月2回更新  2000/8/15

イタリアコーヒー業界:エスプレッソ最新情報
 
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イタリア風の濃いエスプレッソコーヒー「Caffe' Espresso」は、日本でも大変なブームのようだ。 主にアメリカからのコンセプトの流入のようである。とは言うものの最大手の某チェーンのトップが アメリカでこの事業を始めた時に理想としたのは、イタリア旅行中に目の当たりにした「バール」 (立ち飲みコーヒー店)の雰囲気と、その味、香りであったというところは見逃せない。

寝ても覚めても…

イタリア人の生活に欠かせないエスプレッソコーヒー(ここではカプチーノなど、エスプレッソコー ヒーの派生品も含む。)。イタリア人は家庭でももちろん、それ以外にも日に1,2回はバールに 入ってエスプレッソを飲み、優雅な時間を過ごすのである。イタリア国内の「バール」は、その数1 5万件とも16万件とも言われる。

年間のイタリア国内業務用コーヒー豆の消費量は約25万トン。バーマンがコーヒーを入れる場合、 一杯分のコーヒー使用量は約7グラムというのが業界標準という。これを基準に換算して年間約360 億杯がイタリアの飲食店全体で消費されていることになる。人口57百万人として一日あたりの消費を 換算すると一人約1,7杯。子供は飲まないことを考えると想像通りの数と言える。

バラエティー

バールでのコーヒーの楽しみ方は色々だ。まず、いわゆるエスプレッソを飲む人が全体の60%。次に 女性に特に人気のカプチーノで14%。不思議とイタリア人男性が飲む姿にはお目にかからない(因み にイタリアでは食後にカプチーノは飲まない。)。続いてアルコールを加えたカフェ・コレットで 11%で意外と多い。そしてミルクをちょっと垂らしたカフェ・マッキアート10%、デカフェイナー ティと呼ばれるカフェインを抜いたもの5%と続く。

時間帯別に見てみると、それらコーヒーを最低一回でもバールで飲むという人の内、行くとすれば 朝、という人が53%、昼食後は30%、夜は家かレストランで飲んでしまうため、17%程度と少なく なっている。やはり、眠気覚ましに出勤前に一杯というのが最もポピュラーのようだ。

シェア、業界

家庭用コーヒー販売の最大のマーケットである大型、中堅スーパーでの実績数字を例にとって見た い。業界の巨人はなんと行ってもLavazza(ラヴァッツァ)で金額ベースで51%のシェアを握ってい る。二番目のSprendido(スプレンディド)が8,5%というからLavazzaがいかに巨人であるかがわか る。Kimbo(キンボ)、Segafreddo(セガフレッド)、Illy(イッリー)などが続くが、その先は星の数 ほどあると言われている。(データはいずれも98年を対象にしたもの)

バールなど専門店のコーヒー取り扱いについて見てみると、Illyが金額ベースで6,3%でトップ、上位 3社併せても15%にも満たず、小さい業者がひしめきあっている。また、一般小売はせずにバールな ど業務用のみという会社もあるのだが、こちらも地域ごとに限定されて全国規模のものは少ない。

おいしいエスプレッソのもと

エスプレッソに使われる豆は基本的にはアラビカ種のみか、ロブスタ種との混合というのが普通で、 一般的にはアラビカ種100%というのが、最高級の印である。多くのメーカーが、このタイプには ゴールドという呼び名をあてている。アラビカ種は高地でしか取れないことから値段も高く、また コーヒーに繊細さを与えるものと評価されている。

次によく使用されるロブスタ種はむしろ酸味などに特徴があり、ブレンド時に割合をどうするかが非 常に大事なポイントとなる。実際のサンプル調査でも確かに安くなればなるほどアラビカ種が少なく なり、最後は具体的な豆の表示が無くなる。

さて数あるバールだが、伝統的名門店や高級店などは自前でブレンドしたり、特別注文で業者にコー ヒーを作らせているところもある。配合割合などについては何度か試みたが秘密でなかなか教えては 頂けない。色々個人の好みもあるとは思うが、やはり高級店のエスプレッソにははずれは少ない。

苦いだけでは…….

さてこのエスプレッソ、実はワインのように「奥行き」がある。香りや苦味、酸味、そして後味など において、それぞれのメーカーや豆の種類、そして店によって大きく差があることがわかってくる。 ある大手コーヒーメーカーの製造担当者の話によると、もちろん高品質の豆と焙煎方法が最初の一歩 であることは間違いないが、「挽きたてであること」、「入れる人の技術」も同じように大事なこと のようだ。豆の管理や、実際に挽いたりマシンを扱っていれる人が決まっている店というのは安心で きる。「朝、開店したてのバールでコーヒーは飲まない方が良い。前の日挽いたコーヒーの残りかも しれないから。」とも。

最近の業界の話題を一つ。ナポリに「コーヒー大学」Universita del caffeができた。歴史から製 法、サービス、マーケティングなどについて、大学教授、マーケティングの専門家、前述Illy社の品 質管理責任者や、国際コーヒー科学協会会長を務める同社社長、南イタリア唯一のミシュランガイド 3星レストランDon Alfonso 1890の経営者夫妻などの多彩な協力者が名を連ねている。もちろんその 設立の背景には世界中のイタリアンエスプレッソやバールという業態そのものへの人気の高まりがあ る。A.Y.





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