月2回更新  2000/11/15

グラッパGrappaについて少々...
 
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食品やワイン業界などの方、お酒通、イタリア通の方々には今更グラッパがなんであ るかをご説明するのは失礼かもしれない。が、イタリア国内ではここ20年来に渡り、 需要が安定している数少ない蒸留酒の一つ。日本語で書かれた本格的なグラッパの本 というのもまだ聞かないので、紹介してみたい。

グラッパとは

イタリア国内での分類では、アクアビーティAcquaviti、すなわち蒸留酒という分野 があり、その中のブドウを原料にしたものの一つである。これにはワインを蒸留して つくるブランデーやコニャック類のほか、ブドウの「絞り粕」からつくられるグラッ パと更に分かれる。この製法別分類でいくと、フランスでいうところのオー・ド・ ヴィー・ド・マールに該当する。製造法などについては突っ込まないことにしておく が、大事なことは絞り粕を使っての蒸留となるため、ワインとして一旦出来たものを 蒸留するブランデーなどと違って、蒸留作業が直接結果に結びつくため微妙で、それ がまたグラッパ特有の香りや味をかもし出しているということであろうか。

製造の記録としては1000年ぐらいは遡れるようであるが、本格的になってきたのがル ネサンスの頃に、蒸留の技術が北イタリアを中心に発達してきた頃という。現在にい たるまで、グラッパの生産は北イタリアが中心だ。呼び名については、北イタリアの バッサーノ・デル・グラッパの町とこの名称を絡める説は有力だが、断定を避けてい るものも多いようだ。因みにピエモンテ州ではブランダ、トレンティーノではカデ ヴィータ、ヴェネト州ではグラスパなどと呼ばれてきた。

又、多年に渡る論争のあと、グラッパという名称は正式にイタリア産のそれのみを呼 ぶこととEUで認められたのが89年である。国内の規定などが一通り整ったのも97年と 若い。

規定や呼称など

アルコール度数は、仕上がり段階では37.5%を下回らないことになっている。又ワイ ンと同じように地域表示をすることが認められているものもある。ピエモンテ、ロン バルディア、ヴェネト、トレンティーノ・アルト・アディジェ、フリウリなど。これ らは最低アルコール度数は40%が義務付けられている。 基本的には単一(85%以上)のブドウの絞り粕から造られるモノ・ヴィティーニョと いわれるものに人気が高まりつつあるが、何種類かを混ぜ合わせて蒸留することも可 能である。製造後に多少の熟成期間などを経るものもあれば、香草や果実などの香り 付けがされるものもある。

DOCや、DOCGなどの原産地統制呼称をもつワインの絞り粕などから造られたものも、 「キャンティーのグラッパ」のように名乗ることができる制度となっている。 もとになるブドウの品種はとにかく様々。が、あくまで一般的にではあるが、素晴ら しいといわれているのは、モスカート種やマルヴァジア種などの香りの高い(アロマ ティック)といわれるブドウの絞り粕から作られたものである。

グラッパの市場、生産者

蒸留酒市場では、ブランデーや、ウィスキーを押さえて一位の座を保っている。乱暴 な言い方だが、ワインの数だけグラッパも作れるわけで、生産者は増加傾向にある。 が、規模が小さいところも多く、正確な生産者数は数えられないそうである。参考で はあるが、蒸留所の数で130前後という数字があるがあてにならないらしい。そのあ たりがグラッパ業界を表しているようで面白い。そしてそれをビン詰する業者が約500あるということである。生産は700mlの瓶で数えて約4千万本が生産され、そのうち10%から15%が海外へ輸出されている。うち半分がドイツむけとなっている。

イタリア国内での消費は、バーでというよりも、食後のコミュニケーション道具とい う要素が強い。レストラン部門で、ワインやビールなどの醸造酒を除いたアルコール の消費では、アマーロ(苦味のあるイタリアの伝統的食後酒)やその他の蒸留酒、リ キュールを抜いてトップとなっている。

「イタリアでビジネスをした後、その相手ときちんとしたレストランへ行き、食後に グラッパまでたどり着いてこそ、本当に心通わせることのできるパートナーを見つけ たことになる。」という話を聞いた。(A.Y)





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