西暦2千年はジュビレオ、すなわち聖なる年であり、その中心となる法皇庁(バチカン市国)のあるイタリアは、世界の檜舞台となります。
これを機に、イタリア北西部のピエモンテ州もその存在を世界に向けてアピールしていきたいと願っています。ピエモンテ州には有名なアルプス山脈や湖があり、またワインや郷土料理はグルメの間ではよく知られています。しかし、この土地の本当の素晴らしさを知っている人はまだごくわずかです。2006年の冬季オリンピックはピエモンテ州が開催地となり、州都トリノおよびイタリア北西部のピエモンテの山々で各種競技が行われます。この冬季オリンピックも、ピエモンテが、雪だけではなく、いかに多くの素晴らしさをもっているかを、世界中のスポーツ選手そしてマスメディアを通して世界中の人に知ってもらう絶好の機会となることでしょう。
ピエモンテは、最新技術や素晴らしい自動車のデザインで世界中に知られることが多いのですが、他に自然や文化、芸術、歴史においても豊かな地域です。たとえば、バローロBaroloのような長い歴史のある貴重なワインは、ここで生まれます。一方まだ歴史が30年余りの若いワイナリーが“創作”する新しいワインもこの地で生まれます。
ピエモンテの南部はいわば、“喜びに満ちた王国”です。ワイン、質の高い食品はもちろんのこと、丘の連なる風景の中に、城壁に囲まれた美しい町や、貴重な大聖堂、荘厳なサンクチュアリ(聖地)や修道院、教会の数々がちりばめられています。
ピエモンテ北部の上質な布地や洗練されたデザインの家庭用品などは、観光客にも経営者ビジネスマンにも大いにアピールするものです。とはいえ北部が歴史や芸術に事欠いているわけではありません。アルプスを間近にひかえるヴァルセージアValsesiaやヴァルドッソラVal d'Ossolaといった谷から、マッジョーレ湖Lago Maggioreやオルタ湖Lago d'Ortaのあたりには、けがれのない自然の中に、価値ある宗教的な遺産やみごとな庭園が数多くあります。マッジョーレ湖とオルタ湖――隣国スイスとミラノの間にはさまれた、青いガラスのかけらのように美しいこのふたつの湖は、ヨーロッパでも名門のゴルフクラブやエレガントなホテル、国際的に名を馳せたレストランにとり囲まれています。
ピエモンテ――そこにはまた、ヴェルチェッリVercelliやノヴァーラNovara周辺の、独特の魅力をそなえた水田地帯があります。ここでは、歴史とは生活そのものであり、自然と人のわざとが、何世紀もの歴史の歩みの中でつくりだした見事な調和を保っている姿がみられます。
ピエモンテ――そこはまた、最高レベルのスキーの場でもあります。マリッティメ・アルプスAlpi Marittimeからモン・ヴィーゾ山Monvisoへ、スーザの谷からモンテ・ローザ山Monte Rosaへと、多くのスキー場があり、ゲレンデは二千キロメートルに及びます。
ピエモンテ――それはまた、自然への深い愛を意味します。ピエモンテ州がこれまでに指定し、守ってきた50以上の自然公園や自然保護地区は、千年前のピエモンテをそのままに、静かに再現し続けています。そこでは自然が、そのけがれのない美しさを湛えています。