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2005/10/28

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HOTなエスプレッソ 



田中ちひろ

京都生まれ 大阪外国語大学イタリア語科卒業、88年イタリアのシエナに留学。91年よりミラノ在住。 著書「普段着のミラノ案内」(晶文社)をはじめ、新聞、雑誌、インターネットサイト等に執筆。三井住友海上ミラノオフィス勤務。 

 

45. 2006年ワールドカップサッカー、イタリア出場

10月8日 シチリアの州都パレルモでおこなわれたイタリアVSスロベニア戦。
後半33分 コーナーキックからのボールをディフェンスのザッカルドがヘディングでシュートして1点、 イタリア・ナショナルチームの2006年ワールドカップ出場が決定した。

「予選はアンティパスト(前菜)」とリッピ監督は話していたが、確かに技術においても経験においてもイタリアの選手たちのレベルの高さは皆が認めているとは言うものの、その自信過剰が思いもよらぬミスを引き起こして涙を呑んだことが過去に何度もあったことをみんなよく知っているだけに このニュースにはイタリア中が本当にほっとした。

ヨーロッパ予選には主催国ドイツを除く51カ国が参加をし、いままでのところヨーロッパ勢に与えられた14の枠の8つまでが決定したが、オランダ、イングランド、ドイツなど油断を許さない強敵の名が並んでいる。
4年前と違ってアフリカからはトーゴ、ガーナ、コートジボアールなど初出場の国が続出し、その一方で 優勝候補ブラジルやアルゼンチンは相変わらず健全である。
厳しい試合が数多く予想されるだけあって、ナショナルチームの最終メンバーの最終決定は来年の6月の初戦の前日までされないのだそうだ。
この8ヶ月の各選手の言動、試合に最高のコンディションで臨むための自己管理、そういったすべてを判断したあとで、土壇場のメンバー変更もありという厳しさだ。
そんなイタリアのチームが、4ヶ月前に早々と出場が決まっている日本チームとぶつかることがあるかどうか....いずれにしてもいまからとっても楽しみだ。

さて、来年の6月9日にミュンヘンで行われる初戦からその1ヵ月後ベルリンで行われる決勝戦まで 一般のイタリア人もなかなかどうして大変そうだ。
「もし、イタリアが決勝までいったら、そのときにヴァカンスに行っているわけにはいかない」と いまからヴァカンスの日程の変更を計画し始めた友達がいる。
「イタリアの試合の日は会社を休む」とすでに皆に宣言した同僚がいる。
「飛行機が結構高いんだ」と応援ツアーを組むのに今から苦労をしている人たちがたくさんいる。
今回のワールドカップ観戦は 4年前の日本韓国共同開催のときと違って、開催国がドイツなので時差がないから イタリア人にとっては楽ではあるが、逆にどの会場も飛行機で1時間足らずのところにあるとあれば、生で見たいという気持ちも強くなって当たり前なのかもしれない。

最近はイタリアでプレーをする日本人選手がほとんどいなくなってしまったが、それでも年々日本人選手の評価はイタリアでも上がっていて、ワールドカップ公式サイトでは注目すべきプレーヤーとして田中選手と大黒選手の二人の名前がのっているくらいである。
日本VSイタリアがあればみてみたいなぁなんて興味本位でチケットの状況を調べてみた。

チケット販売は5回に分けて行われ、この12月から3回目の販売が開始されるのだそうだ。前2回の販売は試合の組み合わせなどが未定のままの販売だったが、今回の販売は試合カードを確認して、しかも試合別のシングルチケットを自由に選べるため 抽選があるとはいうものの大変な応募者になるらしい。
値段は初戦の一番いい席が300ユーロ、決勝は600ユーロ(場所を選ばなければそれぞれ65ユーロ、120ユーロ)と決して安くなく、これだとヴァカンスと天秤にかけなくてはいけないひともいっぱいいるのかも....

