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ITALY NEWS

イタリア中小企業訪問
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2001/04/01 
 

イタリア中小企業訪問

B.B.R. Exclusive Car Models s.r.l.

ゼロからの出発で17年後には
品質世界一のモデルカー製造企業に成長

photo


ミラノの北、列車で約20分のサロンノ(Saronno)市に、モデル・カーを製造するBBR Exclusive Car Models社がある。社長のフェルナンド・レアーリ氏はこのサロンノ生まれ。会社の設立は1984年、「ちょうど20歳を過ぎたばかりのころ、大学の工学部に通っていたものの、当時兵役から戻ったばかりで、この会社を友人アルベルト・バレストリと一緒に始めました。最初は友人の趣味のモデルカーづくりの手伝いをしていたのですが、ある日、アルファロメオ社のギアチェンジ部品のデザインを専門にしていたこの友人が、「今の仕事を続けたくない、何か新しい事をしたい」というので、いっしょにカーモデルの製造会社を作らないか、ということになったのです」とレアーリ社長は設立当時の状況を語る。

しかし、会社設立当初は資本金たったの120万リラ。「最初の二年間は、二人きりで彼の家のガレージで、朝の8時から夜の12時まで働いて、全くの休みなしでした」。3年目に従業員を二人雇い、4年目にしてやっと外国の顧客から最初の発注を受ける。一方、1987年には、BBR社の製品は品質がよいといううわさを聞いたフェッラーリ社から、同社の顧客向けプロモーション用に配布するためにだけに、フェッラーリのカーモデルの独占的製造を依頼されるようになる。「今の工場を訪ねてくる人達は、まず、父親が始めた仕事を継いだのだろうと聞きますが、実は全くのゼロからの出発でした。2年目にはやめようかという話がでたのですが、もう一寸頑張ろうと、押し切ったのは私です」とレアーリ氏。その後1988年に200uの建物に移る。そして、幸いなことに注文は増えるばかり。1992年には会社は20人の従業員を雇うまでに成長し、1400uの今の工場へ移転する。現在、BBR社の製品すべてがこの工場で作られている。手作りの正真証明のメード・イン・イタリーである。

photo BBR社の製品の特徴は、まず、プロトタイプ作りから最終製品までの工程が、すべて手作りであると言う点だ。まず作ろうとする車の写真からプロトタイプを作るが、この時使用するのは15×10センチ、高さ4センチ程度立方体のポリウレタン樹脂の塊である。その塊から全くの手作業で写真通りの型、車体、ダッシュボード、シートなどを作るのである。そしてもっと小さい部品、バックミラー、ガソリンタンクのふたなどは真鍮で作る。モデルカー誕生のうちで、一番重要な工程である。この作業には職人が1人で約1ヶ月かかるという。インタビューの時はフィアットのアニェッリ会長がフェッラーリのモンテ・ゼーモロ社長の結婚祝いに贈った世界で1台しかない車の写真をもとにプロトタイプ作りをしているところだった。

こうして最初のプロトタイプが出来あがると、それをもとに鋳型をシリコンで作成する。3、4型試験的に作って、すべての部品がきちんと組み立てられる事を確かめた後に、最終的に7-8種類のゴム製の鋳型が作られ、樹脂製の車体の生産に入る。部品すべてがそろうと、1度手作業で車体の表面を点検し、必要があれば滑らかに修正する。その後塗装され、組立の工程に移る。数人の工員が、シートを合わせる、フロントガラスを付ける、ハンドルをつけるなど、各作業を分業して組み立てていく。製品が出来あがるまでには2から3時間半要するという。こうして実際の大きさの1/43の縮尺のモデルカーが完成するのである。そして、「クオリティーでは世界一」と社長は胸をはる。

当然、製品価格は平均、組立用モデルカーが1箱80,000リラ、出来あたりの製品は330,000リラと高額である。イタリアのモデルカーの老舗ともいうべき有名メーカー「Buragoブラゴ」の製品の値段が約30,000リラであるのに対して、BBRの製品は高いものでは600,000リラと、明らかにコレクション用である。 モデルカーの生産量は月1800台、組み立て用キットは年間3000箱である。今、突然発注が無くなっても、来年の2月までの生産はいっぱいだ。しかし、それでもオーダーはファックスやeメールで毎時間入ってくる。日本にも15店ほどの顧客ショップがあり、現在日本市場には約10億リラを販売しているという。それは全体の売上げの30%に相当する。同社の経営方針として、全世界への販売はすべて直接行っている。世界中合わせて1500から1800のクライアントを持っている。日本のほかに、欧州、アメリカなど。むしろコレクターはイタリアには少ないそうだ。ミラノにはBBR社の製品を売っているショップは2軒だけ。イタリア全国でも12軒ほどである。

将来的にインターネットによる販売も検討中だという。レアーリ氏は「現在は、まず一般の消費者に対して商品を紹介するという目的でホームページを活用しています。ホームページに商品の写真と商品番号を載せる事で、今まで約800人宛てに配布していたカタログ製作のための時間と経費が節約されます。プライスや品質を考慮すると、インターネット販売に適した商品かもしれません。ホームページを見てコレクターが増えてくれる事を期待します」と将来のインターネット販売にも意欲的だ。

現在従業員は24人、そのうち4人は最近入ったばかりで、1年間の見習い期間中ということだ。その他、外部の下請は30人程度。ちょうどインタビューの日の午後、手狭になった工場の移転先の契約にサインしに行くところだった。また会社が一回り成長する転換期のようである。


B.B.R. Exclusive Car Models s.r.l.
Via Grieg, 53B 21047 Saronno (Va)
Tel:39-029624516
FAX:39-0296701395
home page: www.bbrmodels.it
e-mail:order@bbrmodels.it


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