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2010/10/31

HOTなエスプレッソITALY WEB SITE編集BACK NUMBER

HOTなエスプレッソ 



田中ちひろ

京都生まれ、91年よりミラノ在住。三井住友保険会社ミラノ支店勤務の一方で、日本、イタリア、フランス等各国で 異文化間マネージジメント、コミュニケーション、NLPセミナー・トレーニングを行っている(www.global-excell.com)。執筆は「ストレスは捨てられる」(中経出版)、「普段着のミラノ案内(晶文社)」をはじめ各種新聞雑誌コラム等多数。

 

2010/6/30

59. ワールドカップに思う

南アフリカを舞台に世界32カ国から集まった代表チームの戦いが1ヶ月間繰り広げられるサッカーのワールドカップ。

ありとあらゆる国籍の人が入り混じって生活しているミラノではいつでもどの試合が行われているときでも 町のどこかで歓声と涙のドラマがある。
そして イタリアに住んでいる外国人は自国とイタリアの両方を応援する。

もし、という言葉はワールドカップで意味がないが、あえて使うなら、もし、イタリアが予選落ちしていなかったらイタリアVS日本の試合になっていた。
当然イタリアはベスト16、ベスト8と上位へ進出すると信じていたイタリア人たちはその時期、どっちを応援するの?と興味本位に私に質問したものだった。

ところがイタリアは予選落ちしてしまった。
4年前の優勝の記憶があまりにも強かったからか同じ感動を分かち合った選手たちを 4年の年月が過ぎているにもかかわらず多く率い、若手に場を譲れなかった、それが敗戦の一番の原因だといわれている。
政界然り、経済界然りイタリア社会が抱える問題の根源を浮き彫りにしたような出来事だった。

それにしても情けない!
各選手のプレーに点数をつけ、責任を突きつけ、非難をし続けるイタリアメディア。
当然と思っていただけに 怒りが激しいのは理解できるがあまり後味のいいものではない。

ところで日本チームは本当にがんばった。
イタリアとは正反対に、予選に残れないかもしれないというところから始まったからなのか人々の感動と興奮がどんどん過熱していくのが 遠いイタリアでも感じられた。

チームワークがよくても なかなか得点につながらなかった従来の日本のサッカーを打ち破ってくれた今回のワールドカップ。

そしてパラグアイ戦、0−0の後のPK戦
惜しくも敗れたその直後から数日間
Twitterやさまざまなメディアのメッセージを私はずっと追っていた。

感動をありがとう!
お疲れ様、ゆっくり休んでください。
あなたたちを誇りに思います。
日本人に生まれてよかった。

そんなメッセージを読みながら目頭が熱くなった。

イタリア人の友人が ぽろっとこぼした一言が忘れられない。
今、イタリアに必要なのは 日本のそういう心だと思う。。。。  

 


2010/10/31

ITALY WEB SITE 
英語で楽しめるイタリアの注目WEBサイトの紹介


アルバの国際白トリュフ見本市
http://www.fieradeltartufo.org/

今年第80回を迎えたピエモンテ州アルバで行われる白トリュフの国際見本市。Fiera Internazionale del Tartufo Bianco di Alba
10月9日-11月14日まで開催中。貴重で高価な白トリュフをテーマとした食見本市としては最も重要なイベントで世界中から美食家が集まる。





2010/10/31
編集後記
「新幹線とイタリアの高速列車」
ニコロ君の卒業論文


10月下旬の朝早く、久しぶりでミラノのボッコーニ大学に向かった。イタリア人の若き友人ニコロ君がこの日、卒業式をむかえるためだ。ボッコーニ大学はイタリア唯一の経済・経営大学で、日本の一橋大学との研究交流もある名門私立大学として知られている。

イタリアの大学では日本の大学にみられるように年間1回、卒業生全員が講堂に集まるという卒業式は存在しない。入学は毎年9月と決まっているが、卒業時期は各自まちまちであるためだ。学生は、各自で履修科目プログラムに沿って単位の取得試験を一つずつ受けていき、必要単位の取得が終わると今度は卒業論文の準備にかかる。卒業論文が完成するとその論文の最終審査が「その学生の卒業式」にあたることになる。試験も卒論審査もなかなか厳しいので「晴れの日」に到達するのは容易ではない。最短で4年。 5年、6年とかかるものも多いし、途中で諦めるものも少なくない。

