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2003/06/01

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HOTなエスプレッソ 



田中ちひろ

京都生まれ 大阪外国語大学イタリア語科卒業、88年イタリアのシエナに留学。91年よりミラノ在住。 著書「普段着のミラノ案内」(晶文社)をはじめ、新聞、雑誌、インターネットサイト等に執筆。三井住友海上ミラノオフィス勤務。 

 

35. サン・ジュセッペ


世界の多くの国で「父の日」は6月の第3日曜日に祝われるが、イタリアにおいては実は「父の日」は3月に祝う。
3月19日 SAN GIUSEPPE(サン・ジュセッペ) 聖ヨセフの日である。
ジョセッペというのはキリストの父親ヨセフのイタリア語名で フランスやイギリスではジョセフ、ジョーとなる。

イタリアの男性の名前のランキングでトップなのがこのジュセッペ、”ジュセッペちゃん”とかわいく呼びたいときにはジュセッピーノとなり、そしてこれがペッピーノという愛称になる。
それに対して女性の名前でトップがマリア、2位がアンナ、そして3位がこのジュセッペの女性版、ジュセッピーナだ。(ちなみに男性の名前の2位がジョバンニ、3位がアントニオとなる)

キリスト教が深く浸透した国で、イエス・キリストの父親のヨセフを記念する日が「父の日」となるのは なるほどとうなずける。
キリスト、その母親である聖母マリアと比べて、いつも影が薄いこの大工のヨセフだが、ここ数年彼に関する研究は関心を集めているらしく、つい最近もイタリアのテレビで 「ヨセフの生涯」なる映画を見た。
自分には身に覚えがないのに、いいなずけのマリアが身ごもっていると知る時の動揺。信心深いヨセフであったが、大天使からの受胎告知と聞かされても信じられなくて悩みに悩むその人間的なその一面。
貧しさの中で苦労しながら家族をまもり、その一方で知識においても、洞察力の深さにおいても 息子が自分よりはるかに上であることをことあるごとに知らされ、一人の父親としての資格がないのではないかと悩む姿....そうしながらも息子を信じ、息子を励まし、自分の道を進むように説く。 キリストが本格的に家を出て人を導き始める前にヨセフはなくなってしまうのだが、強さと弱さを持った一人の人間として一生懸命生きた、立派な父親だったにちがいない。

聖ヨセフは、貧しい人、見捨てられた人を護る聖人とされるが、この「聖ヨセフ」の日には、イタリアの教会では 貧しい人たちに食事を施す日となっている。キリストを身ごもった聖母マリアをつれてベツレヘムの町に着いたヨセフに宿や食事を与えてくれる人が一人もいなかったことを思い出すためだという。 また、その日 町のいろんなところに屋台が出て、そこではフリッテッレとよばれる、中にクリームが入ってドーナツのような揚げ菓子が売られるが、それが聖ヨセフのお菓子なのだ。

ところで 3月19日が聖ヨセフの日といったように イタリアのカレンダーには大抵聖人の名前がついている。 そして イタリア人の子供の名前はほとんどといっていいほど聖人の名前からとるので 普通イタリア人は誕生日以外に オノマスティコといって自分の名前の聖人の日を誕生日のように祝うのだ。

さて、「父の日」はイタリア語で FESTA DEL PAPA’ (フェスタ デル パパ)だが、このPAPA’は 最後のアクセントが取れると PAPA(パーパ)、ローマ法王の意味になる。
現ローマ法王のヨハネ・パウロ2世はイタリア語で言うと ジョバンニ・パオロ。英語で言うと ジョンとポール。
ビートルズではないが、ヨーロッパにはこういうありがたい名前がごろごろしているのである。


 


2003/09/01

ITALY WEB SITE 
英語で楽しめるイタリアの注目WEBサイトの紹介


www.macefautunno.biz/default_e.asp
MACEF

イタリア最大のギフト・雑貨の国際見本市MACEFの公式サイト(英語版)。
出展分野はギフト用品、テーブルウエア、キッチン用品、 ホームデコレーション、金・銀製品など多彩。今年は、9月5日から8日まで、ミラノ国際見本市会場で開催。





2003/09/01

編集後記
- ああ!銀行ATM -

 


ミラノの街角には、至るところに、BANCOMAT、すなわち、銀行ATM, 現金引き落とし機が置かれている。

「365日、24時間稼働」の現金引き出し機、というと日本の人は、「すごい、休みなしですか。サービスがいいのですね」と、早合点する人が多い。が、ここはイタリア。日本の銀行やATMの至りつくせりのサービスとは比較にもならない、至って呑気な運用システムなのだ。

「365日、24時間稼働」というと聞こえがいいが、要は、運がよければ、現金を引きだせるが、運がなければ、用事の足せないマシンだ。機械の調子が悪ければ、「FUORI  SERVIZI 」(サービス停止)の表示がでてそれでおしまい。1週間もその表示がでたままになっている場合もある。

私の観察するところ、現金の補給は、月―金の間、毎朝1回のみ。日中の現金補給はないので、朝補給した現金が出し尽くされると、翌朝まで現金は引き出せない。土日がはさむと、月曜の朝までダメだ。さらに困るのは、機械作動中に問題があっても、日本のように「ボタン」を押すと、即、「何でしょうか」と応えてくれるサービスはない。オペレーション上の問い合わせに応えてくれる電話対応もない。サポートシステムは、365日、24時間、ほぼ皆無である。

銀行が開いている時間であれば、それでも、銀行の中に入って問い合わせることも可能だが、窓口で「機械の調子が悪いのですが」と言っても、平然として「技術的問題です」といってすましている。「機械のせいで、私のせいではないわよ」というのが本音なのだ。そこで、「機械のメンテをして管理するのが、人間の、つまり、あなた方の役割でしょ」などと日本風に迫ると、なんて不思議なことをいう人かしら、という呆れ顔で睨まれてしまう。

なお、ATMには、一応、緊急時対応のフリーダイヤル番号が書いてあるが、これも、大変なシロモノだ。一度、金曜の午後、ATMを使おうとしてキャッシュカードを機械にいれたところ、カードが飲み込まれたまま、でてこなくなった。あわてふためいて、フリーダイヤルに電話したところ、「月曜の朝、銀行窓口にいって、出してもらってください」というダケの指示。こちらの名前も、銀行カードの番号をたずねてくれるわけでもない。心配してもしかたがないと開き直り週末をすごし、月曜の朝9時、銀行開店時間に窓口にいって事情を話すと、「担当者がまだこないので、機械を開けられない。10時ごろ出直してください」とのこと。10時にいってようやく話はついたが、自宅の近くだったのでいいけれど、これがたとえばイタリア旅行中だったら、どうなったのかと考えると冷汗ものだ。

反面、問題なくつつがなく引き出せると、何だか得をした嬉しい気分になる。何の変哲もない現金引き出し機の操作一つで、こんなにラッキーな気持ちになれるのは、イタリアだけの特典だろうか。Buona Fortuna !  「E.O]



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