月2回更新  2000/10/15

イタリアもファースト・フード
 
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マクドナルドも今や当たり前

「食短信」読者の皆様が、イタリア旅行歴のある方とは限らないので、今一度申し上げたい。「イタリアもファスト・フードで一杯。」である。例えば、ほんの数年前まではまだまだ数える程度しかなかったマクドナルド。実は、以前にイタリアンメイドの「ブルギーBURGY」という全国チェーンがあり、そちらを買収することによって一気に広がった。ローマにも早くからマクドナルドがあったものの、まだ控えめに存在していた感があった。ミラノの大聖堂Duomo横のガッレリアGalleria内に進出する時は、もちろん話題にもなったし、色んな意見や議論があった。周りに合わせて上の看板も随分と高級感のある黒字に金という装いが目を引いた。「超高級イタリア料理店ヴィッサーニの正面にマクドナルド!」と大きくマスコミも取り上げたのもわからないでもなかった。

数年たって、今や完全に溶け込んでいて、新しく出来ても誰も驚きもしない状況になった。思い出すのは「イタリアにファスト・フードは絶対に育たない。」と言い切った年配のイタリア人の友人である。例によって「フィレンツェのメディチ家がフランス人に、フォークの使い方を教えた。」から始まって、イタリア人は手作りのものしか食べない。ましてやアメリカものなんて!というところまで辿り着いたものだ。彼だけで無く、多分殆どの人がそう言ったと思う。ほんの数年後の今、一体誰がそんなことを言うだろうか。

業界益々拡大、新規参入も

マクドナルドだけでは無い。最近ではバーガーキングが本格的な進出を始めている。来年には100店舗、最終500店舗以上を開店する予定でいる。お伝えしたいのはマクドナルドもバーガーキングも大変な人気であるということ。昼時から夕方まで、とにかく一杯だ。客層は、もちろん10代、20代の若者が中心であるが、昼時などは結構な紳士、淑女が集まって来てほおばっている光景も。

こうした外国人勢力のなかで、イタリアンも負けていない。最も勢いのあるのが、スピッツィコSpizzico、アウトグリルAutogrill(もともとは高速道路のサービスエリアのレストラン)、などで出店するベネトングループだ。こちらは切り売りのピザ、サラダ類などがメイン。店により色々だが、パスタやメインなども提供するし、パニーノPanino(イタリア風サンドイッチ)、パンツェロッティPanzerotti(南イタリア風揚げパン)など何でもあるという店舗も多い。通常のレストランと違うのは、大部分が予め用意されている料理で、(誤解の無いよう補足するが、注文が入ってから調理するスタイルの店舗や、機能のある店も沢山ある。)イタリアンレストランに付きものの席料が無く、ウェイターというものもいない。自分でとりに行く。片付けはしてくれるというスタイルが中心だ。ベネトングループだけで無く、他にも同様のチェーンはいくらでも目に付くようになって来た。

新しいアイディア、奇抜な戦略

どこかで触れたが、イタリアのマクドナルドは、ちゃんとエスプレッソも飲める。イタリア人には比較的新しい、なんと1,000リラ(約50円)のソフトクリーム。これが子供達に大ヒットしている。日本でも和風なんとかがあるように、こちらも現地の事情にあわせて、色々工夫しているのである。他にイタリアのハンバーガーショップに行って、日本と違うなと感じるのは、100%笑顔が返ってくるので無く、(人間味があると申し上げたら良いのか)かなりその人のオリジナリティーによる部分があることだろうか。

さて、細かいメニューの違いの他に、業界の大きな話題はこのベネトングループと、前述のバーガーキングが出店展開で手を組んだこと。やはりピザが離れられないイタリア人と、ハンバーガーファンを両方取り込もうというものだ。狙っている年齢層も違う。基本的には大人を取り込もうとしているスピッツィコと、若年層がメインターゲットとなるバーガーキングの組み合わせだ。同じ仲間でもかたやハンバーガーで、一方は切り売りピザを食べているという光景や、親はイタリアン、子供はハンバーガーのパターンもかなりある。

その第一号で、かつ試験店となったのが、先ほどの話題になったミラノ大聖堂近くのマクドナルドの真裏というのもおもしろい。実際同社は、「大」成功という結果が出たとコメントしている。 始めに触れた、バーガーキングの出店ペースというのも、このダブルブランドにも大きくよるものとしている。つまりその分かなりのスピッツィコも又増えるということも意味するわけだ。

最近、イタリアではスターバックスコーヒーの話題も囁かれているようだ。イタリアの食は又、大きく変ろうとしている。(A.Y)





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