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2010/5/31

HOTなエスプレッソITALY WEB SITE編集BACK NUMBER

HOTなエスプレッソ 



田中ちひろ

京都生まれ、91年よりミラノ在住。三井住友保険会社ミラノ支店勤務の一方で、日本、イタリア、フランス等各国で 異文化間マネージジメント、コミュニケーション、NLPセミナー・トレーニングを行っている(www.global-excell.com)。執筆は「ストレスは捨てられる」(中経出版)、「普段着のミラノ案内(晶文社)」をはじめ各種新聞雑誌コラム等多数。

 

2010/3/31

58. 「南アフリカ」

ワールドカップまで後2ヶ月ちょっと。
4年に一度のこのイベントの舞台が 今年は南アフリカということもあってなにかと人々の関心が南アフリカに向いている。

南アフリカといえば、忘れられない友人がいる。
今から8年前 アメリカで一緒に勉強した仲間の一人だ。

彼の小さい頃からの夢は 医者になることだった。
ただ、その夢への道のりは 想像を絶するほど大変なものだった。
というのも、彼の育った時代は まだアパルトヘイトの時代そして彼の肌の色は黒かったからだ。

「黒人は医者になんかなれない」
「黒人は大学にすらいけない」
いつもそういわれ続けたという。
学生時代には牢屋に放り込まれたことも何度もあるという。
それでも、彼は夢をあきらめなかった。
そして 彼は夢を実現した。

南アフリカといえば 他にも思い出す人がいる。
両足義足で 世界陸上大会で走ったピストイアス選手北京オリンピックに南ア代表として出場した 片足の水泳の選手(女性)
そして あのネルソン・マンデラ

普通のひとが「ダメだとあきらめてしまう」ことを あきらめないでやってしまう人がもしかしたら南アには多いのではないか?
そういう何かが あの国にはあるのではないか?

1954年のRoger Bannisterの世界記録を思い出す。(1マイルを4分以内で走った初めての陸上の選手)
それまで 1マイルを4分以内で走ることは 科学的に人間には不可能だと信じられていて、何十年もの間、実際にその壁を破る人は出なかった。 ところが、Bannisterが記録を破ったその後の1ヶ月以内に100人近い人が4分の壁を切っている。。。

南アフリカには ふつうの国でふつうの人たちが ダメだと思ってあきらめてしまうことを やってしまった人が周りに実はいっぱいいるのではないか?
そういう人の割合が 他の国より多いのではないか。。。

今月またいい映画を見た。
クリント イーストウッド監督の最新作「インビクタス」
南アフリカが舞台

できれば皆さんにもぜひ見てほしいので ここでは敢えてあらすじは書かないが南アフリカの、そんな何か熱いものを伝えてくれる感動的な映画だった。

誰にだって やっぱりダメだと あきらめそうになることはある。
無理だよと 人に言われることもあるかもしれない。
でも、そんなときは あきらめる前に 既にそれを実現してしまった人を捜せばいい。
そうすれば きっと道が開けるはずだ。

「インビクタス」の映画が終わった後、映画館の中では 人々の割れるような拍手が いつまでも鳴り止まなかった。  
 


2010/5/31

ITALY WEB SITE 
英語で楽しめるイタリアの注目WEBサイトの紹介


イタリア産業総連盟、コンフィンドゥストリアConfindustriaの公式サイト。
http://www.confindustria.it/

イタリア産業総連盟、コンフィンドゥストリアConfindustriaの公式サイト。(イタリア経団連とも訳されている) 1910年に誕生した同連盟は今年創立100周年を迎え、ミラノ・トリエンナーレで開催中の「イタリア企業100年写真展」をはじめとする記念行事を展開している。全国の加盟企業142.762社を会長のエンマ・マルチェガーリア女史が総括している。





2010/5/31
編集後記
大幅な財政赤字削減と「幽霊住宅」対策!


