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1999/12/15

経済金融産業動向社会・ライフスタイルBACK NUMBER

金融経済 EC0NOMY


イタリア版ニューエコノミー
情報通信

イタリアの大手社会調査機関・チェンシス(Censis)が恒例のイタリア年次報告99年版を12月3日発表した。チェンシスは毎年、イタリアの経済・社会動向を定点観測した年次報告を発表しており、今回のレポートは1967年の開始以来33回目。

昨今のイタリア経済は、情報通信分野の顕著な成長とイタリア金融市場の新たな潮流により、イタリア版ニュー・エコノミーの胎動を感じさせるものとなった。

1991年から1996年までの通信分野の年平均成長率は6.7%(同時期の全産業分野の成長率2.5%)だったが、1998年までの2年間における同分野の市場規模は43兆5200億リラから53兆7200億リラへと23.4%の成長を記録した。さらに1999年には63兆億リラ程度の市場規模への成長が見込まれ、対96年比で44%の伸びが期待される。

同分野の伸びは、携帯電話市場が寄与するところが大きい。1996年の加入者数640万が、1999年には2850万、市場規模は9兆4500億リラから24兆4630億リラへと159%の伸びを記録した。

また情報機器分野も1999年市場規模29兆リラ、1996年に比べ24.8%の伸びをみせた。

電子商取引(Eコマース)も、いまだ市場規模自体は小さいものの大きな潜在能力を示している。イタリアにおける99年のEコマース市場規模は約2兆4000億リラで前年の約3倍、2000年には6兆4000億リラが予想される。現状では、ビジネス・トゥ・ビジネスの商取引の伸びが顕著で、98年の5200億リラから99年には1兆9360億リラとなっている。

オン・ライン・トレーディング(金融取引)の取引きアカウント数は、97年の3000アカウントから99年には30,000アカウント、2002年には132万アカウントへと増加が予想されている。またヴェンチャー・キャピタル市場は、98年までの2年間で投資件数は35.9%、投資額で83.3%の成長を記録した。特にハイテク分野への投資は236%の伸びとなっている。

イタリア版ニュー・エコノミー
証券市場

前述のチェンシス・イタリア年次報告によると、国営企業民営化などを引き金とした個人金融資産の証券市場への流入などによって、イタリア金融市場にも大きな変化が訪れた。

97年から98年に民営化された国営企業は、Telecom Italia(電信電話)、Ina(保険)、Banca Commerciale Italiana(銀行)、Credito Italiano(同)、S.Paolo-Imi(同)、Banca di Roma(同)、Eniの7社。この7社により公開された株式の時価総額は300兆リラで、イタリア証券市場全体(931兆リラ)の約3分の1に匹敵する。

民営化された企業の株価は97年から98年の2年間で、Banca Commerciale Italiana +88.1%、Unicredito +78.6%、Telecom Italia +25%、民営化7銘柄の平均で+42%。これらの株式公開が証券市場で高く評価されたことを物語っている。

しかし、特定株主への集中は依然続いている。Telecom Italia株式の52.5%、Banca di Roma 49.5%、S.Paolo-Imi 37.1%が特定株主の手中にある。また、イタリア証券市場の上場企業数は96年の208社から98年には210社となったが、特定株主による支配を受けない上場企業の数は96年で26社、98年で同35社にとどまっている。ただし、一連の民営化により国が多数株主である上場企業は96年の21社、証券市場時価総額の45%から、98年には15社同15.6%にまで減少している。

99年に入ってからも、電力公社ENEL、高速道路公団Autostradaなどの民営化、新興市場Nuovo Mercatoにおけるインターネット関連株の新規公開・高騰など、イタリア証券市場は好況に沸いた。ミラノ証券取引所の株価指数Mibtelはこのところ連日、史上最高値更新を続けている。

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産業動向 INDUSTRY


ファッション産業の広告支出動向

12月初旬に、広告コミュニケーション専門家協会、TPがミラノで開催した「ファッション産業と広告」会議で、イタリアのファッション産業の広告媒体利用実態が明らかにされた。

同協会の分析によると、1998年10月から99年9月までの1年間に、同産業が、イタリア国内市場で広告媒体に支出した総額は約8千億リラ。媒体の種類別内訳では、活字媒体が全体の67%(週刊誌:35%、新聞:18%、月刊誌類14%)。TV:27%。ラジオ:1%。ポスター類:5%程度。業種別では、広告費支出の半分以上がアパレル関連。次に、下着・ランジェリー類:17%、靴類:16%と続いている。TV利用は、下着・ランジェリーメーカーの割合が多く、ポスター掲示などでは、アパレル関連の利用率が高いのが特色だ。

イタリアのファッション産業の広告支出総額は昨年比9%の増加。とはいえ、イタリアの広告業界が、携帯電話、インターネットなど電気通信業者や銀行民営化による金融機関等、大型広告主の参入が相次ぎ、近年、年率二桁以上の割合で成長しているのに比べると、ファッション業界の広告投資率のテンポはやや低い。それに伴い、広告メディア支出全体に占めるファッション産業の割合は、96年の6.5%から99年には、5.8%と微減傾向にある。

