月2回更新  2000/9/1

イタリアビール業界 その1
 
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イタリアではワインの国内消費が落ち込む中、若い世代を中心にビール消費は順調に伸び、手軽に買えるビールの種類も大幅に増えてきた。従来からのエスニックブームもあり、ヨーロッパやアメリカ以外の地域のビールも広く手に入るようになってきた。因みに日本のビールもキリンに加えてアサヒビールも本格進出を始めている。

ビール産業の概観

業界全体にざっと目を通したい。量的な規模は年間消費量15億5千万リットル(世界第18位)。日本の72億リットル(世界第5位)にははるかに及ばないものの、ビール消費国の立派な一員となりつつある。又従来のビール大国は大体横ばいあるいは減少となっている中でイタリアは6%以上と中国の5,4%を超える水準を維持し、今後ますますの飛躍が期待される。

販売経路別にはスーパー、ディスカウント42%、ホテルレストランなど業務用が40%、小売店15%、宅配業者が3%となっている。日本のように小売店が家庭消費用に配達をしてくれるシステムは殆ど無く、専ら週末の大型スーパーやディスカウント店への車でのまとめ買いの対象となっているようである。

容器別には回収可能なビンによるものは業務用を中心にして12%と僅かしか無い。最もポピュラーなのは使い捨てタイプのビンで62%。輸入ビールや、委託生産販売などが多いことから、このボトルの形状は様々だが大別すると、小25cc〜33cc、大50ccから75cc。その他缶入りが10%と意外と少なく、他業務用の樽入りが16%となっている。

業界の面々

現在イタリア系のビール生産者で独立を保っているのは次の3社。フォルストForsto、カッスルベルグCastleberg、カステッロ・ディ・ウーディネCastello di Udineで量的には外資系大グループに押されているが、オリジナリティーを追求する傍ら、外食産業向けを扱ったり、委託生産なども行っている。

次に多国籍企業の一角として国内で生産を行っているところとして、まずハイネケン・イタリアHeineken Italia社がある。以前カナダのLabat社の傘下にあった日本でもお馴染みのモレッティMorettiを現在擁する。事実上イタリアのビール界のトップとして君臨。 次にダノングループの一角をなすフランスのクローネンブルグKronenbourgが資本参加するペローニPeroni。いくつかの国内での買収を繰り返した他、バトワイザーを擁する米アンホイザー・ブッシュ社と提携し、イタリアでの生産販売権を持つ。 他カールスバーグイタリア社は元のポレッティPorettiで数種類の複数銘柄を生産販売している。

上記に加えてイタリアへ輸出という形で参入しているものがあるが、その数はざっと200を超える。代表的なものにはドイツのベックBeckやアイルランドのギネスGuiness、イギリスのバス・テナンツBass・Tennent's等。

輸入業者には、ハイネケンHeinekenのコントロール下にあるチビテッリCivitelli、イタリアでも有名なメキシコビールのコロナCoronaを取り扱うビスカルディBiscaldi。最近ではアサヒビールの大々的な宣伝が目に付く。その他ダブ・イタリアDAB Italia、ギネスを扱うトゥラテッロTuratelloなどがあり、それぞれいくつもの輸入ビールを扱っている。

消費者について

ビール大量消費が最近のことであるため消費者はいたって若く、33歳までの年齢層が(それ以上の年齢層の約半分の人口を占めるのみ。)ビール全体の70%を消費しているという数字がある。その分、ワインなどの従来型アルコール製品の消費減を招いていることは明らかである。以前の水の消費の話題とも関連するが、水とワインの中間の「軽めのもの」ととらえられ、「水とまでは行かないが、ビールぐらいなら飲もうか。」という感覚で受けている。

次回も引き続きイタリアのビール事情について消費の側面を中心に掘り下げたい。(A.Y.)





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