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2010/2/28

HOTなエスプレッソITALY WEB SITE編集BACK NUMBER

HOTなエスプレッソ 



田中ちひろ

京都生まれ、91年よりミラノ在住。三井住友保険会社ミラノ支店勤務の一方で、日本、イタリア、フランス等各国で 異文化間マネージジメント、コミュニケーション、NLPセミナー・トレーニングを行っている(www.global-excell.com)。執筆は「ストレスは捨てられる」(中経出版)、「普段着のミラノ案内(晶文社)」をはじめ各種新聞雑誌コラム等多数。

 

2009/10/31

57. 「ストレスは捨てられる」

先月東京である急行電車に乗っていたときのこと。
目的の駅まで後10分くらいかな、と思ったとたん、駅でもなんでもないところでその電車が止まった。

すかさず車内アナウンス
「お急ぎのところ 大変ご迷惑をおかけしております。ただいま前の電車が ドアの故障となり 駅で点検をしております。今しばらくお待ちいただけますようよろしくお願いいたします」

しーんと静まり返った車内が心持ちざわざわする。
途中で電車が止まっても10分や15分は何の説明もないこともちょっちゅうイタリアに長い私は
「いやぁ、さすが、日本は違うわよね。」とすばやいアナウンスに私はひとり感嘆のため息。

1分経ったか経たないうちに、次のアナウンス。「今しばらくお待ち下さい。状況が変わり次第またご連絡いたします。皆様にはお急ぎのところ大変ご迷惑をおかけいたしまして まことに申し訳ありませ。」
電車が遅れているということを 会社や同僚に知らせているのか、周りの人たちが 一斉に携帯電話でメッセージを打ち出した。

何度か同じアナウンスが繰り返され、いらいらする人がどんどん増えていくのが手に取るように分かる。日本では 普段 物事が機能するだけに 機能しないときのストレスはかなり大きなものになるのかもしれない。

一般に「ストレスの感じ方」はイタリア人と日本人ではかなり違う。
電車が遅れることに慣れているイタリア人は 5分、10分の遅れなら逆に「ラッキー!」と思うし、前述の電車の例でたとえるなら、遅れ自体より、分かりきった同じアナウンスを1分おきごとに繰り返されることの方がストレスになるはずだ。
電車を2分で乗換えるなど、日本では当たり前のことも、機能しすぎてイタリアにはそれがストレスになることも多い。

ところで、統計によると、日本のビジネスパーソンのほぼ100%がストレスを抱えているというが、イタリアでは30%といいます。
私はかれこれ10年近く セミナーやコーチングを通して どこからこういう違いが出てくるのかをずっと探し続けていましたが、人間科学NLPを使ってそれがかなりはっきり見えるようになりました。

「ストレス」を生み出しているのは 実は3つの要素、「身体」と「ビジュアル」「言葉」なのです。
身体とは 自分の身体をどう使っているか、どういう姿勢をとっているか。
ビジュアルは 物事に対して 私たちが頭の中で描くその映像です。
言葉は 自分の中で言う言葉、電車の遅れに対して、「また遅れた!」というのか、「ラッキー」というかです。

人間には その身体の構造上 ストレスを感じる「身体(姿勢)」「ビジュアル(映像)」「言葉」があります。
それと同じく、ストレスを感じたくても感じられない、つまり、身体の構造上 ストレスという感情とリンクしていない「身体」「ビジュアル」「言葉」があります。
「ストレス」を生み出しているそれらの要素を分析して、「ストレスゼロ」の状況のそれらと入れ換える。 
25カ国6000人の方々とセミナーやトレーニングで接しながら、実際に試してみてうまれたのが、「ストレスゼロ・テクニック」です。

ひとつ例を挙げてみましょうか?
一般に「ストレス」を抱えている人や「落ち込み気味」な人は 目線が下がっています。姿勢も前かがみで背すじが伸びていません。
目線を下げることによって 私たちは 脳の「内面会話をする部分」と「感情を感じる部分」を刺激するのです。
「ああ、いやだいやだ」と内面会話をして、「ストレス」を感じるわけです。

それでは 実験です。
ストレスのあることを考えたままで 背筋を伸ばして目線をあげてみてください。
目線を上げることによって 「内面会話」も「感情を感じる部分」も刺激し続けられなくなるので 5分もすると 気持ちの変化が感じられると思います。

