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ITALY NEWS

イタリア中小企業訪問
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2002/02/15 
 

イタリア中小企業訪問

M&A DELLE COSE S.R.L.

日伊のデザイナー二人がオリジナリティの高い
皮革製品作りをめざして

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最近、ミラノ市内に事務所兼ラボラトリーを開設したこの会社、
M&A DELLE COSE S.R.L.社は、イタリア人と日本人二人のデザイナー、
アントニオと麻紀さんが共同経営する皮革製品企画製造会社である。

日本人の角守(ツノカミ)麻紀さんは、日本のアパレルで服飾デザイナーを8年経験した後、靴と鞄の物作りを学びたくて渡伊した人。ミラノ市内の「鞄製造のための二年制夜間学校(Civici Corsi Serali Biennali per Pellettieri)」で、1996年から2年間、皮革製品製造方法を学んだ。

この学校は、L"AIMPES(イタリア皮革製造業協会)が協力し、ミラノ市が開いている夜間職業コースである。2年制で月曜日から金曜日まで夜の6:30から2時間、皮革製品のパターンづくり、縫製、仕上げ加工などを、本職の講師5人が教える。廃業した工場などから譲り受けた機械を使用し、材料費も無料。「学費は当時でも、年間30万リラ(約2万円)で、とても安かったと思います。学生の数は20人程度。大半が外国人で、滞在許可証をとる目的だけで登録していた人も多かったので、2年後に、きちんと卒業できるのは3人ぐらいでした」。

photo もう一人のアントニオの方も、鞄作りを同じ学校で学んだ。彼は在学中に出展したボローニャのリネア・ペッレ展の「若手デザイナー」コンクールでみごと2度優勝している。二人が在学中に合同で始めたブランドの名前が、”delle cose(デッレ・コーゼ)”イタリア語でいろいろな物という意味。1998年秋冬コレクションから始めて、今年の秋冬コレクションで、もう6年になる。「双葉のマークは二人のデザイナーを意味しています。いろいろな事を提案し、発展していくことで二人が成長していきたい、と言う意味です」と語る。

二人とも、親戚に皮革製造をしている人がいるわけでもなく、全く何もないところから、ブランドの成長を見越して、新会社を設立したのが、今から2年前。それから、シーズンごとに、約30%ずつ売上が成長し、今では年間メンズ、レディースあわせて約1万個の鞄、財布、ベルトを製造販売するまでになった。

二人で、製品の企画デザイン、プロトタイプ作成、展示会でオーダーをとり、製造は下請けの工場に依頼するものの、製品発送までをすべて自分たちで行っている。デッレ・コーゼ・コレクションの構成は、シーズンのモデル約30型のうち、約6割がメンズ(ユニセックス)、4割がレディース。メッセージのあるデザイン性の高い、ヤング向けの商品が特徴だが、価格は中の上。

photo ミラノの契約ショールームで、メンズは1月から秋冬物、7月から春夏物を、レディスは2月から秋冬物、9月から春夏物を2-3ヶ月間展示している。出展する展示会はパリで3月半ばと10月に行われる”WORK SHOP”で、これはファッション全般のパリモードの展示会で、洋服のほかにアクセサリーを扱うものである。

6年前、最初のオーダーは、サンプルをもって店を回ることから始めた。3年目で前述のフランス、パリで行われるWORK SHOPという、若いデザイナーを育てる展示会に出店することができた。「今では日本の卸会社が日本で展示会をしてくれるようになりました。パリの展示会に出展するのは、ミラノで行われる展示会MIPELはテイストがあわなくて、難しいと思ったから」。現在販売先は日本が約80%、欧州(イタリア、フランス、イギリス、ドイツ)が12-13%、残りが米国。

photo 今までのコレクションでヒットしたのは、1999年の春夏シーズンから始めたリサイクルタイプで今年で3回目になる。1999年の時は、第二次大戦時に米軍がイタリアに残していったトラックの帆やテントの布を入手し、それを利用した丈夫なバッグを反戦メッセージもつけて紹介したところ大評判になった。そして2回目は2002年の春夏シーズン用として、1960年代にイタリアの郵便局が使っていた手紙運搬用の麻布カナパを利用したバッグ。これには「たぶん電子メール、携帯電話、光通信など高速情報化時代が、昔の郵便制度に取って代わってしまうのだろう。かつて手紙で世界中の国境を越えて伝えられた情熱やロマン、もう戻ることのできない過去への記念」というロマンティックなメッセージがついている。

来シーズン2002/03年秋冬にはもう一つ新しいブランド「ANEMA」誕生も。将来的には、革素材を使ったもシューズや洋服などにも、製品を広げていきたいと思っている。イタリア、ミラノで仕事をする利点は、質の高い皮革素材が使用できること、全体的に鞄をつくる技術が高いこと、日本の大都市と比べて、保守的で情報が少なく、まどわされず、じっくり自分たちの作りたいものを考えることができることだそうだ。


M&A DELLE COSE S.R.L.
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