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ITALY NEWS

イタリア中小企業訪問
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2000/06/01 
 

イタリア中小企業訪問

Vittorio Mancini e Associati 社

パッケージデザインのボッテガ・ダルテ
ブランドイメージに最大の価値を与える

マンチーニ氏


ヴィットリオ・マンチーニ氏はミラノ生まれ。1970年、20歳の時、州立のグラフィック印刷技術者専門高校を修了し、グラフィック・デザイン事務所へ入所。10年経験を積んだ後、1980年に独立。以来、パスタやビスケット類のイタリア最大手、Barillaバリッラ社グループを始め、多数の食品メーカーを顧客とするパッケージデザイン並びにコーポレートデザインの専門スタジオを主宰している。

同スタジオのこれまでの歩みは、バリッラ社との関係を抜きには語れない。「勤めていた大手のデザイン事務所で私はクリエイティブスタッフとしてバリッラ社を担当していた。私が独立したのを知って、直接、先方から連絡をしてきた。それ以来、20年のつきあいになる」

80年当時、バリッラ社の売上は8000億リラ程度。20年後の現在は、4兆リラへと大きく成長した。この間、バリッラ社自体、取り扱い製品を多様化し、朝食用ベーカリ製品(ビスケット、スポンジケーキ、ブリオッシュ類)群をモリーノビアンコの商標で、新規開発。従来、朝食をとる習慣のなかったイタリアの家庭に、『朝食』のあるライフスタイルを植付け、新しい市場を創造。「我々の仕事の最大使命はブランドイメージに最大の価値を与えること。バリッラ社の成長進展と一緒に、新しいパッケージデザイン開発を担当、一緒に成長することができた」と同氏は語る。

バ社との関係は長い歴史をかけて築いてきた相互間の信頼関係をもとにした契約なしのデザインパッケージ・コンサルタント。「先方では、大勢のマネージャが代わったが、我々の仕事のヴァリューを認識してくれて80年から95年まで継続して続いてきた」その後、バリッラ社が巨大企業となり、国際化も進み、製品群もさらに広範に広がったため、同社では、96年からは、イタリアでのマンチーニスタジオの独占的位置付けは保ちつつ、イギリス、スペイン、アメリカなど主要諸国のデザイン事務所とあわせて4事務所とのマルチの契約関係となった。そして、4スタジオ間で、毎回、競争入札をして、仕事をとるのが原則となった。「多様なクリエティビティのインプットを求めた、バ社の選択であり、我々にとっても大きな刺激になった。いずれにしても、常に、我々のスタジオが主役であることはかわりない」。

こうした、国際化の動きを前向きにとらえて、同スタジオでは、最近、米国バリッラ社アメリカ市場用パスタのパッケージデザインの仕事も受注した。基本のマークやカラー、コンセプト世界共通だが、アメリカ、ヨーロッパ、イタリア国内用と、国民性や市場の違いを考慮し、実際のパッケージには微妙な調整が必要となっている。「アメリカのシカゴのデザイン事務所ではなく、我々の提案を採用してくれた」。時代感覚に応じて、マークや既存パッケージのリスタイリングも重要な仕事。現在もバ社は、最大クライアントで、スタジオの売上の4割は同社によるものだ。

同スタジオがこれまでこれまでパッケージデザインやロゴタイプなどをてがけてきた企業は、Cinzano, Martell, Cirio, Val Frutta, Motta,San Pellegrino, とイタリアの食品・飲料業界を代表する企業が並んでいる。クライアントの業種は80%が食品、10%が洗剤や掃除用品、10%が、パーソナルケア製品だ。ジレット、パーキンソン、ジョンソンワックス、バイヤーなど。

最近は、大型流通業のプライベートラベル製品群の仕事も増えてきた。これはいったん、関係ができると、製品群は400-500種と増える一方であり、うまみのある仕事だ。「我々の成功の秘訣。大手流通のデザインパッケージにいったん関与すると、仕事は際限なくある。数年間の契約をすることはないが、契約はなくても、仕事は次から次へと広がる」

デザインのプレゼンテーションは、常に、クライアント企業の経営者に直接行う。イタリアでは中小企業でも、大手食品メーカーでもデザイン戦略は、経営トップの決定事項であるからだ。

「オーナー経営者の場合は、金額に対してはよりシビヤーで、「高いすぎる」という言葉が必ず返ってくる。でも雇われ社長の場合はここまでの厳しさはない。あらかじめ決められた予算内で市場価格として妥当であれば、OKをだしてくれる。結局、自分の金ではないから」「だから、オーナー経営者の場合は手ごわく厳しい。市場価格は関係ない。ともかく高いという。オーナー経営者にプレゼンする際は真剣勝負だ。直接グングンと反応がかえってくるから。しかし、いったん決まって信頼間が築かれると、関係はより深くなり、長続きする」

スタジオの組織及び経営については、独特の考えを持つマンチーニ氏である。「20年前に一人の自由業として独立して以来、毎年、一人ずつ、スタッフ数を増やし、現在は、20名の陣容だ。少しずつ少しずつ確実な成長を果たしてきた」この間イタリア経済は、不況・好況の大波をかぶったものの同スタジオは景気の影響はほとんどうけず、売上高も毎年すこしずつ増えてきた。

「我々のスタジオは、ボッテーガ・デル・アルテ(芸術工房)。ここにはマエストロ〔主宰者〕と弟子(スタッフ)がいる。マエストロは仕事の指針を常に示さなければならない。弟子が仕事を達成すればきちんと報われなければならない。スタジオとして実力を高めるために肝心なのは、優秀なスタッフを雇うこと。イタリアでは、マエストロはいつも一番優秀でいたがって、あまり優秀でないスタッフをとりたがる。それでは駄目。スタジオとしての発展はない」

「私の哲学は、スタジオは私だけのものではないこと。優秀なスタッフをとること。マエストロよりも優秀になる可能性も、もちろんある。優秀なスタッフはスタジオの「パートナ」となってもらい、給料だけでなく、スタジオの利益の一部を受け取ることになる。それぞれの貢献度にこういう形でこたえなければならない」「新しいスタッフを雇うことは、私にとっても一つの『投資』だ。それに、答えてもらうためには、優秀なスタッフに貢献を続けてもらうのが大切と考え、数年前からこのシステムを導入した。これでスタッフのインセンティブティが高まった」。

「3年前の97年に、さらに新たな質的な飛躍があった。コンピュータ活用は90年代初頭からだが、技術革新のおかげで生産性も大きくあがった。海外渉外担当を設け組織としても体制を整備したので、海外の顧客とも立ち向かえるところまでになった。スタッフもアメリカ、イギリス、日本人と多様だ。異なるものが刺激を与え続けることが大切」。「我々は、成長できるストラクチャをつくりあげた」

「イタリア国内では、我々のヴァリューを評価してくれている重要なクライアントを沢山持っている。今後の我々の成長は、世界市場への進出という方向ですすめたい。すでにヨーロッパでは、フランスとイギリスに仕事を広げた。アメリカでは、前述したように米国バリッラの仕事を開始した。インターネットの世界は、我々にとってさらに有利な世界となると信じている」。自信に満ちたマンチーニ氏の発言だが、昨年の売上高は30億リラ、前年比20%増を達成した実績からこその発言といえよう。

Vittorio Mancini e Associati srl
Address: Via San Siro 33, 20149 Milano
Tel:+39-02-4917852
Fax:+39-02-48007185
E-mail: mancicli@tin.it

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