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2011/7/31

HOTなエスプレッソITALY WEB SITE編集BACK NUMBER

HOTなエスプレッソ 



田中ちひろ

京都生まれ、91年よりミラノ在住。三井住友保険会社ミラノ支店勤務の一方で、日本、イタリア、フランス等各国で 異文化間マネージジメント、コミュニケーション、NLPセミナー・トレーニングを行っている(www.global-excell.com)。執筆は「ストレスは捨てられる」(中経出版)、「普段着のミラノ案内(晶文社)」をはじめ各種新聞雑誌コラム等多数。

 

2011/2/28

61. アラブ諸国の異変に思う

チュニジア、エジプトの旧政権崩壊から まだ戦いの続いているリビアまで、アラブ諸国の動きが世界中の注目を浴びている。 政権が崩壊していないそのほかの国々でも その動きは飛び火して、デモや衝突を生んでいる。

アラブ諸国とは石油をはじめ、経済的な関係で繋がっているとは言うものの、日常生活においてその地の人々とほとんど接する機会がない日本と違って イタリアにいると彼らは 日常のごく当たり前の風景の中にいる。

イタリア人にとって もっとも手ごろにいけるバカンス地は チュニジア、エジプト。
ローマからなら飛行機で1時間、パリに行くよりよっぽど近いチュニスやカルタゴは 私にとってもヨーロッパに住んで最初に行ったバカンスの土地。 いつもよく行くケバブ屋さんや角のピッツェリアのオーナーはエジプト人。 私の使っている銀行の最大株主はリビア政府。。。
毎日の生活の中で、アラブの人たちを見ることなしに一日たりともすごせないくらい、ミラノでは彼らの存在は日常化している。

これを機に民主化を願う声、イスラム勢力の拡大を懸念する声、さまざまな分析や思惑をよそに 居場所のなくなった大量の人たちの様子が 日々報道されている。
彼らに行くところ、そして帰るところはあるのだろうか。

この種の状況を耳にするたびに 思い出す友人がいる。
イラン人の友人、マホメッド。
パーレビ国王が追放されたイラン革命のときにヨーロッパへ命からがら逃れた人の一人。
国王に近かったエリートとして父親が捕らわれたときに、家族が彼を逃がしたという。

イタリアの外国人大学で 多くの留学生に混ざって身を潜めていた彼が ひょんなことで私のベルギー人の友達と恋に落ち、ベルギーに移ってから もう何年がたつのだろう。。。
今では3人の子供の父親となり、救急車の運転手として働く彼は イラン革命以後 一度もイランの地を踏んでいない。

イタリアの南の島には 毎日大量の難民が船でたどり着く。
チュニジア、エジプト、リビアから今後到着する難民の推定人数は なんと2,30万。
収容所の数は足りず 他の地へ送られていく多くの人へのインタビューをみながらマホメッドの面影が ダブって見える。

生き延びるだけで必死だった。
ベルギーにたどり着く前も、イタリア、フランスと仕事を求めて転々とした。 住む国の言葉と ルールを必死で学んだが、同時にイランに残してきた家族が心配で仕方がなかった日々。

日本のような平和な国にいると、そんなことが自分に起こることは想像さえできない。
そして同時に、そこまで必死で生きることも もしかしたらないのかもしれない。

数年前、マホメッドと再会したとき、彼が話してくれた夢を今でも忘れない。

僕は妻に救われた。
彼女に出会わなかったら、今の自分はいなかった。。。


いつか、いつの日か
今のイランの体制が変わって
僕がイランに戻れる日が来るとしたら、
今度は僕が彼女を幸せにしてあげたい。
そして イランの素晴らしさを

僕の子どもたちに
生きていくための誇りのために
見せてあげたいんだ。。。

本気で生きる姿勢と
政府や体制などを抜きにした自分のルーツに対する誇り、
ともすれば忘れてしまう大切なことを 彼は私に教えてくれた。  

 


2011/9/30

ITALY WEB SITE 
英語で楽しめるイタリアの注目WEBサイトの紹介


SIMEI 第24回国際ワイン醸造用・瓶詰機器見本市
http://www.simei.it

SIMEI(Salone Internazionale Macchine per Enologia e Imbottigliamento)は1年に1度、フランスのボルドーとミラノで交代に開かれる世界最大のワイン醸造設備と瓶詰機器関連の見本市。2011年は11月22日から26日までミラノ見本市会場で開催される。ENOVITIS第8回ブドウ栽培・オリーブ栽培機器国際展示会も同時併催。





