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ITALY NEWS

イタリア中小企業訪問
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2004/03/1 
 

イタリア中小企業訪問



法律事務所
ザンペレッティ&アッソチャーティ

Studio Legale
Zamperetti & Associati



今回の中小企業訪問は少し毛色を変え、弁護士事務所を訪ねてみた。イタリアでは一般にストゥディオ・レガーレStudio Legale(法律事務所)と呼ばれる。数名でやっているような小さなものから、国内にいくつかの事務所を配し、海外の弁護士事務所とも提携しているような比較的大きな規模のものまでさまざま。ただしイタリアの場合、中小企業が多いという特徴から、小さな弁護士事務所が活躍する余地は大きい。そんなイタリアの弁護士の一人、ミラノに法律事務所をかまえるジョルジョ・マリア・ザンペレッティGiorgio Maria Zamperetti氏にお話をうかがった。

ザンペレッティ&アッソチャーティは、1991年にザンペレッティ氏が設立した。専門は商法とニューテクノロジーに関わる法律。従って、主な顧客は国内外の企業である。現在はザンペレッティ氏の他に女性弁護士が一人とプラティカンテと呼ばれる弁護士の卵一人がおり、計三人で活動している。
イタリアには現在約10万人の弁護士がいる。ミラノには約8,000人が登録し、うち、商法を専門とする弁護士は約400人だ。日本はようやく全国の弁護士の数が2万人を越えたばかり。日本の人口はイタリアの約2倍であることを考えると、イタリアの方が弁護士普及率は高い。実際、日本と比べると、弁護士のお世話になることは比較的当たり前のことという感覚がある。

イタリアで弁護士になるためには、まず大学の法学部を出る必要がある。その後、2年の実習期間(この間プラティカンテと呼ばれる)を経て、1年に1度行われる国家試験の受験資格を得る。この試験に合格すれば、弁護士会への登録申請が可能となり、晴れて弁護士の仲間入りとなる(ちなみに検察官は別システムになっている。)
ザンペレッティ氏は、ミラノ国立大学法学部を出た後、ボッコーニ大学で商法の博士号を取得。研修期間を経て、自身の事務所を開いた。現在、弁護士業の他に、コモにあるインスブリア国立大学法学部で商法とインフォメーションに関する法律を教えている。また、ニューテクノロジー分野の法律研究を進めるADINT(Associazione per il Diritto delle Nuove Tecnologieニューテクノロジー法律協会)の会長も勤める。
「ミラノには、例えば何十人もの弁護士が働く大きな総合事務所があり、国内外にネットワークを広げています。自社用飛行機でミラノ・ローマ間を移動したり、彼らも忙しく働いています。ただ、私は、人の下で働くよりも自分の考えで働く方が性に合っているので自身の事務所を開きました。最初は秘書もおらず、丸っきり一人でやっていました。家族の絆が強いイタリアでは、弁護士業においても"親が弁護士をしている"という人が多いのですが、私はそういったコネもありませんでした。」
では、どうやって仕事を広げてきたのか。
「弁護士はいわゆる広告宣伝をすることは禁じられています。従って、口コミしかありません。イタリアは中小企業が多く、その点、小さな事務所とはいえ活躍の場は多くあります。また、訴訟の弁護をするだけでなく、企業が仕事を進める上でのコンサルティングも非常に大事です。フランチャイジング網確立とか合併などなど、様々な企業の相談に乗っています。あるイタリア企業がニューヨーク市場に上場する際の手伝いをしたこともあります。」
日本と同様イタリアでも訴訟には時間を要する。
「まず裁判所Tribunaleで第一級Primo gradoの裁判が開かれます。平均だいたい3年かかります。裁判の内容によっては、行政裁判所などで審議される場合もあります。さらに控訴されれば、第二級として全国26都市にある高等裁判所Corte di Appelloに移ります。このように時間がかかることから、商取引のようなあまり重くない内容のものについては、仲裁人Arbitro制度というのがあり、裁判官ではなく、弁護士などが仲裁人となって速やかに和解を図る方法もあります。」
「ミラノの弁護士はよく働きます。少なくとも夜8時まで働くのは当たり前です。土曜日にも事務所を開いている弁護士もいます。私達も24時間対応しています。このあたりは日本人に似ているかもしれませんね。ただし、夏休みはちゃんと1ヶ月とります。」

大学教授との両立は大変ではないだろうか?
「週に2、3回、ミラノからコモまで通っています。確かに大変です。大学で教えている弁護士はあまり多くないと思います。でも、大学で教えるために常に最新の事を勉強する必要があり、そういう意味では弁護士業に役立っています。」
「イタリアでは近年弁護士の数が増えてきています。法学部の数が増えたことが要因です。ただ、例えば、インターネットなどニューテクノロジーに関わる法律に詳しい弁護士というのは限られてきます。そういった新しい分野の研究を進めるために、最近ADINTをおこしました。イタリア企業はまだインターネットなどのニューテクノロジーに対してはあまり先進的とは言えません。従って、テクノロジー・インノベーション省のスタンカ大臣と協力し、法律面でのバックアップをしていきたいと考えています。」

「英語、フランス語、スペイン語、ドイツ語を話すことができます」とおっしゃるザンペレッティ氏だが、「日本語もほんの少し」と意外な発言。実は、大学の仕事で日本にも行ったことがあるそうだ。ADINTのホームページには日本語を含め8ヶ国語での説明がある。
最後に日本人に向けてメッセージをいただいた。
「イタリア市場に興味のある日本企業の皆さんには、法律面でのバックアップが必要であることを強調しておきます。最近イタリアでは会社法が改正されました。近年では比較的大きな改正でした。また、イタリア人特有の商慣習は、やはりイタリア人でなければわからないでしょう。日本人は非常に和を大切にする。弁護士の数が少なくて済むのも、そのためではないかと思っています。イタリア人は逆に自己主張がはっきりしていますから、そういったことも考慮して、イタリア市場参入の準備をしていただければと思います。」   (K.Maruyama)



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Zamperetti & Associati

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