0
ITALY NEWS
0
2005/10/28 



  イタリアの日本人
  GIAPPONESE IN ITALIA  

日本食レストラン「羆」
日隈 利明・享子 ご夫妻
Toshiaki & Kyoko Higuma




プロフィール

店主の利明氏は大分県生まれ。高校卒業後、一度自転車機械工場へ集団就職するが仕事が好きになれず、帰京し、和食の道へ入る。全国各地で働きながら腕を磨き29歳ではじめて自分の店をかまえる。その後3店舗持つにいたるが、1989年ローマSOGO-ASAHIレストラン開店のため、渡伊。その後、ミラノのSOGO BRERAオープンのため、ミラノへ移る。8年にわたり統括料理長として5軒のレストランを維持する。1998年に現在の「羆」を開店して、現在にいたっている。 在イタリア日本食レストラン協会の副会長。
奥さんの享子さんは、奈良県生まれ。日本では看護婦をしていたが、父親の仕事の関係でトスカーナのカッラッラで大理石関係の仕事に従事。92年にミラノの移り、98年に羆開店を契機に、利明氏と結婚、「羆」をご夫妻で経営している。

JIBO:お店の沿革を教えてください。

最初は現在の店に隣で開店し、現在の場所は2000年からです。席数は60席。厨房は調理師が3名で助手が3名。ホールは4名でまわしています。
もともとは、日本人のお客様にむけた店としてオープンし、最初はお客様の7割が日本人、3割がイタリア人でした。だんだんとイタリアの和食ブームが本格化してきて、現在では、日伊の比率が逆転して、イタリアのお客様が7割、日本人のお客様は3割になっています。この間、ミラノの日本企業の数が減って、駐在人の人数が減ったこと、さらには、円に対しユーロ高がすすみ、日本人旅行者のサイフの紐がきつくなってきたことも背景にあるかと思います。


JIBO:在イタリア日本食レストラン協会の活動の内容、最近とくに力をいれておられる分野をお話いただけますか。

在イタリア日本レストラン協会(A.I.R.G.)は、日本食の文化及び日本料理のイタリアでの認知を目的とし、イタリアにおける日本食への理解との評価を高め、発展させるために2003年7月に設立されました。
健康になれ、見た目にも美しく、そして文化と歴史に育まれた日本料理の伝統を、材料の入手しにくい海外に於いて守りつつ、イタリア人にも正しく理解してもらい、そしてもっと多くの人に知ってもらいたいというのが、協会の全ての活動の指針です。
"寿司バー"が濫立する現在、新鮮な魚を見分け、調理することの出来る日本の調理師免許を持った調理人の作ったものを食べていただくことの重要性をアピールするため、11月の1,2,3,4日の4日間にわたり、SUSHI WEEK をミラノで開催します。 日本では11月1日が寿司の日。新米の季節、魚もこの季節が一番おいしいということで寿司の日が制定されたときいています。

良い魚を仕入れ、店を清潔にし、そして質の高い調理人が細心の注意を払い、それを調理する。全てにお金がかかることです。だから、少しだけ他の"寿司バー"よりお値段が高いかもしれません。しかし、これを惜しむような店で、特に生魚を使う料理を出してはいけないと、常々大いに危惧しております。レストランの使命は、お金を儲けることが一番にあってはいけないと思うのです。お客様が、苦い薬を飲まなくても、美味しい料理を食べることで健康になり、またそのお客様にとってリラックスした幸せな時を提供することこそ、レストランの最も大事な役割だと考えています。
協会に入っている店に来ていただければ、本当の日本の寿司を安心して召し上がっていただけます。

