月2回更新 2000/6/1

食品見本市「CIBUS」会場訪問 その2
 
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前回に続き、北イタリアParma市で行われた国際食品見本市CIBUS2000の話題を紹介し たい。


時代は「オーガニック?」

もう一つ目にとまったのが「有機農法で生産された食品」(以下有機食品)、いわゆ るオーガニック食品である。あちこちで「Bio-」(イタリア語の“biologico”ビオ ロジコの略)の文字が目にとまる。後述の公式発表にもあったが、この分野への市場 の関心はイタリアでも確実に高まって来ている。会場内には小麦粉に始まり、シリア ルものから加工食肉、チーズを含む乳製品、各種ジュース類、そしてワインがBio-で 始まる言葉で初々しく並ぶ。有機食品のみに特化した所の他、自社レパートリーの一 部に組みこんだ所もあわせると、40社以上にも上った。(会場にて独自調査したも の)

有機農法で生産された原料だけを使ったパンやパスタ、クラッカーやビスケット、さ らには米などを扱うメーカーの担当者の話。「正直、有機食品はイタリアでもまだま だこれからです。コストの問題もあれば、法的な部分もようやく整った段階。ただこ の分野はイタリアで成功した後にその勢いで海外へ、というものではありません。全 世界的な流れですから同時進行で考えていかないと。日本人?既に10組程いらっしゃ いました。」

コスト的にまだまだ割高なのでは?の質問には、「それはあくまで最初の段階。今は もうその時期も半分越えた。」「『安い』、『大量生産』イコール何か怪しい、おか しいのでは、と感じる消費者は統計的にも確実に増えている。特に当社で扱っている ような、日々の食事でベースとなるものについては一層意識が高まっているはず。」 と自信たっぷりに語ってくれた。

あるイタリア人の輸出ブローカーが、有機栽培したフルーツジュースを薦めてくれた。 彼は別の分野で、いくつか日本向けの食品の紹介を行ったことがあるそうだ。 年々日本からの依頼は「特徴のあるもの」、「誰も知らない新しいもの」ということ で「特別だが少量」の話しが多く、有機食品関連にしても関心の高まりの割にはまだ まだ大きい契約としてまとまりにくいようだ。「日本の有機食品もようやく最近少し 伸びたところですよね。もう少し需要が盛り上がらないと、わざわざイタリアから送 るのは早いと思うけれど…..。」と輸出に関しては、彼からは期待していたほどの明 るさは見れなかった。

いずれにしろ、イタリアにおける有機食品への「関心の高まり」は量的拡大や時期は ともかく、「本物」と感じた。いずれこの分野についてはイタリアのマーケットの実 態や生産者側の組織なども併せて紹介したい。


振りかえって

見本市の公式な集計データも先日発表されたが、簡単にこの「CIBUS2000」につい て。

今年の来場者は最終で91,281人ということで、前回(98年)の100,966人には及ばな かったものの、海外からは10,058人と約1000人増えた。又、いわゆる業界関係者(総 来場者にはホテル学校から大量にやってくる学生や、一般の方も含まれる。)のみに 関しては「特に大幅な伸びを示した。」とは、パルマ見本市協会のトップであるDomenico Barili氏のコメント。来場者もドイツ、フランスを始めヨーロッパ各国、アメリ カ、日本と、実に世界83の国々に渡った。

更に彼は、今回のCIBUSの特徴として商品のタイプの広がり、を強調している。前述 の有機食品に加え、低カロリー食品、或いはいわゆる出来合いのパスタにしても、中 に入っているのが珍しいチーズである等、言いかえると新しさの中にも伝統を顧みる ような商品。そして実際目についたが、中南米料理や、和食向けの食品、オーストラ リアのカンガルーの肉など、今までのイタリアの見本市ではあまりお目にかかれない ものが「幅広く増えた。」より「コスモポリタンで」、「よりプロフェッショナル な」見本市。その通りかもしれない。

今年はさらに、イタリアのツーリズムと食を結びつけた「第1回CIBUS Tour」(11月 16日〜19日)が開催される予定である。Parmaの見本市は、今後もより国際的になりつ つも、同時にイタリアらしさを別の角度から掘り下げた、さらに興味深いものへと広 がって行くようで、大変楽しみである。


見本市の予習、復習に

Barili氏の言葉を借りるまでも無く、成功に終わったCIBUS2000であるが、最後に、 当見本市のHP(http://www.fiere.parma.it)について一言。(CIBUSはそれだけで存在 するものでなく、「Fiere di Parma」=「パルマの見本市」の一環である。英語でもも ちろん参照できる。)

イタリア得意のデザイン性や華やかさはともかく、見本市についての概容の把握か ら、付帯のサービス、インフォメーション、そして個々の出展企業情報へのアクセス が、シンプルかつ大変便利にまとまっている。実は当方もある一件で、訪問前に上手 く活用させて頂いた。実際にHP経由で商品写真込みの資料を入手し、希望日の担当者 とのアポイントを試みた。結局こちらも先方も、労無くしてスムースな出会いを実現 できた。

力を入れている出展者達は、このリンクによってより詳しい情報へと利用者を導く。 今までのように、既知の企業以外は「とにかく会場へ行ってみないとわからない。」 という見本市訪問のスタイルとは別のものである。会場で総カタログを買い、実際に 見、話しを聞いて試食するのに越したことは無い。しかしカタログに書いてあること や、どんな物が売り物か、どんな会社かと言う程度のことは、殆ど遠くにいながらに しても入手できてしまうのだ。あまりこれも出来すぎると実際に行く人が減るので は、と心配してしまうほどだが、

しかし出来映えの良し悪しは別の話しとし ても、この「スピードの時代」に対応した会社や人であるかどうか、前もって判断す る一つの参考としたことも確かである。(A.Y)





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