルベルト・モーロ不動産事務所Studio Immobiliare Alberto Moroだ。日本人スタッフを擁し、日本企業や日本人に対して家探しから契約まできめ細かいサービスをしてくれる。今回は、このアルベルト・モーロ不動産事務所の社長アルベルト・モーロAlberto Moro氏にお話を伺った。

強みは日本人向けサービス

モーロ氏が不動産業界で働き始めたのは、お祖父さん、お父さんが建設会社を経営していたから。最初は父親の会社が建てた家を売ることから始めた。その後、もっと独立した仕事をしたいという思いから、自身の事務所を開くことを決意、1994年に事務所を興した。以来、不動産調査、評価、住居・商業用不動産の売買、賃貸などの仕事を行なっている。特に専門分野のひとつとしているのが、日本の会社や個人に向けた事務所及び住居の賃貸事業。2000年11月には在イタリア日本商工会議所の会員になり、ミラノ及び近郊で活動する多くの日本企業とコンタクトがある。父親の建設会社ともコラボレーションは続けており、最近ではサン・ドナート地区に建設された約7,000平米のオフィスビルを日本企業に賃貸した。

事務所では2人の秘書を含め6人が働いている。「大きい事務所ではありませんが、量よりも質を大事にしています。価値のない物件を見せても、お客さんにとっても私達にとっても時間を無駄に使うだけです。」
不動産業を営むには、地方自治体が企画する所定のコースに通い、試験を受けた上で、各地の商工会議所に登録する必要がある。しかし、イタリアでは正式な登録免許を持たないまま不動産業を営む人たちもいる。不動産には税務や法律など様々なことが関わるため、信頼できる相手を選ぶことが大事だ。
その点、アルベルト・モーロ不動産事務所には日本人社員がおり、常時日本人をサポートしてくれる。「電話、メール、ファックスなど日本語でコンタクトしています。契約書雛型など必要書類を日本語に翻訳したものも備えています。イタリアの法律を知らない日本人には充分なサポートが必要です。彼らが抱える色々な問題を解決し、不愉快な状況にとどまらないよう、私達は手助けしています。」

不動産事務所を開いて経験を積んでいく中で、「この業界でも何か専門化した分野を持たなければならない」という考えから始めた日本人向けサービス。なぜ日本人だったのだろうか。
「もともと東洋哲学・宗教に興味を持っていました。89年に禅に近づく機会を得、さらに93年からは裏千家のお茶の作法を習い、あらためて日本人の精神性について知るようになりました。そういった中で日本人の知り合いが増え、現在の仕事へと広がってきたわけです。」
日本人の嗜好もよく把握している。例えば「バスタブ付きのお風呂のある家」というリクエストがあれば、すぐにこたえることができると言う。日本人向けサービスの質の高さは社長が最も誇ることだ。

不動産市場の動向

ところで、最近ミラノのアパート家賃は東京並みに高くなってきているように感じる。不動産市場の動向について伺ってみた。
「まず、賃貸物件ですが、需要よりも供給が上回っている状況です。町にはAFFITTASI(貸します)の張り紙が増えてきています。というのも、大家が常に適正な価格を提示していないからです。家賃に見合う品質のものでなければ、人は借りなくなってきています。」
これには、イタリア人の「マットーネmattone」への信頼の高さも影響している。マットーネとはイタリア語でレンガ。すなわちアパート、家を表す。モーロ氏いわく「イタリア人はマットーネに大変魅了された人たち」。実際、ヨーロッパの中でイタリアはスペイン、アイルランドに次いで家の所有者が多い国らしい。現在のように株式市場がふるわず、経済の先行きが不透明な中、不動産は比較的確かな投資先として選択されている。しかも、住宅ローン金利が低い今、多くの人がアパートを賃借するよりも購入する方を好む。
「このような状況を考えると、将来、賃貸物件は選別されていくでしょう。質と不釣合いな家賃は下がっていくと思います。」
また、賃貸市場における近年の顕著な変化は、以前は見つけるのが難しかった家具付きのいわゆるアッレダートarredatoのアパートが増えていること。ミラノには多くの企業があり、そこで2、3年の間だけ働く駐在員にとってはアッレダートの方がありがたい。そういったことを大家たちも考慮に入れるようになったようだ。

一方、マットーネへの信頼と低金利住宅ローンに支えられ、売買市場は好調な状況が続いている。特に新築物件への需要は依然として強いそうだ。ちなみに今ミラノでもっとも売れているのはビロカ−レBilocale。居間、寝室、台所のある日本風に言えば1LDKタイプだ。一昔前だとアパートを買う場合、結婚後のことなどを考えて少し大きめの物件を買うのが普通だったが、少子化の進む現在、当座の要求を満たすものを購入する傾向にあるらしい。

日本のバブルのようなことにはならないだろうか?
「投機目的の異常な投資が続いて価格が膨れ上がった日本の状況とは違います。純粋に住宅需要が増えているのです。というのも、ミラノでは何年もの間、新規住宅建築が少なかった時期があったからです。かつ、現在は住宅ローン金利が低いという状況です。
しかし、新築物件の価格がこれからも上昇することはないでしょう。ここ数年ミラノの不動産市場は好調なトレンドが続いているため、必要な人はすでに購入していると考えられます。今アパートを購入しているのは、あせって買う必要のない人、あるいはすでにアパートを所有しており、投資目的で購入して賃貸する人などで、質をよく見極めてから買う傾向にあります。確かにまだ高価格の物件がありますが、質の伴わないものに関しては需要が減っていくはずです。
市場にはサイクルがあります。私が事務所を開いた94年頃のマーケットは不調でした。現在は好調ですが、低金利な住宅ローンに支えられているのも事実であり、ローン金利が上がれば状況は変わってくるでしょう。」

今後について

市場について話される時はまったく専門家の顔になるモーロ氏に、今後についての考えを伺った。
「これからは不動産物件そのものの品質だけでなく、その周りの環境〜例えば、サービスや交通の便、緑があるかどうか、子供が遊ぶ場所はあるか、あるいはチェントロに行くのに近いか〜といったことが大切になってくるでしょう。さらに、昨年9月に起こったブラック・アウトのことを考えると、エネルギー供給やその節約のことも考慮されてくるはずです。そういった生活の質を上げることのできる場所にするには、個人だけではなく公共機関とも協力する必要が出てくるでしょう。」
「日本人のみなさんに私は常に信頼を置いています。多くの大家さんからも、家をきれいに使うこと、近隣の人ともうまくやっていくこと、などから評価されています。これからも日本人のみなさんへのサービスを向上させ、お役に立てることができればと思っています。」   (K.Maruyama)




Studio Immobiliare Alberto Moro
Via Lamarmora 4, 20122 Milano
Tel: 02- 59900065(日本語直通:02-54122612 / 338-2323350)
Fax: 02- 54124014
E-mail: moroalbe@studiomoro1.191.it


 

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