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2002/07/02

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田中ちひろ

京都生まれ 大阪外国語大学イタリア語科卒業、88年イタリアのシエナに留学。91年よりミラノ在住。 著書「普段着のミラノ案内」(晶文社)をはじめ、新聞、雑誌、インターネットサイト等に執筆。三井住友海上ミラノオフィス勤務。 

 

23. 遺伝子組み替え食品



7月1日から4日までの間、EU議会では遺伝子組み替え食品の表示(ラベル)に ついての規定を制定するための会議がおこなわれる。

確かにここ数年、町のスーパーマーケットや小売店では 有機野菜や、確かな製 造元名、あるいは人工的に変な手は加えていない食品と記述した食品のコーナー が次々と登場し、そのスペースは年々大きくなってきているにもかかわらず、表 示があるのは”どれだけ自然で安全か”で、いわゆる危険な商品については 何 も書かれていないというのが現実だった。逆にいうと、なにも書かれていないと いうことは危ないかもしれない、ということだなんて、考えたらやっぱりちょっ とおかしい。

イタリアではBIO(バイオー通常自然で安全な食品をあらわす)と書かれている だけで値段が高いというのもあって、一般消費者は数年前まではちょっと疑わし く思っていた人が多いが、最近はBIOとそうでない食品の差がかなりのものだと いうことをいろんなところで聞くようになった。特に幼い子供のいるお母さんは こう言うことに対して特に敏感だ。
確かにレモンひとつをとってもBIOのほうはしばらくするとカビが生えたり腐っ てきたりするが、そうでないものはいつまでたっても美しくてなかなか腐らな い。皮はあつくてつるつるしていて、見た目には綺麗で 一見よさそうな感じは するが、絞ったときにでる汁の香りや味が 自然のものとぜんぜんちがう。 野菜だけではない。BIO野菜で育てられた鳥の肉、たまごなどは やっぱり味 が違う。

イタリア人は昔からおいしいものを食べる情熱と、健康でいるということに対し ては 何があっても譲らない民族だった。その徹底振りを象徴するのは、日本で は当たり前の電子レンジかもしれない。
電子レンジが食べ物の分子を破壊して身体によくないという話はイタリアでは見 事に浸透していて、私の周りにも 日常電子レンジ(オーブンではなく)を使っ て料理をする人はまずいない。レストランに入っても 電子レンジを使用してい ませんと表示があるところもあれば、電子レンジが見えただけで注文する品を変 えるひともいる。もともとそんな国民だから、人工的に遺伝子を組替えた、など と聞くだけでたいていの人はぞっとする。

大抵の遺伝子組み替え食品は除草剤に強い品種、害虫がつかない野菜、腐らない もの、大量に実がなる、食べ物のサイズが大きくなる、人工的な栄養分の強化な どが目的で作られた。問題なのは、一見便利で素晴らしく思える新製品の数々が 人間の健康や環境にどんな影響を与えるかはしばらくたってみないとわからない ところにある。
もっとも あるたんぱく質を補うためにブラジル産ナッツの遺伝子を麦の種に組 み込んで製造された品種は、そのブラジル産ナッツが非常に多くのアレルギーを 引き起こす品種だったために 製造まもなく、その麦からできた小麦粉をパンな どの形で食べた人にアレルギーが続出し、あわてて製造が禁止されたなどという 例もある。
加工食品の場合は、その原材料が自然のものなのか、そうでないのかなど、いま のところ消費者は知るすべを持たない。その一方で、新しいアレルギーが異常に 増え、原因が不明という人、食事制限を持つ人が本当に増えてきた。

さらに怖いのは、何かの効果を得るために、通常なら絶対に口にしないものの遺 伝子が組み込まれた、作られた食品だ。具体的なことはわからないが、さそりの 遺伝子や、朝顔の遺伝子、そういったものを私たちは間接的に食べているかもし れないという。
考えてみれば、草食の牛に、動物性のえさをやってでてきた狂牛病も発想は同 じ。自然の法則を破ったときに何が起こるのか、やはり人間は自然を支配すると いう発想ではなく、自然の一部としてその法を尊び、共存すべきではないのだろ うか。

イタリアのいくつかの消費団体は、遺伝子組み替え食品を使っている企業名を スーパーマーケットの前で配ったり、インターネットで知らせたりして圧力をか け始めた。遺伝子組み替え食品の80%はアメリカで製造されているといわれる が、そういった類の製品輸入を禁止してほしいという訴える動きもある。

いずれにしても大切なのは、日々手にする食品が、いったいどういう風に製造さ れたのか、自然のプロセスをたどってここまでたどり着いたのか、或いはなにか 変わった成分が入っていたり、遺伝子が組み替えられたりしたのか、そういう正 確な情報を知って選ぶ権利を人々が持てるかどうかということだろう..... せめて自分の食卓に上るものぐらい安心して食べたい、そういう意味でも今回の 会議に期待したい。


 


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