2011/7/31
編集後記
イタリア貿易振興会の「御取りつぶし」の行方


「イタリア貿易振興会(ICE)」が2011年7月15日(金)、国会で正式に「廃止」となった。ギリシャやボルトガルなどの財務危機の余波を受け、次はあわやイタリアにも?という緊張感がイタリア中を襲った「ブラックマンデー」7月8日(金)から1週間後の出来事だった。イタリア政府が国会に提出した財政赤字削減のための長いリストの中に「ICE廃止」が盛り込まれ、世界88ケ国に合計115の事務所を持ち海外に600名、国内に600名の職員を抱える公的機関が「御取りつぶし」となったのだ。

この7月8日からの1週間は「イタリア国家の存続に影響しかねない」深刻な1週間であったことは確かだ。それまで何事でも互いの非難合戦に終始していた与党と野党が「ギリシャのようになったら大変」という共通の危機意識のもと、「ビパルティザン」と呼ばれる「党派を超えて協調」する体制に突入した。野党も自分たちのせいで「イタリア経済が沈没した」といわれては大変と「責任ある野党」に変身した。そして、7月18日(月)朝の株式市場開始に間に合うよう「7月15日(金)」中に、国会で財政赤字削減法案を通過させるという超異例の早業をやってのけたのである。

幸い「イタリアのギリシャ化」や「ポルトガル化」は当面は防げたようなので国家レベルとしてはヤレヤレということだろうが、その影で、国会で審議らしい審議もせず「イタリア貿易振興会」が「廃止」されてしまった。 以前からICEの組織や活動内容は議論の対象になっており、特に、イタリアの州政府、商工会議所、全国経済団体などが各自に国際化戦略やそのプロモーション活動を進める中で、ICEの見直しやリストラ、「ICE不要論」「ICE民営化」等の話も存在しており、近年ICEの活動予算など大幅削減されていたのは事実である。その背景には「各国の大使館網をベースに貿易振興も行うことで外交・企業国際化政策の一本化と予算削減ができる」という外務省と「とんでもない貿易振興は我々の領分」という経済開発省の間の激しいリーダシップ争いがあったようだ。今回も「ICE廃止案」と並行して、ICEを「庁(Agency)」に再編成し、外務省主導型で今後の貿易振興を推進していく法案が同時に国会に提出されたのだが、経済開発大臣が最後まで「大反対」を表明したこともあり「1票差」で国会否決されるという「番狂わせ」があったようだ。

その結果、次の新体制が決まらない中、ICE「廃止法案」のみが通過する結果となった。なお「解体」に伴いICE海外勤務職員はイタリア外務省、国内職員は経済産業省に所轄を移管ということは明記されておりイタリア人正式職員については「身分が保証」されている。当面の緊急問題は、ICEがこれまで担ってきた機能をだれがどのような体制で引き継いでいくかということだ。7月末の新聞報道によると、今後の海外における「貿易振興・国際化」は外務省と経済産業省の「両省が協議」して進め、その合同会議には、イタリア経団連、イタリア銀行協会、商工会議所、そしてイタリア経済省(財務省)の代表も入る、という枠組みだけは決まりつつあるという。まあ、クリエイティブ精神豊かなイタリアのこと、イタリア的ソルーションをいずれはみつけるだろうとしかいうすべがない。

とはいえすでに世界各地でオペレーション上の問題は発生している。たとえば今秋の海外見本市出展についてもICEが予約や前払いをしていた出展費の残額支払い業務ができないため、事実上出展も見送りとなる恐れがでているようだ。ICEウェブサイトをみると、サイトはまだ「生きて」いるが、真ん中に大きく「ICEは7月15日の法律115号第14項により廃止となりました」と明記されている。

この激変の時代、百歩ゆずって、廃止はしょうがない運命だったとしても、不可解なのは、なぜ7月15日当日から廃止なのかということだ。たとえば本年12月末を持って廃止することにして、予算化している年内の案件は粛々と実施し次の体制移行への準備をするとかというようにはならないのだろうか。一方で7月15日に本件とともに国会を通過した「国会議員報酬削減法」については今期は適用されず、次の選挙後に実施とするとある。このまま解散がなければ2013年まで現在の報酬が確保されることになる。そんなに国庫が「火の車」なら、7月15日からでも国会議員の報酬をカットすればいいのにと思うのは私だけだろうか。

8月はJIBO編集室も夏休みとさせていただきます。
次の定期更新は9月末です。
お元気でこの夏をお過ごしください。Buone Vacanze !


2011年7月31日
JIBO編集室
大島悦子 (Etsuko Oshima)


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