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2005/3/01

HOTなエスプレッソITALY WEB SITE編集BACK NUMBER


HOTなエスプレッソ 



田中ちひろ

京都生まれ 大阪外国語大学イタリア語科卒業、88年イタリアのシエナに留学。91年よりミラノ在住。 著書「普段着のミラノ案内」(晶文社)をはじめ、新聞、雑誌、インターネットサイト等に執筆。三井住友海上ミラノオフィス勤務。 

 

42. ベストセラーに思う

最近本といえば 世界的にヒットした ダン・ブラウン著の「ダ・ヴィンチ コード」が有名だが、イタリアではその影で1年以上も静かにベストセラーの座を維持し続けている本がある。
「Un alto giro di giostra」(メリーゴーランドをもう1周)。
ベストセラーになる本には珍しく、580ページもある厚い本で しかもミステリーや一気に読んでしまえるタイプの小説ではなく、むしろその正反対で少し読んではじっくり考えたり思いを巡らしたりと、とても内省的で内容の深いエッセイだ。
著者テルツァーニは ドイツの新聞社に勤め 30年近くも中国、インド、東南アジアの国々に通信員として住んだ経験があり、同時にアメリカやヨーロッパともかかわりの深い、文字通りの国際ジャーナリストであった。日本にも住んだことがある。
話は そんな彼が 59歳のとき 癌の発見とそして残り少ない時間を宣告されるところから始まる。
ジャーナリストという職業柄、医学分野の知人は世界中にあったため 癌を治すためならと世界中のありとあらゆるところへ出かけていく。 ニューヨークでは癌専用の化学療法、カリフォルニアではホメオパティー(同毒療法)、プラノテラピィー、タイでは断食療法を試し、インドではヨガのアシュラムへ出向いたり、地元の仙人、あるいは人を癒すシャーマンのような人がいると聞けばどんなところでもたずねていった。中国の漢方、気功、インドに古くから伝わるインド医学やチベットの医学.....

それぞれの文化はそれぞれに 病気というものに対する考え方や痛みとの向き合い方をもっている。
病気を悪と見る文化、病気を運命と見る文化、ある文化では病気は克服すべきチェレンジで、また別の文化では共存すべき自分の一部と見る。
そして それらの考え方はそれぞれの医師や治療法を生む。
患者を 人としてではなく、癌という病気としか見ず、それをいかに退治するべきかという観点でしか見ない医師がいる一方で、特別な治療は一切せず 癌からのメッセージにひたすら耳を傾けて、人生の意味を探ろうとする人たちがいる。宇宙と一体になることで真の心の健康をひたすら求める団体があるかと思えば、心の持ち方で自然の治癒力を高める技術もあるし、またそれをありとあらゆる化学、薬品でしようとする動きもある。
さまざまな文化の中に生きるさまざまな医療関係者、同じように病で苦しむ人たち、あるいはその周りを取り巻く人たちに出会いながら 彼の治療を求める旅は次第に自分の内面を求める旅に変わっていく。故郷イタリアにノスタルジーを感じながらも 彼の旅は終わりを知らない。
やがてヒマラヤの仙人に偶然出会い、そこから内面の調和に目覚めていく著者....
人生に意味がないものはないのではないか、人生に偶然というものもないのではないか、生きるということはどういうことなのか、その永遠のテーマを580ページのその厚い本の中で常に自問する著者に 読者は自分を重ねていくにちがいない。

そういった本がイタリアでずっとベストセラーと聞いてはじめは正直言って意外だった。もう2度も3度も読んだという人もとても多いと知って2度びっくりした。
イタリア人といえば、サッカーやヴァカンスやといつもご機嫌で そのときそのときを楽しめればいいという軽いイメージが強いが、しかしよく考えてみれば、彼らほど人生をよく、楽しく生きることにこだわる人々は少ないかもしれない。科学技術が絶え間なく進歩する世界の中にあっても、新しいものになかなか飛びつかない、いつも人間的なものにこだわる、そういう頑固な一面を持っているのもイタリア人だった。
長いようで短い人生をどういう風に生きていきたいのか、その人類共通のテーマ、そしてその意味を模索するのに文化も国の違いもないことを 改めて思い出させてくれたちょっと嬉しい出来事だった。

 


2005/3/01

ITALY WEB SITE 
英語で楽しめるイタリアの注目WEBサイトの紹介


http://www.saiedue.it/index_en.php
SAIEDUE(国際建築資材見本市)



3月16日から20日までボローニャで開催されるSAIEDUE(Saloni Internazionali dell'Architettura delle Finiture d'Interni, del Recupero e Delle Tecnologie per l'Edilizia)
は、床材、タイルなど建材、防犯装置から、最新のテクノロジーまで建築資材のすべてが一堂に会するヨーロッパ最大の見本市。
今回は第24回目で、1430社が出展する。



2005/3/01
編集後記
-  「アルトロメルカート」 Altromercato  -

仕事場の近くに、アルトロメルカートAltromercato 直訳すると「もう一つのマーケット」という名前のお店がある。ショーウインドには、南の国の手工芸品などが飾られている。最初は民芸品のお店かしら、と思う程度で通りすぎていたが、店名に惹かれて好奇心で店内に入ってみた。

そこは「フェア・トレード」を推進するミラノのNPO団体のお店だった。フェア・トレードとは、世界の途上国の底辺で働く人達が貧困から抜け出せるように、彼等から直接、継続的に商品を買うこと。直接取引きすることで、中間マージンを排除し、その分生産者が多く受け取る仕組みを作り、取引を継続することでその仕組みをゆっくり大きく育てていく。また生産段階における環境への配慮も重視している。

取り扱っている品物は、主として食品と手工芸品。食品はコーヒー、チョコレート、お茶やハーブティ、パスタ、穀物類、蜂蜜、各種スパイス、キャンディーと多彩だ。パスクア(イースター)を前にしてチョコレートの卵やコロンバというお菓子も用意されている。南米やアジアの原料や食材を輸入し、イタリアでデザインしたパッケージや瓶詰めでプレゼンテーションされているので、おしゃれで暖かみのある製品となっている。価格も手ごろ。すべて途上国の原料を用いた化粧品ブランドもある。手工芸品もイタリア人のテキスタイルデザイナーが、インドに行って現地の織物組合の指導をして新しい商品開発も進めている。

この団体、ミラノで1990年に創立され、市内の販売拠点はすでに10店舗に達している。イタリア全国に300以上、同種の店舗があるという。イタリアン・テーストの「フェア・トレード」製品。有名ブランドのイタリア製品とは一味違うもう一つのイタリアの顔を創りつつあるようだ。

2005年3月1日
JIBO編集室
大島悦子


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