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2003/10/01

HOTなエスプレッソITALY WEB SITE編集BACK NUMBER


HOTなエスプレッソ 



田中ちひろ

京都生まれ 大阪外国語大学イタリア語科卒業、88年イタリアのシエナに留学。91年よりミラノ在住。 著書「普段着のミラノ案内」(晶文社)をはじめ、新聞、雑誌、インターネットサイト等に執筆。三井住友海上ミラノオフィス勤務。 

 

36. BLACK OUT  「大停電」


9月28日3:25AM アラームがなったかと思うと全ての電気が消えて真っ暗になった。ニュースでご存知の方も多いと思われるが、イタリア全土がBlack-out、停電になったのだ。 イタリアはスイスやフランスなど近くの国々にその電力の20%を依存しているが、その夜の激しい落雷等でまずスイスからの電力供給ラインがブロックされ、次いでフランスからの2本のパイプも吹っ飛び、どういう風にかは想像がつかないが、それで最終的にはイタリア全土の電気供給システムがストップしてしまったという。

停電が起こったその夜 ローマではNOTTE BIANCA(白い夜)の1夜が繰り広げられていた。ノッテ・ビアンカというのはもともとローマの姉妹都市であるパリから入ったもので、1年に一度、一晩中町をあげての文化、商業活動を行うお祭りのようなものである。 
一晩中ローマ旧市街のお店が開き、地下鉄も終日運転、町のあちこちでコンサートやダンスやいろんな催しが行われていた。いつもと違ったローマを楽しもうという謳い文句で ローマ市、商工会議所等が大々的に宣伝し、約5万人の人がその夜を楽しんでいた。
運悪くまさにその夜停電が起こったわけだが、そんなわけで町では大変な数の人々が町で立ち往生となった。
エレベーターや地下鉄に朝まで閉じ込められた人も少なくない。ローマ以外でも100を越える電車がストップし、旅をしていた約3万人の人々がブロックされた。病院はパニック状態になり、レストランや工場の冷凍室にある食品、肉、ヨーグルト、牛乳などは大半がすべてだめになった。

電気、電力、日常の生活の中であまりにも当たり前になっていた電力について人々は改めて考えさせられた。
それらがどれだけ大切で、そしてまた私たちがそれらにどれだけ依存しているかを.....
冷蔵庫や冷凍庫が使えないだけでなく、4階にある私のアパートは水を電力ポンプでくみ上げているから 水も出なかった。
テレビやPCなどなくても数日過ごせるかもしれないが、洗濯機もアイロンもオーブンもだめ、エレベータはもちろんインターホンもダメ。外に出れば電車、地下鉄は動かないし、信号も消えている。電力ポンプで動くガソリンスタンドではガソリンもいれられないし、銀行のキャッシュカードも動かない。携帯電話もそれを管理するステーションが動かないのだろう、翌日の午後までつながらなかった。
そして闇、本当の闇にいかに慣れていないかを知って驚いた。
町のすべてのネオンやも街頭が消える。
家の中でも普段は留守電のライトとか、アラームクロックのライトとかテレビのスタンバイのライトとかどんなに小さくても何らかの明かりがあったことに気がついた。
そしてそれらが一切なくなったときの闇は 本当に暗くてあるくのが恐かった。

今回の停電は多くの人にいろいろな不都合や損害を与えたかもしれないが、電気の大切さとそれがなくなったときの私たちの弱さに触れて、電気を、或いは私たちの身の回りの限りある資源をより大切にする人が少しでも増えれば、それが与えたものは大きいのかもしれない。
 


2003/12/01

ITALY WEB SITE 
英語で楽しめるイタリアの注目WEBサイトの紹介



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イタリア最大のバイクメーカー 
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2003/12/01

編集後記
- 文房具屋さんと最後のクリスマス -

 


12月の声をきくとミラノの町はどの店のショーウインドーも、業種を超えて、クリスマスの飾りつけを競うようになる。

私の仕事場のすぐ近くにあるクラウディオさんとフランカさん夫妻が経営する文房具屋もクリスマス色で一杯だ。

「9月は新学期が始まるので、ザックやノート類を買いに来る親子でにぎわう。次はクリスマス。そして、1月になると、オフィス類が新年度に入るので帳簿やファイル類がよく売れる。2月はカーニバルで仮装用グッズ、4月はパスクワ(イースター)関係の卵など。そして、父の日や母の日があってカードが売れて。。。」年間の季節行事や様々な節目をめぐっていくうちに瞬く間に1年間が過ぎていく。とはいえ、一番のかきいれ時はクリスマスシーズンだ。店内ところ狭しとお祝いのカード類、飾りつけの小物、プレゼント用おもちゃ類やラッピングペーパーが並んでいる。一番よく売れるのはオルゴール類とか。それと、日本製アニメのキャラクター・グッズ類。ポケモンほどの大ヒットには至っていないものの、今の人気は Yu-Gi-Ohと、Hamtaro だ。

この店のお客さんは、近所のオフィスや個人事務所や商店、そして3つある保育園、近くの小学校、病院関係者など。現在、売り上げの内訳は文房具類が40%、おもちゃ類30%、そしてコピー・サービスや切手、市電切符販売などが30%。「1歳半の孫へのお土産、何がいいかしら」という老婦人の相談にのるのも大事な仕事だ。

ところで、夫妻がこの文房具屋を開店したのは14年前、1989年のこと。一種の脱サラでこの店をはじめた。「文房具屋は経済危機とあまり関係がないの。コピー一枚、ノート一冊っていう小さな売り上げの積み重ねだから」というフランカさん。実際、朝から晩までお客が絶えることがない。しかし、来年3月、クラウディオさんが60歳になるのを機に、夫妻はこの店を閉め、年金生活に入ることを決めた。「これが最後のクリスマスになる。一人息子も一人前の弁護士になったし、後はのんびりすごしたい。42年間も働いたから」と淡々と語るクラウディオさん。ミラノの持ち家は処分して山の家と、リグーリアの海の家に半年ずつ住む予定だという。コピーなどでほとんど毎日のように利用している店だけに、4月のイースターの頃には二人の笑顔が見れないかと思うと、なんだか寂しくなってきた。 「E.O]



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