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2010/4/30

HOTなエスプレッソITALY WEB SITE編集BACK NUMBER

HOTなエスプレッソ 



田中ちひろ

京都生まれ、91年よりミラノ在住。三井住友保険会社ミラノ支店勤務の一方で、日本、イタリア、フランス等各国で 異文化間マネージジメント、コミュニケーション、NLPセミナー・トレーニングを行っている(www.global-excell.com)。執筆は「ストレスは捨てられる」(中経出版)、「普段着のミラノ案内(晶文社)」をはじめ各種新聞雑誌コラム等多数。

 

2010/3/31

58. 「南アフリカ」

ワールドカップまで後2ヶ月ちょっと。
4年に一度のこのイベントの舞台が 今年は南アフリカということもあってなにかと人々の関心が南アフリカに向いている。

南アフリカといえば、忘れられない友人がいる。
今から8年前 アメリカで一緒に勉強した仲間の一人だ。

彼の小さい頃からの夢は 医者になることだった。
ただ、その夢への道のりは 想像を絶するほど大変なものだった。
というのも、彼の育った時代は まだアパルトヘイトの時代そして彼の肌の色は黒かったからだ。

「黒人は医者になんかなれない」
「黒人は大学にすらいけない」
いつもそういわれ続けたという。
学生時代には牢屋に放り込まれたことも何度もあるという。
それでも、彼は夢をあきらめなかった。
そして 彼は夢を実現した。

南アフリカといえば 他にも思い出す人がいる。
両足義足で 世界陸上大会で走ったピストイアス選手北京オリンピックに南ア代表として出場した 片足の水泳の選手(女性)
そして あのネルソン・マンデラ

普通のひとが「ダメだとあきらめてしまう」ことを あきらめないでやってしまう人がもしかしたら南アには多いのではないか?
そういう何かが あの国にはあるのではないか?

1954年のRoger Bannisterの世界記録を思い出す。(1マイルを4分以内で走った初めての陸上の選手)
それまで 1マイルを4分以内で走ることは 科学的に人間には不可能だと信じられていて、何十年もの間、実際にその壁を破る人は出なかった。 ところが、Bannisterが記録を破ったその後の1ヶ月以内に100人近い人が4分の壁を切っている。。。

南アフリカには ふつうの国でふつうの人たちが ダメだと思ってあきらめてしまうことを やってしまった人が周りに実はいっぱいいるのではないか?
そういう人の割合が 他の国より多いのではないか。。。

今月またいい映画を見た。
クリント イーストウッド監督の最新作「インビクタス」
南アフリカが舞台

できれば皆さんにもぜひ見てほしいので ここでは敢えてあらすじは書かないが南アフリカの、そんな何か熱いものを伝えてくれる感動的な映画だった。

誰にだって やっぱりダメだと あきらめそうになることはある。
無理だよと 人に言われることもあるかもしれない。
でも、そんなときは あきらめる前に 既にそれを実現してしまった人を捜せばいい。
そうすれば きっと道が開けるはずだ。

「インビクタス」の映画が終わった後、映画館の中では 人々の割れるような拍手が いつまでも鳴り止まなかった。  
 


2010/4/30

ITALY WEB SITE 
英語で楽しめるイタリアの注目WEBサイトの紹介


トリノで公開中の「聖骸布(シンドネ)」公式サイト
http://www.sindone.org/

イタリア語で「シンドネ」と呼ばれる「長さ4.37m、幅1.11mの十字架に掛けられた死者の体の跡のある布」はキリストが十字架に掛けられた後、その体を包んだ聖骸布だといわれている。4月10日から5月23日まで10年ぶりにトリノの大聖堂で公開されており、期間中200万人の見学者が予定されている。





2010/4/30
編集後記
ミラノ中心部「9万本の植木」プロジェクト 大論争


今、ミラノ市内の緑化をめぐり世界的指揮者のクラオディオ・アバド、同じくイタリアを代表する建築家レンゾ・ピアノとミラノのモラッティ女性市長との間で大論争が進行している。

ことのおこりは1年前、2009年の4月20日。ミラノ出身で1986年までミラノ・スカラ座の音楽監督をつとめたアバドが、24年ぶりにスカラ座の2010年の舞台に立つ条件として、ミラノ市内に9万本の木を植えることを提案し、モラッティ市長が快諾したことにはじまる。建築家レンゾ・ピアノが主旨に賛同し、ミラノのシンボルであるドゥオーモ広場に「森」をつくり、ドゥオーモとスフォルツエスコ城を結ぶダンテ通りに並木道を設けるという「ミラノ中心部緑化プロジェクト」の準備作業がスタートした。

ミラノ中心部再生の「夢のプラン」と誰もが実現を心待ちにしていた中、雲行きが急遽悪化したのは、この3月に、レンゾ・ピアノ側の具体的計画と予算がミラノ市役所側に提案されてから。1000万ユーロ(1ユーロ=120円と換算して約12億円)というコストはミラノ市ではとても対応できないと、ミラノ市側は計画を却下した。アバドの提案から丸1年後になるこの4月22日、レンゾ・ピアノは、日刊新聞コッリエーレ・デッラ・セーラ紙に「私とアバドとミラノ市:夢破れたり」という署名入り記事を掲載し「アバドや自分たちが推進している提案をミラノ市側が受け入れない」ことを「何たる残念なこと」と訴えた。

市側は、中心部緑化だけに1000万ユーロもの予算を市行政からの出費することは不可能で実施するには民間スポンサーをさがすようにと反論。これだけのお金をかけるなら、市の周辺部の緑化も必要と主張。なお、モラッティ市長の急変の背景には、ピアノ建築事務所がプロジェクト実費経費として5年間で100万ユーロの予算を計上したことに立腹したとの報道もあるが、同事務所側は否定している。

ところで市長の「スポンサー」の発言をきいたとたん、コカコーラがスポンサー候補として早速に名乗りでてきている。他にもスポンサー候補はいるようだ。これだけ知名度の高いプロジェクトなのでスポンサーとなっても費用対効果はあると判断する企業も少なくなさそうだ。

アバドがスカラ座への復帰の条件としていた9万本の植林が宙に浮いた今、6月初旬予定の同氏の公演はどうなるのかと思っていたが公演実施は正式に確認された。インターネットでの切符発売分はわずか5分間で売り切れたそうだ。

イタリアを代表する音楽家や建築家を敵にまわしても、堂々たるモラッティ市長。ミラノの「EXPO2015」招致を実現した凄腕で今年秋の市長選立候補も4月末に公表している。もしかしたら、ミラノ市の負担を最小限にしつつ、結果としてアバドとレンゾ・ピアノの夢を実現させるシナリオが彼女の中にあったのかもしれない。


2010年4月30日
JIBO編集室
大島悦子 (Etsuko Oshima)


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