これをアピールするのが今回のSUSHI WEEKのテーマです。

日程は以下の通り。時間は18時30分から21時まで。各バー、ホテルのHAPPY HOUR とのコラボレーションで開催いたします。
11月1日 (火) ENOTECA Il GRAPPOLO       (SUSHIHIRO & POPOROYA)
11月2日 (水) GIOIA 69                  (HIGUMA & ZAKURO)
11月3日 (木) HOTEL DIANA MAGESTIC       (POPOROYA & TOMOYOSHI)
11月4日 (金) HOTEL PARK HYATT MILAN     (OSAKA)

JIBO:イタリアで日本食レストランをなさって感じられるのはどのようなことでしょうか

日本の場合とは異なり、和食を含めて、日本文化をこちらの人に説明することがとても大切だと思っています。
初めていらしたときに、寿司の食べ方でもめたお客様が、その後、何年も通ってくださることになったりすることもあります。こちらではプリモ・ピアットにパスタ、セコンドでお肉やお魚をいただくので、日本食レストランにきてもそのような食べ方をしようとするお客様がかなり多いのです。最初にうどんをたべて、それからお刺身やお寿司というような、日本人には考えられないような順番で食べようとする方がいるのです。恐らく、そのようなことは教わったことがないのでしょう。
それで私どもの店では、日本料理の食べ方の順序や構成を説明するように心がけていますが、自由に食べたいと言って、説明やアドバイスを嫌がるお客様もあります。イタリア風に食べたがるのですね。もちろん、強制はできませんが、日本食の本当の姿を知っていただくのも私どものつとめだと私は思っています。
日本食はブームなので、日本食のこと、ちょっと知っていると"日本食上級者"のように、一緒につれてきた方にいろいろ薀蓄をかたむけていることがあるのですが、よくきいてみると問題のある内容のことが多いのです。"日本食上級者"であることが「ステータス」になっているからだとも思います。そのあたり、まあまあときいていていますが、あまりにも大きく間違っている場合は、やんわりと修正するようにしています。

ただ、たとえば、お醤油のかけ方など、いくら説明しても、ドブドブとかけてしまったり、簡単ではありませんね。また、何度きても、寿司しか食べない方もいて、他のお料理をおすすめしても受け付けない方もいます。なかなか頑固なところもありますね。
でも、うれしいのは、最初は、反発したお客様も、だんだんとわかってくれて、ちゃんとした食べ方を教えてくれてありがとうと感謝されたり、その後、なじみのお客様としてこの店に通ってくださることがあることです。

最近嬉しいのは、うどんの人気があがっていることです。もともと、イタリア人は、おつゆものは苦手ですが、当店では、天然の御だしを大事にとっていますので、味がわかってくれるようです。
もちろん、寿司以外に、しゃぶしゃぶや天ぷらなど揚げ物は皆さんお好みになりますね。それにマグロの角煮や荒煮なども人気があります。

お客様の年齢は、若い方では経済的に独立する30歳前後からでしょうか。40歳代、50歳代、60歳代。ミラノで日本食レストランが最初にできてから30年くらいたちますが、そのころからの日本食ファンという60歳代の方もみえてくださいます。

今後の抱負としては、イタリア人の若い方にももっともっときていただいて、若い客層を広げたいですね。


JIBO:日本食とイタリア人についてはどのようにお考えですか。

イタリア人はイタリア料理が美味しいことと、家庭的な民族であることで、料理に対して非常にコンサバティヴだと感じます。ただ、在イタリア日本食レストラン協会会長でポポロ屋当主の平沢会長をはじめとした30年前からイタリアにいらして試行錯誤しながら日本食を広める努力が、世界的にちょうど訪れた健康ブームとあいまり、実を結びつつあるのではないかと思います。
若い人たちや、子供たちが来てくれるのは非常に嬉しいことです。近い将来、彼らの間で、"今夜はピザを食べに行く? それとも寿司にする? " というような会話が交わされるほど日本食が浸透するのが夢です。


(終わり)

寿司 割烹 羆
Via Adda ang. Via Bordoni
20124 Milano
Tel: 02 6702548
URL:http://www.sushibarhiguma.com

トップへ  
    

www.japanitaly.com