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2005/7/1

HOTなエスプレッソITALY WEB SITE編集BACK NUMBER


HOTなエスプレッソ 



田中ちひろ

京都生まれ 大阪外国語大学イタリア語科卒業、88年イタリアのシエナに留学。91年よりミラノ在住。 著書「普段着のミラノ案内」(晶文社)をはじめ、新聞、雑誌、インターネットサイト等に執筆。三井住友海上ミラノオフィス勤務。 

 

44. マトゥリタ - イタリアに試験が求めるもの

"旅、人間の内面を豊かにし、楽しみを与え、そして時にはわき道にそれることもある、人生に喩えたところの旅というもの” これが今年のイタリアの全国高校卒業試験で もっとも好まれ選択された国語(イタリア語)のテーマだった。

去る6月22日から約一週間にわたってイタリア全国で高校卒業試験なるものが行われ、イタリア全国約48万人の高校生が受験をした。
アクセサリーはもちろん、大人顔負けのお化粧をしたり、おへそを出したTシャツをきてタバコをすったりする生徒たちは、どう見ても高校生には見えないが そんな彼らが普段には似合わず緊張している姿はなぜかほほえましいものだ。

ところでイタリアのこのマトゥリタと呼ばれる全国卒業試験はいくつかとてもユニークな点がある。
まずすべての高校が 日本の普通科にちかいクラシック科、商業科、工業科、芸術科すべてがみんな一斉に試験を受けること、口答試験の比重が高いこと、そして採点する先生の個人的な感情に点数が左右されないように全国の先生がまざって6人の試験管が評価に当たることなどがある。
試験は4部にわかれ、第1部がすべての受験者共通イタリア語の試験、2部がクラシック科ならラテン語の試験、商業科なら数学や簿記とそれぞれ各専門の分野の試験で ここまでは全国共通の試験内容である。 そして3部からが試験管になる先生たちが決める試験、つまり学校によって内容が違う試験で、最後がすべての筆記を採点した後の口頭試験、ここでは自分の選んだテーマなどについて自分の意見を述べることになる。

冒頭の”旅”のエッセイはこのマトゥリタ試験の第1部イタリア語の試験で いくつか選択肢として与えられたテーマのひとつだった。
生徒たちは自分が答えやすそうなテーマを選び、選んだテーマについてのエッセイや記事を読み、それについて自分の意見を自由に書く、いわゆる論文の試験である。与えられる時間は最高6時間まで。
ところでこのテーマ、選択肢にあったのは、「ダンテの天国編の第17章」、「ヨーロッパのナショナリズムの崩壊と統合の過程について」、「自然災害、つなみの報道記事」、「ヨーロッパとアメリカの比較」、また「アインシュタイン」.....などと 実は結構難しくてびっくりする。
そして多くの生徒が選んだのは、学校の授業でやったダンテの解説よりも、上記の”旅”と”津波”だった。

正解のある丸バツ回答ではなく、イタリアではいつも重視される自分で判断する能力、そして筆記でもそうだが、さらには口頭で 自分の意見を述べ、討論ができる能力。
そういった能力を イタリア人は小学校のときから度重なる口答試験で 緊張するのを克服する練習をしたり、涙をこらえて再試験を受けたり、そういうことを繰り返して身につけていく。
日常生活でも どんな些細なことでもイタリア人は自分の意見をのべ、そして相手の意見を必ず聞きたがる。意見がない人は相手にしてもらえないのだ。

まもなくバカンスの季節。旅の季節。今年の旅は自分の人生のどんな節目になるのだろうか、そんなことをビーチやディスコで語る彼らの姿が目に浮かぶようだ。

 


2005/9/30

ITALY WEB SITE 
英語で楽しめるイタリアの注目WEBサイトの紹介


www.giorgioarmani.it
Giorgio Armani 公式サイト


イタリアを代表するファッション・デザイナー、ジョルジョ・アルマーニの公式サイト。
メンズ、レディス、ジーンズ、ジュニアからジュエリー、香水、インテリアまで、アルマーニの世界すべてが 抑えたトーンのモノクロ写真で紹介されている。



2005/9/30
編集後記
- 9月は「始まり」の季節 - 

イタリアで暮らしていると、1年のうちで最も『始まり』を強く感じるのは9月である。

この時期、6月中旬から約3ケ月続いた長い夏休みシーズンを経て、日々の生活は普通のサイクルに戻る。学校は丸々3ケ月の夏休みとなるが、大人は各自が3ケ月休みをとるわけではないし、職場やお店が3ケ月休んでしまうわけではない。また、誰もが長期休みを一度にとるわけではなく職場で交代に休みをとりあう。とはいえ、一人当たり、平均して3週間から4週間のヴァカンスをこの時期にとることは間違いない。旅発つ人、戻ってくる人、再び旅発つ人….。 ミラノの街は旅人の発着駅の雰囲気となる。
そして、主人公を失った物悲しささえ漂わせていたミラノの街にも、9月に入ると日焼けした顔の住民が戻ってくる。 9月中旬に小中学校の新年度が始まるころには、家庭も、学校も、職場も全員集合となる。

9月中旬に新たに「普通のサイクル」に戻るのはテレビ番組も同様だ。6月中旬から「夏季プログラム」に入っていた国営放送RAIや民間TVの番組構成がやっと正規プログラムに戻る。ヴァカンスにでかけ家で落ち着いてテレビを見る人が減るこの3ケ月間は、テレビも大幅な「手抜き」構成となり出演者も新人や『二軍』チームの出番となる。朝の生中継モーニング番組やニュースの時間が減るのに加えて、ゴールデンアワーも録画ものや古い映画の再放送で埋められる。アナウンサーやスタッフも交代で夏休みに入るため当然のシステムではある。
9月中旬に、各局とも花形キャスターを看板としたニュース番組がスタート。9月下旬からは人気番組の新シリーズも始まり、各局の視聴率争いも本格化する。次のヴァカンスはクリスマス。いよいよ大忙しのシーズン満開となる。

2005年9月30日
JIBO編集室
大島悦子


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