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ITALY NEWS

イタリア中小企業訪問
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2002/08/01 
 

イタリア中小企業訪問

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TECNOINFORM s.r.l.

企業のトップ・管理職専門の求人コンサルティング会社

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ミラノのフィエラ(見本市会場)の南、ブティックや商店がひしめき活気ある雰 囲気のデ・アンジェリ広場に面したコンドミニアムの二階に企業トップ・管理職 専門の求人コンサルティング会社、テクノインフォーム社がある。テクノイン フォームという社名は、創業当初、情報技術産業関連の求人コンサルティングに 特化していたことに由来する。徐々に間口が広がり、今日では化学、機械から食 品、ファッション業界まで、幅広い事業分野のトップ・管理職の求人コンサル ティング、社員研修、マーケティングリサーチ、イベント・コンベンションの企 画コーディネーションを手がける。

創業は1982年1月、今からほぼ20年前。ヘッドハンティングなどという言葉が華 やかしく使われ始める前の頃で、この業界では老舗だ。社長のアンドレア・ゼ リッリAndrea Zerilli氏はピレッリ、そしてイタリアの経営者団体としては最大 のミラノ県の経営者団体Assolombardaの人事部長など、人事分野の重職を歴任し た。組織管理に関する著作が多数あるが、なかでもリクルーティングについて記 した著書は今でもその分野でのバイブル的な本として読まれている。

求人コンサルティング活動はイタリア全国、そして国外にも及ぶ。また99年以 降、ニューヨーク、ルガーノ、マドリッド、ルーマニア、ブエノスアイレス、サ ンパウロなどの求人コンサルティング会社とパートナーシップを提携。イタリア 企業による国外支社のローカル人材の求人、または外国企業によるイタリア支社 のスタッフ求人と、インターナショナルなコンサルティング活動を展開してい る。ルーマニアと提携しているのは、ファッション産業を始めとする製造業の多 くがイタリアに近くかつ生産コストが安いということからルーマニアに生産拠点 を移動しているためだそうだ。

ホームページその他を通じて集めた人材データはなんと30万人分に及ぶ。クライ アントから求人の依頼がくると、求人像、条件、職場の環境などに関する詳細な 情報を得た上で、リサーチを開始、最終的にクライアントに提示する際には候補 者を10人までに絞り込む。リサーチ開始後、案件がクローズするまでの平均日数 は15〜30日。企業の幹部クラスの求人日数としてはきわめて短いようにも思える が、それは日々行っている抜かりない「下準備」の成果。ホームページなどを通 じて履歴書を送ってくる人材とは、必ずしもそのときに適した求人案件がなくて も、とりあえず面接を行い、その人の性格なども含め、履歴書では読みきれない 詳細な情報を事前に仕入れておく。クライアントから依頼がきたときにすぐに動 けるように、だ。

求人コンサルティングを行う上で大切な点は、求められているプロフェッショナ ル性を備えた人材を探すのはもちろんのこと、人材が新しい職場に順応していけ る人物であるかどうかという、「人物像」の見きわめであるという。たとえば、 求められている資質をすべて備える人材であるとしても、新しい職場の同僚と性 格的にうまくいかなければ、その能力を発しきれないということも多々ある。実 際、多国籍企業を含む多くのクライアントが候補者の人物像把握のために筆跡観 相を依頼してくるという。テクノインフォーム社の8人の求人コンサルタントの1 人は、心理学者かつ筆跡学者でもある。

テクノインフォーム社のビジネスに対する真摯さは、クライアントが人材採用 後、試用期間である6カ月以内に人材が辞職または解雇された場合には無料で再 度人材を探す、というポリシーに現れている。それは、ひとつひとつそれだけ真 剣にクライアントと人材を結びつける仕事を行っているということであり、仕事 に対する自負の表れでもある。だからクライアントも安心して求人を依頼するこ とができる。実際、クライアントとは創業時からの長い付き合いであることが多 く、またそれらクライアントの口コミでさらに顧客が広がっていった。ファッ ション業界ではグッチ、バリー、パスタメーカーのバリッラ、またNECのイタリ ア法人も彼らのクライアントだ。

「人と人、そして人と組織を結びつける仕事は、見かけ以上に職人的で奥が深 い。だから成功したときの満足感ははかりしれず、たとえその過程の苦労が多く とも、この仕事のとりこにならずにはいられない」とは、インタビューに答えて くれたテクノインフォーム社代表取締役のディアナ・ゼリッリDiana Zerilli氏 の弁。彼女は18歳のときから創業者の父の元でこの仕事に携わってきた。土曜日 も惜しまずに働く彼女は、今となってはすっかり社長の右腕だ。

ビジネスの「国際化」が当たり前となった今日、人材を探す上でイタリアという マーケット固有の難しさは二つあるという。ひとつは語学。英語を仕事のために 使いこなせるのは基本で、その上、なおヨーロッパの言語を一つ話すことが要求 されるのが昨今。ところがイタリア人の多くは、大学教育を受けていても英語す ら満足に話せないのが現状だ。もうひとつの壁はイタリア人のカンパニリズモ。 自分が生まれ育った土地から、たとえ管理者クラスであってもなかなか離れたが らない。イタリア国内であっても移動を拒むものが少なくなく、国外であればな おさらだ。
また、現在のビジネスの難しい点は、需要と供給間に大きな価格差が生じている こと。ここ二〜三年、とくに昨年9月11日以降は企業が引締め傾向にあり、人材 に投資する財布の紐を締めている一方で、人材のほうは数年前の高い給与水準が 頭から離れずにいるのだそうだ。

今後は現在主としている求人コンサルティングビジネスから、イタリア内外を舞 台に企業活動全般にわたってコンサルティングを提供する総合コンサルティング ビジネスへと事業をひろげていく計画だそうだ。
日本の求人コンサルティング社ともこの秋、パートナーシップを結ぶ予定だ。


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