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ITALY NEWS

イタリア中小企業訪問
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2002/09/03 
 

イタリア中小企業訪問



ETNICO DESIGN by BERNI S.R.L

流行だけではない、日本の美を追求したショップ

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今ヨーロッパはファッションもインテリア業界も“日本ブーム”。“Zen (禅)” “wabi sabi (わび・さび)”なんて言葉が飛び交い、日本的なデザインものが爆 発的に売れている。『コルソ・コモ』をはじめとするミラノの流行の店では、寿 司をアレンジした日本食メニューを出したり、最近ヒットした映画でも回転寿司 屋で普通に食事をしているシーンなどがお目見えしたり。“ブーム”を通り越し て“浸透”しつつあるような気さえする。

ここパルマの中心街にある小さなインテリアショップ、『エトニコ・デザイン』 は、ウインドウから店内の全てが“alla giapponese 日本風”。ちゃぶ台に載せ られた瀬戸物、畳ベットの脇に南部鉄の急須、草履、壁にかけられた甚平。イタ リアの古いレンガの建物と“禅”風の内装がシックにマッチしている。


オーナーの建築家ステファノ・ベルニ Stefano Berniは、元々イタリアンデザイ ンが専門。パルマにもう一つ大きなイタリアンインテリアショップを持ってい て、実はそちらの方が本業。サッカーの中田選手もパルマに引っ越してすぐこの 店(Berni)で家具を買ったというから、大きいだけでなくセンスのいい品揃えで 有名なようだ。では、もう1件小さな日本風の店を構えた理由は? ◇ステファノ氏:元々“エトニコ=異国的”って意味が表すように、アフリカ、 インドなど多様な製品をごちゃ混ぜに取り扱っていたんだ。言ってみれば、個人 的な趣味の店としてね。ヨーロッパでは2-3年前から“Letto di Tatami (畳ベッ ド)”が売れるようになって、自分自身も日本のインテリアにすごく興味を持つ ようになった。勉強しているうちに自分の趣味にピッタリあっていると感じて、 この店を全て日本風に統一することにしたんだ。


店内には、畳ベッドを囲んで美しく演出された空間が2つ設けられている。畳 ベッドとは木枠の中に畳2枚をはめ込んだダブルベッドで、“futon(布団)”とい う名のマットレスとセットになっている。日本の会社が企画したものを台湾で製 造、それをドイツの輸入業者が大量に仕入れて欧州市場に卸しているらしい。シ ンプルな白木の形と畳の組み合わせがデザイン的に美しいだけでなく、頑丈で硬 く、しかも通気性のいい特徴も西洋人に受けているらしい。パルマのような小さ な町でも1ヶ月に1台は売れるという。

ステファノ氏の問題は、イタリアンデザインに関しては専門家でも、日本の知識 は乏しいこと。買い付けはヨーロッパで開かれるアジア製品の見本市で行うが、 ぱっと見た限りでは本物と偽物の区別がつかないし、値段の相場もわからない。 ◇ステファノ氏:見よう見真似で何とか店を改造してみたが、ある時通りがかり の日本人に「これは日本のものじゃあない」「日本ではこんな色は使わない」っ て言われて・・・。その時すでにヨーロッパはすごい日本ブームで、あちこちで “日本風”のアレンジがされていたけれど、それはやっぱりこっちのスタイリス トが作り出した日本だったんだ。自分の店は他にはない“本物”にしたいと強く 思っている。

そこで日本人の知り合いを通じて、日本からデザインの本や雑誌を送ってもらっ た。更に、日本で使われている着物の古着、浴衣、作業衣、下駄なども送っても らったら、あっという間に売り切れ、常連客から次の注文まで入るようになっ た。 ◇ステファノ氏:勉強しているうちに気付いたんだ。日本にだって中華風のもの やごちゃ混ぜ文化がある。その中で自分の好きな日本のイメージ=シンプルで形 の美しさを追求したもの、ゴテゴテした装飾のない、“さび”のあるもの。それ をこの店で扱おうと。そしたら店内も自然とシックに統一感が出た。今後の課題 は仕入れ。1店舗だけの小さな店だから、どっかの日本の会社と組んで大量輸入 することもできない。じゃあ、どうやって本物を売り続けるのか。日本人の協力 者でも真剣に探さないとね。


今のところ陰りのない日本ブーム。ステファノ氏の展望は? ◇ステファノ氏:ブームではないと思っている。日本が古くから“さび”の文化 を維持しつづけてきたように、これは一つのスタイルであり、ブームとして消え るものではない。インテリアやファッションは主観的なものだから個人的な好き 嫌いはあるし、今ほどの熱はそのうち冷めていくんだろうけど、こういうスタイ ルが好きだという人は常にいるはず。自分もそうだからこの店は続くと思うよ。

確かに、ステファノ氏の自宅のリヴィングには、一部畳を直に敷いてあるそう だ。「時々寝転がっているけど、楽で気持ちがいい」のだそうだ。この先のエト ニコ・デザインの発展が楽しみだ。


ETNICO DESIGN by Berni s.r.l
Via N. Sauro 1/B, 43100 Parma
Tel/Fax: 0521-503153
Email : etnicodesign@tin.it
Stefano Berni


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