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月2回更新 2000/5/1
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パスタ市場の近況 - 本場イタリアの勢力図
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10年程前、何人の日本人が「マカロニ」と「スパゲティー」以外のパスタの種類 をあげることが出 来たろうか。現在では数種類のパスタを列挙できる人は
珍しくなく、それどころか「どこどこのメ ーカーが一番茹であがりが良い」「いや いやショートパスタならあちらもなかなか」などという会話 も特別なものでは無
いそうである。確かに日本のパスタ市場はメーカーの数、或いはその種類の 豊富さから言ってもその成長はめざましい。 |
本場イタリアでは?
では一体、今現在本場イタリアのパスタ業界はどんな状況となっているのだろ うか。まず外食産業向け乾燥パスタのシェアを切り口に、Bar
Giornale誌とACNielsen社の共同報告を参考にして見てみたい。 上位は日本でもお馴染み の2社。Gruppo Barillaは傘下のVoielloも合わせて44.8%のシェアで圧倒的な
1位。2位はDe Cecco社の13.7%。10%を越すメーカーはこの2社のみの偏っ た市場である。以下残りのシェアをDi Vella, Pagani,
Spigadoro 他16社が1%か ら3.2%台で激しい競争を展開している。参考までに、この巨人の2社はスーパ ーや小売店で販売される所謂家庭用シェアにおいては32%と7%に留まるも
のの、外食産業では前述のようにシェアを伸ばし、さらに高級レストランに絞る とそれぞれ55%と20%とより高くなる傾向にある。『プロ受けが良い』ということ
も両者の強みか。 |
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パスタはどこで食べるもの?
マーケット全体の販売量とその構造はどうだろう。 98年の所謂乾燥パスタ(=Pasta di Semola)の国内総販売量は約92万トン。うち92
%はスーパーや、小売店で売られる家庭用である。残りの8%がレストランなどの外 食産業へと販売される。次に卵入りのパスタなど(タリアテッレ、ラザニアなど本来
手打ちのものであり、乾燥ものとして大量生産されるようになった。)は6万5千トン のうち89%が小売りで残り11%が外食産業向け。やはり圧倒的に家庭での消費が大部
分で、『マンマのパスタを家族で食べるのが一番』であることは変わりが無いようで ある。 特筆すべき点は、ボリューム的には未だ小さいものの、外食産業むけの割合の増加で
ある。 乾燥ものと卵入りのパスタそれぞれ前年比13.2%、20%の伸びを示し、確実に外で食 べられる割合が増えているのである。もともと外食は盛んなイタリアであるが、若年
層の生活様式の変化や、店のカテゴリーの多様化がパスタの家庭外消費に拍車をかけ ているようだ。又、作り置きを温めてサービスするような低価格業態が増えているこ
となども要因の一つであろう。(イタリア旅行中にレンジで温められたパスタにがっ かりした方もいらっしゃるはず。)逆に家庭内消費が足踏みしている理由として、冷
凍やレトルト商品などの『パスタ以外に手軽に作れるもの』がイタリアでも急速に力 をつけて、消費者の選択の幅が広がったことも考えられる。
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広告、PB商品―過熱する競争
宣伝にもめだった工夫が見られる。前述のBarilla社はそもそも広告に力をいれてい る企業であるが、乾燥パスタのためだけに一年間に約300億リラ(約15億円)を投入
して他社を圧倒。TVコマーシャルでは最近、海外のシーンにイタリア人が登場、バリ ラを食して『やっぱりパスタ(=バリラ)のある所が僕らの家さ。』というシリーズ
を展開した。家庭内消費の落ち込みに歯止めをかける狙いとも取れる。又、SalernoにあるAmato 社がイタリアサッカー代表チームの公式スポンサー(食品関連としてはミネラル
ウォーターのUlivieto社と2社のみ。)になり、テレビコマーシャルも開始した。国 内でのシェアアップのみならずワールドカップなどによる海外での宣伝も意図してい
る。 更に業界で注目すべきは、所謂『プライベートブランド(PB)商品』。大手スーパー が積極投入して、混戦状態に拍車をかけている。彼らは1割から場合によっては3割安く
価格を設定(対Barilla製品。独自調査による。)、又大容量製品(1kg、それ以上な ど)を投入したり、陳列の優位性をフルに活用している。キャンペーン等の目玉商品と
しても低価格パスタを重要なアイテムとして位置付けているようだ。 イタリア人にとってパスタは、我々日本人にとっての米と同様の商品。混乱期を迎え
て各社の方針、戦略に目を話せない状況がまだまだ続きそうである。 (A.Y.)
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