月2回更新  2000/7/15

盛り上がるオーガニック市場
 
 


日本のマーケットにもカリフォルニアワインを代表に、海外からオーガニックの農産品が輸入されるようになって来た。イタリアにおけるこの分野の話題については以前、食品見本市CIBUSを紹介した折にも触れた。今回は、このイタリア語でBIOLOGICO(ビオロジコ)と呼ばれるオーガニック生産物を取り巻く環境、制度についてご紹介したい。

何から何までオーガニック

1993年頃には4千件程度だった有機農産物生産者は、現在既に5万件を越えているといわれる。巷のスーパーでもあちこちに「BIO」 = ビオの文字を見かけるし、顧客の反応も良いようだ。 では一体どんな商品が、生産、販売されているのだろうか。正直な所、農産物と言われるもの殆ど全てをカバーしており、挙げればきりが無い。乳製品や、卵、野菜や肉類、ワインや、オイルなどは当たり前としても、パスタや、パン、蜂蜜からコーヒー、お菓子、出来合いのパスタソース、シリアル、ナッツからクスクスまで。パルメザンチーズにも、ちゃんとBIOの認定を受けたものもある。さらに、温めるだけの冷凍食品(例えば有機栽培の原料のみを使ったピザなど。)にもオーガニック製品が出始めている。以前の見本市でも日本からのバイヤーがコメントしていたように、「アクセントのあるもの」ということでは、「BIO」は確かに日本向け商品としても今後の切り口の一つになるかも知れない。

コントロールは?

有機農産物用の耕作地もその面積を93年の7万ヘクタールから98年の79万ヘクタールと11倍に広がっている。が、その認定やコントロールは一体どうなっているのか気になるところだ。 現在そのコントロール機関は9つ。AIAB (ボローニャ), BIOAGRICOOP (ボローニャ), BIOS (ヴィチェンツァ), ECOCERT ITALIA(カターニャ), IMC(アンコーナ), CCPB(ボローニャ), QC& I(シエナ), Suolo e Salute Associazione(ペーサロ), CODEX(パルマ)。政令220/95に基づいて国の認定を受け、有機農産物のサーティフィケートを行っている。そのチェック内容は当該生産物によって変わるが、使用の種や苗、肥料、加工時の添加物、容器、使用機器に関するものと、各段階毎に細かく規定される。

ルールはどうかというと、他業態もそうであるようにEUの法を無しにしては語れない。ベースとなるのがEU法2092/91で、該当分野や製品毎の決まり、コントロールシステム、EU域外からの輸入について定めている。その後30回近くの修正、加筆が行われて現在に至る。イタリア国内では前述の政令220/95によって、EU法に従ったオーガニック農法の適応について、コントロール機関の必要技術や義務について明確化、州、県の監視義務、生産者やそれに関る者のフォーム、リストの作成を定めている。 又、州毎にオーガニック関連の条例を出しており、生産方法などの規定だけでなく、そのプロモーション、場合によっては助成などについても明記するところもある。

オーガニックツアー!

生産されたものだけでなくその過程もビジネスになってきている。アグリーツーリズム(バカンスを農家の敷地内に滞在しながら、その土地の農作物を食べたり、収穫したりして過ごす。)が、大変な人気となって来ているが、そこに更にBIOをつけてビオ・アグリツーリズモという分野もできつつある。当然これにも認定がいるがイタリア全国に既に500ほどの農家が認められている。 この他、イタリアの学校給食にも州や、県などの後押しもあって、積極的に「オーガニック給食」が導入されはじめている他、提供するメニュー全て、或いは一部に有機農産物をとりいれてアピールする一般のレストランの輪も全国に広がり始めている。

危機意識もあって.....。

余談になるが、イタリア人の「食」の安全性についての関心は大変高い。マスメディアへの取り上げられ方も、日本に比べて重要な扱いを受けているように思われる。特に遺伝子操作による食品に関するニュース一つとっても大変敏感に反応している。 もともと地元の料理を食べ、ワインを飲み、昔ながらの馴染みのお菓子を食べてきたこの国の人達にとって、なによりも「大量生産したもの」「よその人が作ったもの」への根本的な不信感のようなものがある、と言うと多少大げさかも知れない。が、EU市場統合、その他海外からの農産物の流入などが、一層「普段口にするものの材料の中にどんなものが入っているのか」知りたいという気持に拍車をかけているのも確かだろう。 オーガニックへの関心の高まりも、ただ単に「自然はおいしい」という理由だけでは無い。(A.Y.)





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