ところで たとえスタジアムに行って生で試合を観戦することができなくても、イタリアの町の中でイタリア人に混じってこの時期過ごしてみるのも悪くない。
普段は町ごとのチームのトーナメントで分裂し、イタリア人の自覚なんてまったくない人々も このワールドカップのときだけはいきなりイタリア人であることに目覚め、固く団結するからおもしろい。
試合中はみんな広場に集まって一緒に観戦するか、仲間と集まってどこかの家で観戦し、勝てばみんな待ちに繰り出してはクラクションを鳴らして大騒ぎをする。
イタリアを応援する人は みんな友達、みんな仲間、それはたまたまそこに居合わせた外国人でも同じこと。スポーツは国境を越えて人々を結ぶもっとも手っ取り早い手段なのかもしれない。

ところでワールドカップ出場で湧くイタリアにもうひとつ、サッカー絡みのホットなニュースが飛び込んできた。
元ACミランの代表的選手 ジョージ ウェアが祖国リベリアの次期大統領選に立候補するというのだ。
ウェア選手は、何年も続くリベリアの内戦、目の前で殺されていった兄弟や幼い子供が銃を持つ姿を見るたびに、何か自分にできることはないかといつも問い続けてきたという。
リベリアに平和と水と薬と学校を届けたい、そんな思いをこめての立候補。
祖国を遠く離れたヨーロッパで数多くのゴールを決めて世界中のファンを魅了した彼の生涯をかけてのシュートを国境を越えて平和を願うファンたちが暖かく見守るに違いない。

 


2005/10/28

ITALY WEB SITE 
英語で楽しめるイタリアの注目WEBサイトの紹介


http://www.isae.it/
イタリア経済研究分析機構
ISTITUTO DI STUDI E ANALISI ECONOMICA 公式サイト。


1999年に創立されたイタリアで最も権威のある経済分析機関。公共機関であるが、政府からは独立した組織形態を持つ。「Forecast on the Italian Economy」「Public finance & Redistribution」などイタリア経済に関するレポートを定期的に発表。 



2005/10/28
編集後記
- ミラノのムラトーリ通り Via Muratori - 

イタリアの道にはすべて名前がついている。大通りや目抜き通りだけでなく、路地裏の通りにも、短い小道にも、すべて名前がついている。「日本では、特別の大通り以外は、道に名前がないのよ」というと、イタリア人は皆、びっくりして目を丸くする。「どうやって家や目的地をさがすの?」

イタリアの通り。さてどんな名前が多いのだろう。10月下旬に電話帳会社Seat Pagine Gialle が、イタリア全国の道路の名前分析調査を発表した。これによると、イタリアの通りで一番多い名前は、ヴィア・ローマVia Romaで全国に7920もある。日本の「銀座通り」と同じで全国津々浦々に「ローマ通り」が存在することになる。2番目は、イタリア統一の父、愛国者のジュセッペ・ガリバルディで5584。3位が無線通信を発明したマルコーニ。4位が近代イタリアの統一に貢献したジュセッペ・マッツィーニ。ちなみに、神曲で有名なダンテ・アルギエーリは5番目。やはりイタリア国家統一に貢献したカブールが6位。オペラのジュセッペ・ヴェルディは7位。イタリア共産党創設者の一人、アントニオ・グラムシが8位。1位のローマを除くとベスト9位の政治家デ・ガスペリまですべてが歴史上有名な人の名前であることは興味深い。

ところで、私が現在の仕事場に引っ越してきたのが今から約8年前。地下鉄の駅から仕事場まで、近道で行こうとすると、Via Muratori「ムラトーリ通り」という道を通ることになる。ムラトーリは、イタリア語でムラトーレ(れんがや石の積み工や左官の意味)の複数。そのため、私はてっきり、昔このあたりに左官が沢山住んできたので「左官通り」というのだと、思い込んでいた。引越ししてきた当時、この通りは右も左もアパートや商業施設の新築や改装工事でひっくり返っていたので、名前の通り工事ばっかり、と呑気に思っていた。
このムラトーリが、左官ともレンガ職人とも関係なく、イタリアの歴史家(1672~1750)のLudovico Antonio Muratori(ルドヴィコ・アントニオ・ムラトーリ)からとった通りであることにきづいたのは、ほんの2〜3年前のこと。一人で顔が赤くなってしまった。日本からきた友人たちにえらそうに薀蓄などかたむけなくてよかった!! 
  ところで、このムラトーリ氏、上記の「通り番付」では何番目に入っているのだろうか。

2005年10月28日
JIBO編集室
大島悦子


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