JAPAN-ITALY Business On-line
0 BUSINESS ON-LINEITALY NEWS

COFFEE

2010/11/30

HOTなエスプレッソITALY WEB SITE編集BACK NUMBER

HOTなエスプレッソ 



田中ちひろ

京都生まれ、91年よりミラノ在住。三井住友保険会社ミラノ支店勤務の一方で、日本、イタリア、フランス等各国で 異文化間マネージジメント、コミュニケーション、NLPセミナー・トレーニングを行っている(www.global-excell.com)。執筆は「ストレスは捨てられる」(中経出版)、「普段着のミラノ案内(晶文社)」をはじめ各種新聞雑誌コラム等多数。

 

2010/11/30

60. お隣さんの死

先日お隣の老夫婦の奥様が亡くなった。
今の家に引っ越してきてから4年半、仕事をしている私と時間帯が違うため それほど頻繁に顔を会わせる事はなかったとはいうものの 同じ階に2軒しかないうちのもう1軒に住むご夫婦は私にとって唯一のお隣さんだった。

引越しの挨拶をしてまもなく、癌で倒れた奥様は 何度かの手術やつらい治療にも耐え いつも笑顔を絶やさない人だった。
クリスマスのころになると クリスマスのリースを自分のドアに飾るついでに いつも私のドアにも飾ってくれたり、 電気の点検などが各家に回る通知が来ると 「よかったら、自分たちが立ち会ってあげようか」と 私が仕事からわざわざもどってこなくてもいいように 声をかけてくれたりするのだった。

そんなご夫婦の優しさにほとんどお返しできなかった私だけれど 1,2週間見かけない日が続くと 隣のベルを鳴らした。 元気なときは リビングで昔話を聞かせてくれる。 調子の悪いときはベッドに横たわりながらも 私の話を聞きたがった。

「僕が元気でよかった」と献身的に尽くすご主人に支えられて歩く奥様に 「こんな献身的なだんな様がいるなんて あなたは世界で一番幸せね」と言うたびに ふたりして ほほを染めてテレてしまうそんなほほえましい姿が 今もまだ心をやさしくする。

死は突然にやってきた。
火曜日の朝、建物の入り口でいきなり見つけたお葬式の印。 信じられない思いで引き返し お隣のベルを鳴らすと 目を真っ赤に腫らしたご主人がいた。
抱きしめるしかできない私に 「彼女にあってほしい」と一言。

薄く化粧を施した姿で いつものベッドに横たわる彼女。 人は亡くなると、どうしてこんなに小さく見えるんだろう。 柔和な表情と胸のところで組んだ細い両手にロザリオが 窓からさす光に浮かんで見えた。

「これが人生というもの」 そうつぶやくご主人に どんな言葉もなんの役にも立たない瞬間、手を握って離さないご主人の手を 強く握り返してあげるしか そのときの私にはできなかった。
誰もが必ずいつか行き着くその瞬間を 明日かも知らないそのときを 私はどのように迎えるのだろう。

奥様のように柔和な表情で迎えることができるのだろうか?
そのために 今のこの一瞬一瞬を 人との出会いや 人生の美しさを 大切にできているだろうか?

使い古された質問ではあっても 問いかけすぎることだけは決してない
そんな質問が今もこだましている。

残り少ない2010年が そして新しく訪れる2011年の一瞬一瞬が 皆さんにとって素晴らしい時間でありますように。

BUON NATALE!
e
FELICE ANNO NUOVO!  

 


2010/11/30

ITALY WEB SITE 
英語で楽しめるイタリアの注目WEBサイトの紹介


ドロミテ・スキー(Dolomite Ski)公式サイト 
http://www.dolomitisuperski.com/

ユネスコ世界遺産に指定されたドロミテのスキ―場紹介サイト。ドロミテ地域にある12のスキ―場のビデオ、WEBCAMや天気予報をはじめスキーファンに欠かせない情報が満載。宿泊ホテル、スキ―学校、レンタルスキーなどの予約もサイトから可能。





2010/11/30
編集後記
「ハローキティ」ちゃんと日本ブランド


この秋ごろからだろうか。ミラノの街を歩いていると、えらく「ハローキティ」グッズが目につく。文房具屋やおもちゃ屋、カバン屋などはもちろんのこと、眼鏡屋にもキティちゃんブランド・コーナーを設けられている。
そして、タオルやシーツ、カーテンなどを扱うお店のショーウインドウにも、キティちゃん柄のタオルが大きく飾られて、「熊のプーサン」「ディズニーの白雪姫」それにアメリカの着せ替え人形「バービー」と人気を競っている。アクセサリー・ショップでは子供だけでなく若い人向けのキティちゃんネックレスやブローチも売られている。
スーパーマーケットに行くと、お菓子の詰められたキティちゃんのバックが並び、イタリア名物パネトーネもキティちゃんのパッケージである。小さい子供なら誰もが親にねだりたくなるような可愛い出来である。イタリアの子供向け市場でこれほど愛され普及しているキャラクターは他にはないのではないか。

日本生まれの可憐なキティちゃん、えらく頑張っているなと思っていると、びっくりすることが起こった。10月にミラノ市内で開催された日本紹介イベント会場に、たまたまイタリア人の友人と一緒に訪れた際のこと。会場内に並んでいるスタンドを一緒にぶらぶらとのぞいていると、その友人が驚いて叫んだ。「え? ハローキティって、日本製なの?」と。
こちらのほうが驚いて「ハローキティが日本生まれっていうこと知らなかったの」と聞いてしまった。
「ハローキティはイタリアでは前から有名だけど、日本のものとは知らなかったわ」という彼女。彼女の場合、特に日本に詳しいわけでもなく、この分野に通じているわけでもないので、もしかしたら、普通のイタリア人の感覚を代表しているのかもしれない。

それにしても「ハローキティが日本生まれであることを知らなかった」という友人の発言には、様々なことを考えさせられた。
もしかしたら、ハローキティは、日本製ということが必ずしも「プラスイメージ」につながらない時期にイタリアに入ってきたのかもしれない。あるいは、日本製から連想されるステレオタイプな観念を避けるため、あえて国籍を示さなかったのかもしれない。欧州市場で成功している食品や化粧品メーカーなども進出当時に同じような戦略をとった会社もあるときいている。

最近は、役所も民間も日本製品を「日本ブランド」を強調し世界市場に進出をという戦略を取り始めている。日本製ということがプラスの「付加価値」として通用する時代になったからこそできる話といえよう。 日本製ということがそれほどの価値を持たなかった時代、誰からも好かれるキャラクターを武器に、自力でイタリアまで進出してきたハローキティちゃんに、拍手をおくりたくなる。同時に、イタリアでもハローキティちゃんが日本生まれであることをもっとPRしてくれたら、イタリア人の日本に対するイメージがもっと広がってくるのではないか、そんな気もしてくる。


2010年11月30日
JIBO編集室
大島悦子 (Etsuko Oshima)


TOP

ご質問・ご意見は/e-mail:jdesk@japanitaly.com
www.japanitaly.com
(C)Japan Plus Italy Co.,Ltd All right reserved.