同会議では、この傾向は今後も続くものとし、ファッション産業では、従来の広告媒体への投資よりも、むしろ、自社イベントや 日ごろの広報PR活動、各種催事へのスポンサー参加を重視する傾向が強化されていくものとしている。

クリスマス・年末商戦の行方

イタリア人のボーナスに当たるのが、トレディチェジマ(「13ヶ月目の給与」という意味)といわれるクリスマス前に支給される1ケ月分の特別報酬。99年、勤労者と年金退職者に支給される総額は52兆600億リラ、前年比2.8%増と推定されている。とはいえ、全国の小売業者団体、CONFESRCINTIが実施した調査結果によると、「昨年よりも支出を抑える」と回答する消費者が4割強(昨年は34%)で、消費支出は前年よりやや少なくなる見込みだ。

年末の買い物の中心は、携帯電話、DVD、インターネット用PC、プレイステーション等の電子関連商品。伝統的なプレゼント類では、玩具類、洋服(特に上等のセーター類、ネクタイ、手袋類)、エコノミーなジュエリー、香水が今年の人気商品と同調査では報告している。

ところで、クリスマスから大晦日にかけてイタリアの食卓に欠かせないのが、「パネトーネ」(ミラノのクリスマス用ドーム型フルーツケーキ)と「パンドーロ」(ヴェローナの同種のケーキ)だ。イタリア製菓協会が発表したデータによると、この年末、パネトーネ類の売上げがイタリアの歴史上初めて、量にして10万トン、額にして1兆リラの大台を越す模様だ。パネトーネ類は、94年の6890億リラ(8.2万トン)が、98年には9010億リラ(9.8万トン)とこの5年間で量で20%、額にして31%の増加を示し、「成熟商品」としては、異例の成長と同協会では語っている。2000年を迎える今年の年末も、イタリアは伝統的なお菓子で越すようだ。

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社会・ライフスタイル LIFESTYLE


クリスマス症候群

クリスマスは宗教的祭日である以上にイタリア最大の家族行事。イヴのディナーは家族と、クリスマスの昼食は親戚と一緒に、そして翌日の聖ステファヌスの日は残り物をつまみながら友人たちと過ごすというのが一般的だ。ディナーにプレゼントと商店にとってもかきいれ時だから、12月の商店街は飾り付けも華やかにクリスマス気分を盛り上げる。

とはいえ、みながクリスマスをほんとうに楽しんでいるわけではないようだ。最近行われたアンケートによると、40%の人がクリスマスになるとストレス・不安を感じるという。具体的には、パーティ、ディナーの準備のストレス、避けられない飲めや食えやのカロリー不安、プレゼント探し、親戚づきあいのストレスなど。

一族そろっての大昼食会の準備のために不安症ぎみになる人が15%、食べ過ぎるのが心底恐いという人が16%、プレゼント選びに神経をすり減らしてしまうという人も16%ほどいる。イタリア人は意外にもけっこう心配症だ。また、15%の人にとってクリスマスは退屈きわまりなく、10%の人がクリスマスの休日の間も仕事のストレスがぬけない。クリスマスにリラックスして休むことができるという人は22%で、クリスマスを楽しむことができる人はほんの10%しかいない。毎年くり返される一家の「儀式」に飽きている人は多く、20%の人が「クリスマスのストレスの最大の原因は親戚」と答えている。

若者層の価値観

イタリアの若者層にとって、何が価値あるものとされているのだろうか。イタリア全国200の市で25歳から35歳の人を対象として、「あなたにとって神話的なものとは何か」というアンケートが行われた。それによると、56%もの人が「コンピューターとインターネット」をあげて、それが第1位を占めている。そして2位が愛(54%)、3位パスタ(40%)、4位セックス(39%)、5位アメリカ合衆国(27%)、6位コカコーラ(26%)、7位オープンな両親(25%)、8位ディスコ(24%)、9位顔・目(19%)、10位ロック歌手ヴァ スコ・ロッシ(18%)という結果になっている。

60年代の「セックス、ドラッグ&ロックンロール」、80年代の派手好み、イメージ志向から変わって、今の若者は「言葉」志向に向かっているということがいわれるが、このアンケートもそれを裏づけている。コンピューターに向かって人とコミュニケートすることに価値を見い出す若者が多いのだ。また、これまでイタリアの若者に強くみられた「アンチ・アメリカ」傾向も、今では崩れ、アメリカは若者の神話のひとつになっている。

「オープンな両親」があがっているのも興味深い。この年齢層の両親は60年代から70年代にかけての若者たちだ。トップテン外には、12位アインシュタイン、13位法皇ヨハネ・パウロ2世、14位ノーベル医学賞のレナート・ドゥルベッコがあがっている。
 

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