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ITALY NEWS

イタリア中小企業訪問
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2003/11/1 
 

イタリア中小企業訪問



modadesign s.r.l.

マルチファンクショナルな空間“Lo Spazio”を運営




今回の訪問相手はミラノでモーダデザイン社を経営するラウラ・ジュジャーロLaura Giugiaroさん。彼女の父親はフィアット車などのデザインで有名なインダストリアルデザイナー、ジョルジェット・ジュジャーロ氏。ラウラさんはトリノにある父親のデザイン会社ジュジャーロ・デザイン社で働いた後、2001年ミラノにてモーダデザイン社を設立、「企業がコミュニケートする場」であるロ・スパツィオLo Spazioを運営する。インタビューに現れたラウラさん、一見すると“強い女性”というイメージながら、話をしてみると大変気さくで、おおらかな雰囲気の人であった。

モーダデザイン社について
モーダ・デザイン社を一口で説明すると「パブリック・リレーション会社」。主要顧客であるジュジャーロ・デザイン社やその他企業にプロモーションの場を提供するのが主な仕事だ。そのプロモーションの発信場所となるのが“ロ・スパツィオLo Spazio”。スカラ座近く、まさにミラノの中心地にあるこのスパツィオ(スペース)は、ラウラさん曰く”「マルチファンクショナルな空間」。地階から地上2階までのトータル250uのスペースを顧客の要望に応じて貸し出す。例えば、ショーウインドウだけを貸したり、イべントやプレゼンテーションの場としてスペース全体を貸し出したりする。ショーウインドウが道に面している上、非常によい立地なので、プロモーションだけでなく商品を売る場所としても機能し得る。また、非常にフレキシブルな構造になっていて、短い時間で設備の移動・解体等ができるようになっているのが特徴。それから、ラウンジ・デザイン・カフェという名のバールも併設している。

「企業に対してコミュニケーションの場を提供するというアイデアは今までなかったと思います。ミラノには例えば販売目的のスペースを貸し出す場所はありますが、ロ・スパツィオでは販売することが目的ではありません。ある意味では、雑誌の広告記事を空間に置き替えたようなイメージでしょうか。モーダデザイン社自体は社員4人の小さな会社ですが、顧客は比較的大きなところばかり。イヴェントの際などの人員は時々に応じて派遣社員を雇っています。」

現在の主要顧客はジュジャーロ・デザイン社だが、その他にも、携帯電話会社やインテリアデザイン、オートバイ、皮革製品の会社などいろいろな分野の企業と接触がある。営業ポリシーは明確だ。銀行や金融会社などが周りに多くある場所柄、ターゲットは企業。そして、コミュニケートする相手として男性(ビジネスマン)を意識している。ミラノ中心地にあるロ・スパツィオの料金は「決して安いわけではない。中〜高レベルです。ただし、最近ミラノでは物価が異常に高騰していますが、私達は正しい価格を提供するよう努めています。」

ロ・スパツィオ開設まで
ラウラさんはこちらの高校を2年早くやめ、イギリス及びアメリカで英語、ドイツでドイツ語を勉強。その後、ミラノのIULM大学でコミュニケーションについて学ぶ。94年からトリノにある父親のジュジャーロ・デザイン社の宣伝担当として働き、多くの産業に接する機会を得て、企業がどのように機能しているのかを知る。次第に「トリノは仕事をするには良い場所だが、コミュニケートする場所としては、国際的な見本市が開かれ、ジャーナリストが駐在するミラノの方が有利である」と判断、まずはジュジャーロ・デザイン社のミラノオフィスを開く。その後、自分で新しいものを作りたいという希望から、2001年末にモーダ・デザイン社を設立し、4ヶ月かけてミラノオフィスを現在の“ロ・スパツィオ”に改造、2002年4月、国際的に有名な家具見本市サローネ・モービレの時期にオープンさせた。

ロ・スパツィオを開いて1年半。今までの実績についてはどう評価しているだろうか。
「マーケットは厳しい状況ですし、空間を使ったコミュニケーションという新しいコンセプトを短い時間で理解してもらうのは大変ですが、実績については満足しています。固定客も増えてきています。お客さんの要望はさまざまで、2ヶ月だけショーウインドーを借りたいという会社もあれば、もっと長く使いたいというところもある。また、一度限りのプレゼンテーションの場が必要という会社もあり、私達はそれぞれの要望にフレキシブルに応じる必要があります。でも、リピートのお客さんが増えているということは、ロ・スパツィオでのプロモーションが好結果をもたらしたからだと思っています。
初期投資は少なくなかったので、財務的な面から見ると、均衡するまでにはもう少し時間はかかるでしょう。でも、トレンドは良い方向なので心配していません。課題を挙げるとすれば、臨時雇用する人材とバールの営業でしょうか。プロモーションの世界とは全く違うので、少してこずっています。」

「ジュジャーロの娘であるということで、常に高いレベルの責任感を求められますが、誠実に働くことが第一だと思っています。小さな頃には全く別な仕事したいという夢がありましたが、父親の築いたものを前進させないとうことは非常に残念なので、現在に至っています。この選択には満足しています。ただ、女性経営者であるということでは大変な面が多いでしょうか。まだイタリアは男性社会です。」

今後のビジョン
将来的には海外にフランチャイジングを広げるのが夢。世界各国のロ・スパツィオが同じ顧客のプロモーションをすることをイメージしている。すでに中国、トルコ、シンガポールなどとコンタクトをとっているとのことだが、実際にはまだ数年は必要と判断する。投資家に対してロ・スパツィオのコンセプト、ノウハウを広めることが大事だからだ。もしかすると海外進出の前にイタリアの他の町−おそらく北部−に新たにロ・スパツィオを開くかもしれないとのことだが、当面はミラノのロ・スパツィオに集中する考えである。

最後に、日本人に対するメッセージをいただいた。
「日本には何度か旅行で行ったことがあります。伝統、食事、デザインなどすべての面においてエレガントで、大変好きな国です。現在、ロ・スパツィオの利用客の大半はイタリアの会社ですが、来年には日本のある企業に利用していただくことになっています。私達のMade in Italyの空間で日本の製品をプロモーションできることに大変満足しています。お互いに助け合いながら、それぞれの製品・文化を伝え合うことが大切なのではないでしょうか。」   (K.Maruyama)

写真説明(上から)
ラウラ・ジュジャーロさん
ロ・スパツィオ内部


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