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ITALY NEWS
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2002/04/01 
  日本のイタリア人
  ITALIANO IN GIAPPONE  

ジュゼッペ・シェウジ
(Ing. Giuseppe Sceusi)


前Marposs K.K.社長、現在MG SpA社長



JIBO:日本には、いつ、どのようなきっかけでいらっしゃいましたか?。

シェウジ:私が日本に来たのは、1986年、ETP(European Training Program)のコースに参加するためでした。このコースは、マルポスの製品を日本で流通しているマルポス株式会社に入社するための重要な研修として選ばれたものでした。このコースが終了した段階で、会社の責任者となりました。

JIBO:その日本の会社について簡単にご説明いただけますか。

シェウジ:マルポス社は、工作機械の制御装置、検査機器、統計処理機器分野における世界的なリーダー企業です。マルポス社の製品が関与している主な業界は、自動車産業、自動車部品、工作機械、ベアリング、家電製品、航空機など、すべて精密機械の作業が必要とされる業界です。日本には1970年から会社があります。

JIBO:日本の第一印象は?

シェウジ:第一印象はもちろん、ポジティブでした。最初から、仕事以外でも、一般的に日本にある、組織力やメンタリティーなどの違いに気づきました。「これは違う国だ」と。形式的な側面、企業内でのポジション、名刺の重要性、社会的地位に重大な注意を払い、日本語を学んだ外国人を大変尊重する。しかし、外国人は、彼ら日本人の規則をどれだけ理解したかを示し、業務上の任務を遂行するだけの信頼性と、本社との関係を築いていける能力があることを証明しなければなりません。

JIBO:西洋人にとって難しい点はどういうところでしょうか。

シェウジ:当然のことながら、いい仕事をしようとすれば、日本語の知識があることは有利でした。難しいことといえば、前に述べたような行動様式の違いや、文化の違いに戻りますが。顧客とのミーティングの開始、終了時間には、正確でなければならない(通常会議は1時間)。何かにつけて、前もって、社内での根回しが必要ですから、ミーティングは、すでに決定した事項を確認するにすぎず、開かれたディスカッションの場とはならないということ。

JIBO:日本の顧客との関係は?

シェウジ:顧客との関係においては、基本的に役職が重要です。社長というポジションでは、私と顧客との関係は、年始の挨拶、表敬訪問など、大変形式的なものでしか過ぎません。しかし納期遅れや特別な値引きを要求する交渉など、特別な状況で受けなければならない訪問は、もっと具体的な内容のある出会いの機会となりました。しかし、その場では顧客は何らかの成果をもって帰らなければならないし、反対の場合は、社長権限とその能力にかかわることでした。

JIBO:会社内での社員との関係は?

シェウジ:マルポス社は日本に1970年からありましたから、習慣や慣習などには慣れ、社会機構にすでに組み込まれていたといえるでしょう。しかし、それでも、ソニーやトヨタを選ばずに、外国の企業で働きたいという、能力のあるハイレベルの工学系新卒学生を見つけるのは難しいのです。企業への執着、終身雇用(過去でも大企業のみに限られますが)は、1990年代から継続する経済不況の影響をまともに受けました。日本は変わってきていますから、外国企業で働くことに興味を持つ若者も見つかるだろうと思います。前置きはさてとして、私の日本人社員との関係は間違いなくポジティブだったといえます。仕事への献身、前向きに仕事をするのは彼らの大部分に見受けられた資質です。しかし、またしても注意すべきは形式的な側面であり、つまり尊敬と社内組織を明確にしておくことが社内のグループの調和を崩さないために大切なことだということです。ネガティヴな点は彼らの英語を話す能力が低いことで、イタリアで予想していたよりもひどかったことです。

JIBO:日本での経験はどのくらい重要だったと、思われますか。

シェウジ:日本には、プライベートな点でも職業的にも最も重要な時期に、12年間暮らしました。イタリアとは文化的に異なる国で自分を見つめることができて、個人的にも職業的にも、すばらしい経験ができたと思います。

JIBO:今日本が直面しなければならない問題は何だと思いますか。

シェウジ:それはとても難しい質問です。日本は、依然として重要な市場であり続けます。解決すべき政治的、金融的な問題はありますが、日本は、大きな変化を受け止めるだけの力量がある国だと思います。そしてその変化を概念的に受け止めさえすれば、恐るべき速さで変化が起こる国だと思います。したがって、アジア世界の金融と技術の基準点として、将来、日本がまた主人公になることでしょう。

JIBO:イタリアの企業へのアドバイスをするとしたら。

シェウジ:まず、日本市場に存在することの重要性を強調したいと思います。日本にいることで、その他の周辺市場でも重要となる競争力がつくからです。さらに忍耐が必要です。この国は周到な準備と強靭な神経、少なくとも中期的な目標を必要とする国です。正しい方法で立ち向かうことができれば、確かな見返りが期待できます。忘れてはならないのは、言葉の重要性と異質の文化を受けとめる慎ましさが必要ということです。


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