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北イタリア、アルプスの麓に位置する毛織物産地ビエッラにあるレッジャーニ社は、1970年代後半に天然繊維のストレッチ化を開発し、洋服ファッション生地として世界で始めて製品化した企業。以来、毎シーズン、天然素材、新素材とあらゆる素材のストレッッチ生地を発表し続けている。
同社は、地元大手企業でテキスタイル・デザイナーを勤めていたアットリオ・ジェッジャーニ氏(写真)が、1973年に夫人と二人で数台の機械から出発した会社。当初は、この地域の企業と同様に毛織物をつくろうとしたが、三代続いたビエッラの伝統的企業と競争しても難しいとみて、雪山に囲まれてスキー好きの経験を生かしてスポーツ用布地に取り組む。当時、下着にのみ使われていたデュポンの「ライカ」を用いたスキー用生地の開発で頭角をあらわした。次に、女性用ファッション生地へ技術を応用するため、毛織物のストレッッチ化に挑戦、開発した生地見本を持ってアパレル企業やデザイナーのところに営業にまわった。
「皆、見本を眺めて、伸びる、ストレッチだといってみるだけで、どう使ってよいかわからなかった。一枚も売れない時代が5−6年続いたが、布地のストレッチ化にすべてをかけた。新しい革新的な生地を信じた。80年代はじめ、ロメオ・ジリがウールナイロンの「ライカ」生地をオーダしてくれたのが始まり。すぐ次にマックスマーラがオーダしてくれた。それからオーダが続くようになった」とレッジャーニ氏は語る。
「ファッションデザイナーにとっては、ストレッチ化が可能となることで表現の幅が広がり、新しいファッション現象が爆発した。現在は、ストレッチ糸や生地をつくらないメーカーはないほどだが、私のところに、毎シーズン、デザイナーが、今度はどんな生地を提案してくれるのか、ききにくる。我々の開発した新素材で新しい洋服を発表するためだ」
現在は、従業員150名をかかえ、紡績から染色仕上げまでは自社工場の一貫生産。近年、年間売り上げは前年比2ケタ増が続く。
製品開発はウール、コットン、リネンからマイクロファイバなど天然素材・新素材とあらゆる素材のストレッチ生地に広がり、その用途も女性用、紳士服用のシャツ地からスーツ、ジャケット、コートまであらゆる分野に及ぶ。毎年のコレクションは250アイテム。非常に「甘い」肌合いで、1メートル(150センチ幅)で220gのカシミヤ・ウールライカもあれば、生産量こそ少ないが、カシミヤ・アルパカ・ライカ混紡のストレッチコート地まで用意され、同社の生地コレクションのバラエティを豊かにしている。
最近のヒットは、コットンやシルクのストレッチ生地だ。極めて軽量でイブニングドレスにもブラウスにも最適。多用な織り方と、独特の仕上げ加工処理が付加価値をさらに高めている。「素材ごとにストレッチ技術は変わる。マイクロファイバや新素材のストレッチ化は織りの段階は問題ないが、染色、加工処理工程は容易ではない」という同氏。
親子2代でビエッラ高専の繊維科出身のアットリオ氏と長男が技術開発を担当、長女がデザイン・クリエイティブ面を追求するという絶妙コンビの家族企業である。
同社は、3年前から国際見本市「イデアビエッラ」への参加を始めた。名門伝統企業が主体の出展者の中では、「異色の新人企業」だ。
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