さて、大学につくと「卒業式デー」と書いた大きな幕が校舎ビルにかかっている。以前は毎週?のように誰かの卒業式が開かれていたが、最近は1月に1度か2度というようにある程度集中させているようだ。掲示スクリーンをみると、卒業生の名前とフロアー、会場ナンバー、開始時間がリストアップされており、まるで空港のようだ。目指すフロアーに上がるといくつかコーナー区分された待合室のようになっていて、ニコロ君本人のまわりにはこの日のためにフィレンツエからやってきたご両親や家族、友人達が集まっている。20分ほど待ち、案内にしたがって会場に。主任教官のほか5―6名の教官の前に本人が座り卒論の趣旨を説明。その後、卒論議論となる。

ところで、ニコロ君の卒論テーマは「メガプロジェクトの評価:日本の新幹線とイタリアの高速列車(AV)の比較」である。日本の新幹線は1964年開始。イタリアのAVは実質的には昨年スタートなので45年遅れてのスタートとなる。

ニコロ君が、メガプロジェクトは経済面での評価だけでなく、中・長期的な社会的・文化的なインパクトについても考えなければならないとして、日本が新幹線を開通したことによる日本の社会の構造的変化に強調した。すると、主任教官が「その通りですね。 たとえばパリのエッフェル塔にしても、建設当時の短期的・中期的な経済的評価予測ではこの塔がフランスのシンボルとなるところまでは計算にいれていなかったのではないか」。 実際、日本の新幹線が今日、訪日外国人旅行客に対し、大きなアピール力を発揮していることを考えると、1964年当時、日本で外国からの観光面のインパクトまで考えていた関係者はいなかったのではないかと思えてくる。

卒論議論の中で興味深かったのは、他の教官が、日本の新幹線の場合は、駅の技術革新が非常に進んでいることを指摘したことだ。「何をいっているのかな」と思って聞いていると、「ノンストップで通過する新幹線が途中駅でスピードを落とさなくてよいように、ホームに囲いがしてあって、列車が止まる時だけそこの門が開くようになっている」。ああ、このことをいっているのか。すると、別の教官が、「それができるのも、ホームに各車両の止まる位置が表記されていて、そこに1センチもずれないで止まる技術が蓄積されているからだ」。 確かに実際、到着の15分位前にならないと何番ホームにつくのか確定せず、いわんや、ホームのどこに各車両が停車するのかは成り行き次第のイタリアでは、門などつくってしまっては大混乱になるだけだ。 日本では当たり前と思っていることが、国際的にみると大変なことのようだ。

とはいえ、この話にはオチがある。ニコロ君、今年の1月から3月まで日本の地方大学に短期留学したときのこと。 せっかく行くのだから、授業が終わったら新幹線に乗って1週間位、日本各地を旅行したいという。「外国人用のJRレールパス」というのがあって、新幹線でも乗り放題になるから利用したら」と勧めた。 日本から戻った同君に「どうだった? 新幹線に沢山乗ったの?」ときくと、「それが、留学ビザなので、レールパスは取得できないといわれた」とがっかりした表情。日本で普通に買うと新幹線は高いので、「東京―名古屋間」の片道だけを乗ってきたとのことだ。

私はどうも解せなかった。留学ビザ取得者にはJRレールパスを適用しないとはどういうことなのだろう。せっかく日本に勉強に行ってその際に各地を旅行したいというのは自然な要求のはず。そこで日本ファンになってくれれば将来も日本を訪れてくれることは間違いない。切りつめた予算で留学しているからこそ、そういう学生にはJRレールパスをさらに学割価格で提供してもいい位なのに、「留学生」は「観光はご法度」ということなのだろうか。日本の新幹線に真正面から卒論で取り組んでくれたニコロ君、せめて新幹線に存分に乗せてあげたくなった。


2010年10月31日
JIBO編集室
大島悦子 (Etsuko Oshima)


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