イタリアでは、財政赤字削減をめぐって、5月中旬以来、249億ユーロにのぼる政府案に対し喧々諤々の議論が展開されていたが5月31日同法案が承認された。野党も各論では異議を唱えているが大筋では、ユーロを護りイタリアを金融危機から護るためにはこの規模の赤字削減が必要であることは認めざるを得ない状況だ。そんな中、公式には誰一人反対する人がいないのが、強力な「脱税対策」だろう。中でも目をひくのは「カーゼ・ファンタズマ」すなわち「幽霊住宅」大対策といえよう。

「幽霊住宅」ときいて、日本の人は当初何を連想するだろう。人が住んでいない住居?あるいはお化け屋敷? 幽霊のでそうな壊れかけた家? クイズであればこれらの答えはすべて「失格」だ。 ここでいう「幽霊住宅」とは人がちゃんと住んでいて、お化けも幽霊も出ないし、水道もガスも電気もひかれていて、一見まったく普通な住宅をいう。人もうらやむ豪華な御殿の場合もある。しかしながら幽霊といわれるのは「不動産登記簿」に登録されておらず公式に「存在」していない家であるからだ。建築基準法などに違反している「不法住宅」とも少々異なる。幽霊住宅の場合、もともと公式には存在していないので、建築基準法も何もあったものではない。幽霊住宅を前にしては、不法建築も可愛いものにみえてくるほどだ。

この「存在」していない家がイタリア全国で200万住宅もあるというから、驚くより呆れてしまうのが普通だろう。TV報道によると、航空写真でチェックすると、登記簿に登録されている家よりも、登録されていない建築物のほうが多い地域もあり、その横綱格はシチリアのアグリジェント市だ。幽霊住宅が大勢の中にところどころ「登記されている」住宅があるとう有様で、ノーベル賞劇作家ピランデッロの故郷、ユネスコ世界遺産となっている「神殿の谷」と呼ばれる古代ギリシャ植民都市時代の遺跡のある町も「幽霊」のほうが幅をきかせているようだ。地元政治家、マフィア、そして土建業者が三者一体となり町ぐるみで法規も何もかも無視して家を乱造し、販売し、地域住民も幽霊住宅であることを知りながら購入し、住み続けているのが実態のようだ。住民にとっても、不動産登記税、固定資産税、そしてゴミ税(イタリアでは不動産に対してゴミ税が課税されている)などを1ユーロも払わなくてすむので、こんな住み心地のいい町はないのだろう。

今回、「世紀の財政赤字対策」の柱に「幽霊住宅」対策が盛り込まれたのは、闇の中にある200万住宅に日の光をあて、ここから捕るべき税金を取り上げるということが目的であることはいうまでもない。 さて、その方法だが、アプローチはかなりソフトである。2010年末までに自分から幽霊住宅の登記を行う場合は、規定の罰金の3分の1、そして2009年1月1日以降の税金を支払えばいいとしている。「過去についてペナルティはなし」ということでハードルを極めて低くし、自主的登記を薦める方針だ。しかし年内にこの処理をしない場合、2011年に入ってしまうと、5年前から遡って罰金および税金の全額を支払うことになり大きな額になる。

しかし、部外者にとって何とも納得のいかないのは、なぜ、これほど大きな違法現象を長年放置しておいたのかということだろう。地元政治家や関係者への政治的配慮など複雑な状況があったとしか思えない。ただ、反面、イタリアにはこんなにいい、財源確保の道があったのかと、妙に感心したりうらやましく思ったりしてしまうところもある。15年以上も前のことだが、日本でトヨタにつとめる友人が「家の会社は、雑巾を絞りきってしまっている感じよ」といっていたことを思い出してしまう。社内のあらゆる部分で実践される「カイゼン」活動の結果、どこもかもチェックされ整備されていくためムダがなくもう絞りようがないということのようだ。その点では、雑巾にたとえると、イタリアはまだまだ「水がボタボタの雑巾」といえるようだ。さがせば絞る箇所は沢山あるようだ。


2010年5月31日
JIBO編集室
大島悦子 (Etsuko Oshima)


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