ミラノのファッションショーのオーガナイザーが昔 こんなことを言っていました。
「日本人の多くは歩くときにひざの後ろが伸びない」と。
ひざを伸ばすと、背すじが自動的に伸びます。背すじが伸びると目線が上がります。 つまり、これは「ストレスゼロ」姿勢なのです。
これを毎日自然にやっている、イタリア人のストレスが少ない理由のひとつは もしかしたらこんな単純なところにあるかもしれません。


詳しくは 「ストレスは捨てられる」 
中経出版 1470円 田中ちひろ著
多くの実例と主に、「ストレスゼロ・テクニック」をまとめました。
また、私が3年前に遭遇した、「マルペンサエクスプレス衝突脱線横転事故」のトラウマ(激しいテクニック)を取り除いたテクニックについてもご紹介しています。

みなさまのストレスが少しでも軽くなり、そして皆様の毎日が輝きの多いものになることを心から願っています。
 


2010/2/28

ITALY WEB SITE 
英語で楽しめるイタリアの注目WEBサイトの紹介


イタリア国鉄のオンライン予約サイト
http://www.ferroviedellostato.it/

ローマーミラノ間ノンストップ3時間の高速列車Alta Velocita' をスタートし面目一新したイタリア国鉄の機能的な予約サイト。 国外からも簡単に予約購入可能。乗車30日前の「早割り」のほかオンライン販売のみの各種割引が用意されている。





2010/2/28
編集後記
15世紀ミラノ宮廷の「絹・金・深紅」展
野心的なミラノ・ロンバルディア繊維産業研究プロジェクト


昨年10月にミラノ中心にあるポルディ・ペッツォーリ博物館で開催され、大きな反響をよんだ展覧会「SETA(シルク)・ ORO(ゴールド)・CREMISI(深紅)」展が2月21日に終了した。副題は「ヴィスコンティ家とスフォルツェスコ家宮廷の秘密とテクノロジー」で、15世紀半ば以降にミラノで生産された金や銀の織り込まれた絹織物や見事な刺繍の施された絹製品など約50点が展示された。特に、クレミージと呼ばれる「深紅」とゴールドの組み合わせは美しくかつエレガントで、当事のミラノ宮廷の「権力顕示」願望と「美的センス」が伝わってくる品々である。

本展覧会では、絹織物の芸術面だけでなく、当事の産業政策の検証、そして技術開発・使用素材についてヨーロッパ有数の研究機関と連携して行われた最新の研究成果が紹介されていて興味深い。

驚かされるのは、1452年、ミラノ公国領主のフィリッポ・マリア・ヴィスコンティが、金を織り込んだ絹織物開発に着手するため、当事選りすぐりのフィレンツェとジェノヴァの絹織物職人や実業家をミラノに招聘したという事実。すでにミラノでは絹織物や手工業が進んでいたものの、あえて、外部から最先端の技術と投資を招聘し、さらなる発達を促進したヴィスコンティ家の経営手腕が功を奏して、ミラノはその後30-40年もしないうちに、イタリアにおける絹織物生産のリーダー格となったという。

また、展覧会のテーマともなっている「深紅」の染料は分析の結果、ポーランド産のコチニールという昆虫から取られた染料が使われていることが実証され、広域な通商網の存在が明らかとなった。今でも見る人を魅惑する「深紅」の染料、高貴な色とされ、当事は非常に高価なものであったようだ。

なお、この展覧会は2007年にはじまった「15世紀から20世紀におけるロンバルディア絹織物生産」研究プロジェクトの第1ステップを公開するもの。今後「2期:スペイン支配下のミラノにおける贅沢品と信仰:1535-1706年」「3期:オーストリア支配下のロンバルディアにおける絹織物生産全工程 1706-1860年」「4期:イタリア工業化進展の起源となるロンバルディア織物工業 1860-1939年」そして「5期:コモの繊維とミラノ・ファッション 1945-1990年」と毎年、ワンステップごとに研究成果が公開され2015年に集大成をむかえる予定だ。

2015年にミラノで開催されるMilano Expo 2015を契機に、ミラノやロンバルディアでは地域のルーツやアイデンティを掘り下げる気運がみられ、これもその流れの中の野心的な取り組みといえよう。Expo自体は議論百出でプランはまとまらず、さらに経済危機で政府拠出金が減額されそうで経済基盤も危うい。関連施設などハード面では当初より縮小した企画になりそうだ。でもこれを契機に今回のような興味深いプロジェクトが展開されるとすれば、Expo開催もそれなりの意味がありそうだ。


2010年2月28日
JIBO編集室
大島悦子 (Etsuko Oshima)


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