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ITALY NEWS

イタリア中小企業訪問
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2000/11/01 
 

イタリア中小企業訪問

I.L.M.E. SpA

産業用ロボット向けプラグメーカー
日本市場進出で商習慣の違いに直面

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ミラノ市内に本社、そしてミラノ北方郊外のNovate Milaneseに工場をもつI.L.M.E. SpA社、その名前はIndustria Lombarda Materiale Elettrico(ロンバルディア電気装置工業)の頭文字を取ったもの。電源プラグやスイッチなど電気装置に関する商品を製造販売する。株式会社であるが、ファミリー経営の会社であり、現取締役社長は2代目。I.L.M.E.社の創立は1932年と古い。

「創立者はオーストリアで勉強し、ミラノで工学士の学位を取った私の父親と私の叔父でした。父親は会社を設立する前は「エネルギー・コンサルタント」と呼ばれる仕事をしていました。変わった名前の職業ですが、要は当時、いろいろな企業に対して、どうしたらエネルギー消費を節約できるかをアドバイスする仕事でした」と現社長は語る。イタリア国内でプラグを始めとする電気装置関連商品を幅広く扱いはじめた会社は、戦後には世界中に製品を輸出するするようになったのだそうだ。

photo 会社が順調に成長していった一方、欧州圏では1970年ころからプラグの規格基準を統一する動きがあり、最終的には従来のドイツ型に統一された。欧州数ヶ国において規格が統一されるには、10年の歳月がかかった。物理を勉強した2代目の現社長が父親の会社に入社したのは1975年。ちょうど欧州で進行していたプラグ規格統一の過程を目の当たりにしたわけだ。「規格統一前は社の製品は12種類ありましたが、規格統一のおかげで、最終的に製品は2種類に絞られました。数を絞ったおかげで、製品の専門化が進みました」。

その2シリーズの製品は産業用電源プラグと産業用ロボットに使用されるマルチポールコネクターの2種類である。この種の製品を扱う会社としてI.L.M.E.社はイタリアのリーダー会社となり、同様の会社はドイツの会社を加えても世界で数社しかないという。「わが社は技術開発には売上げの10%を投資し、年に5-6件の特許を取得しています」。

マルチポールのコネクターとは産業用ロボット、電気・電子制御器、制御盤、制御装置などの電力供給や制御信号の接続に使用されるコネクターで、そのうちI.L.M.E.社のヒット商品は12ポール(12の穴のあいた)コネクターである。「どうして12ポールなのかというと、4つの穴でひとつのプラグとつながるので、12個の場合、4×3=12であるから、3個のプラグと接続する事ができる。その3個とはロボットの動きのx,y,z軸つまり、縦、横、上下の3方向の動きに対応し、要するにひとつのコネクターでロボットの三次元的動きが調節できるようになっているのです」。

現在、従業員は100人を超え、欧州圏の外国ドイツ、フランス、イギリスにも支店を持ち、そこでは合わせて30人ほどが働いている。重要な展示会にはすべて出展し、世界約30カ国に輸出している。さらに、1998年10月に神戸にILMA製品の日本国内への輸入販売を行う支社ILME Japan社を設立した。

神戸市から熱心な誘致を受け、優遇措置で神戸国際ビジネスサポートセンター(IBSC)に3年間、低家賃で事務所を借りる事ができた。「このビジネスサポートセンターは神戸のポートアイランドにあります。関西国際空港から船でわずか30分の場所にあり、ミラノから飛行機で日本に行く場合も大変便利なのです。どうしても東京でなければならない理由もないでしょう」。

日本現地には欧州でのビジネス経験のある優秀な日本人スタッフを置き、市場開拓を行う。その結果、2年間でカワサキ、トヨタ、日産など大手メーカーなどのクライアントを獲得することが出来た。しかし、社長はいまだに「日本人とイタリア人の考え方の違いに戸惑う。まず、私は日本会社の設立日は区切りの良い10月1日にしたかったのだが、日本の社長が「どうしても6日にしなければならない」と異常なほどの努力で、すべての書類に6日と記載されるように走り回り、結局、会社設立は10月6日となった」(縁起をかついだためと後で判明)。

「日本では上下関係に極度に縛られている。クライアントとサプライアーの関係もイタリアでは対等であるが、日本では、極度にその関係がねじ曲げられているように感じる。これは絶対に日本であっても対等であるべきと確信する。数年間関係が続けば、おのずと対等な関係が作られていくはずだ」。「それに、イタリアは絶えず外的の侵入を受けた土地柄、日本はその反対で地理的に保護されて来た、そんな違いから来るのだろうか、イタリア人は個人重視、個々人が自己主張したがる。一方日本人は、いつも誰かが上から命令してくれるのを待って待機している人々のようだ」。

「これからも先進国はアングロサクソンの北アメリカ、ドイツのヨーロッパ、日本が主流となっていくだろう。イタリアのようなラテン系は欧州の中心とはならず、その中心はドイツ系で占められるだろう。しかしイタリアの精神は塩のように重要で、どこにでもその味を利かせる事ができるはず。事実、米国でもラテンは重要な位置を占めている。将来日本に必要なのは、ドイツ型ではなく(日本はドイツに似ている上にそれ以上のものを持っているから)イタリア的な精神ではないか?商売をするのは、商品を売る以外にも、お互いの考え方を分かち合うという重要なことがあるはずだ」。インタビューの次の日、社長は展示会の下見に東京へ旅立って行った。社長の日本市場における模索はさらに続きそうである。


I.L.M.E. SpA
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