今も昔とかわらず湧き出る温泉は、古くからその効能が人々に尊ばれてきました。自然の恵み豊かなピエモンテ州にも、丘陵地帯や山中に重要な温泉地が点在し、健康と休息を求める人々に人気があります。
ピエモンテ州で一番の温泉観光地、アックイAcquiは、モンフェッラートil Monferratoの丘陵地帯と、アレッサンドリア市Alessandriaのある平野との間に位置します。水といえば海や川、休暇、豊かな実り、生命などが連想されますが、当地では水は美と健康と憩いの代名詞です。アックイの温泉治療施設には、ナトリウム、臭素、ヨウ素、硫黄などを含む湧水がいくつもありますが、なかでも有名なのは、町の中心にある泉から湧き出る“ボッレンテBollente”(「沸騰した」の意)と呼ばれる摂氏75度の熱い湧水です。当地の温泉の効能が古代ローマ人にもよく知られていたことは、古代ローマ時代の水道の遺跡が雄弁に物語っています。
ボニャンコBognancoとクロードCrodoのふたつの温泉は、比較的新しく発見されたもので、19世紀の中頃から利用されるようになりました。このあたりの湧水は、重曹、硫酸塩を含むアルカリ性の濁りのある水で、炭酸ガスを多く含み、消化器系疾患の治療に効果があります。
クーネオ県CuneoにあるルリジアLurisiaは、美しい自然がそのまま残り、保養客がほっと一息つける温泉地です。ルリジアの放射能泉は、キュリー夫人が長年にわたって研究した湧水です。