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2002/06/15

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田中ちひろ

京都生まれ 大阪外国語大学イタリア語科卒業、88年イタリアのシエナに留学。91年よりミラノ在住。 著書「普段着のミラノ案内」(晶文社)をはじめ、新聞、雑誌、インターネットサイト等に執筆。三井住友海上ミラノオフィス勤務。 

 

22.ワールドカップの熱い夏



イタリア中が止まった。それは、6月13日、13時30分から15時15分、ワールドカップサッカーの予選グループGのイタリア対メキシコ戦が行われていた時である。 ベスト16には問題なく進出できると信じて、疑っていなかったイタリアチームは、その2回戦のクロアチアとの試合で1−2で負けてしまっていたので、このメキシコとの試合に負ければ、予選落ちというところまで追いこまれてしまったのだ。

普段からイタリア人のサッカー熱には大変なものがある。 日ごろは、ロマーノ(ローマ人)は働かないとか、ミラネーゼ(ミラノっ子)はスノッブだと、出身地ごとに分裂しているイタリア人も、ワールドカップのときだけは、みんなイタリア人になって一致団結する。 特に、今回のように、なにがなんでも、この試合には勝ってもらわなくてはいけないという状況になると 日ごろはあんまりサッカーを見ない人まで、仕事も何も手につかなくなるといった有様だ。

この試合のために、ほとんどの会社が昼休みをずらした。休みを取ったビジネスマンも少なくない。どうしても職場を離れられない人も、10秒ごとにup dateされるインターネットのスクリーンから目が話せない。ドゥオモ広場に設置された大型スクリーンの前には、朝九時から場所を取る人が何人もいた。

試合の時間だけ特別に仕事をストップして、テレビ観戦を許可したり、オーガナイズした会社、いっしょに観戦をしようと顧客や取引業者を招待した販売部も多い。どこのバールもテレビを備え付けて、客を集めていたが、肝心の店員まで試合に夢中になり、コーヒーなどいつまでたっても出てこない。 メトロや市バスは走ってはいるが、ほとんど誰も乗っていない。車や家々の開け放された窓からは、試合を追っている人の歓声や叫び声で、試合を見ていなくても、試合の流れやプレーヤーの一挙一動が手に取るように分かる。 そう、文字通り、イタリア中がとまったのだ。

イタリア人にとってどれほどワールドカップが大切かは、この時期のテレビ番組をみればよく分かる。一日中、あらゆる局でサッカー談義。選手の健康状態、コメント、試合の戦略、次の試合の傾向と対策、終わった試合の反省とコメントをやっている。特にクロアチアとの試合は、イタリアにとっては、今だどうしても納得にいかない。どう考えても得点につながるはずの2回のシュートが、オフ・サイドで取り消されたからだ。試合の日は当然のこと、数日立った今日に至っても、各テレビ局は専門家をスタジオに招いて、そのプレーの模様をあらゆる角度からスローモーションで映し出しては、審判のミスだと言いつづけている。

面白いのは、毎晩の国営RAIのTVニュースだ。毎日トップニュースでその日のワールドカップの結果がレポートされるが、その後に、政治家、有名人がいかに仕事を中断して、まじめに(!)試合を応援したかの映像が放映され、それぞれの試合に対して、どういうコメントを持っているかがインタヴューされる。イタリアの政治家は、政策はもちろんだが、サッカーに対しても一応の薀蓄をたれることが出来なければイタリアでは人気が出ない。現首相のベルルスコーニ氏がACミランの、またフィアットグループの会長で終身上院議員のアニエッリがユベントスのオーナーであるのも、決して偶然ではないのである。

ところで、今回のワールドカップで、イタリア人が心底驚いていることがある。どうして日本人がそんなにイタリアチームひいきなのか、ということだ。 イタリアの国旗に髪や顔を染めたファンの姿が毎日のようにこちらでも放映され、私自身も多くの人たちからどうしてなのかと質問を受けた。 「日本人はイタリアがそもそも大好きで、それにイタリアチームは格好いいからでしょ」と答えると、わかったような分からないような顔をしつつも、みんなうれしそうだ。日本チームは今回とっても頑張っている。いいチームだというコメントも多い。今回のワールドカップは、イタリア人に対する日本のいい宣伝になることは間違いないようだ。

メキシコ戦は、結局、1−1の引き分けに終わったが、イタリア中の熱い応援が伝わったのか、同点の成績だったクロアチアがエクアドルに負け、イタリアはベスト16進出が決まった。試合が終わったとたんに、町に繰り出した車は、一斉にクラクションを鳴らして喜びを表現していた。熱い夏がはじまった。


 


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