田中ちひろ
京都生まれ 大阪外国語大学イタリア語科卒業、88年イタリアのシエナに留学。91年よりミラノ在住。
著書「普段着のミラノ案内」(晶文社)をはじめ、新聞、雑誌、インターネットサイト等に執筆。三井住友海上ミラノオフィス勤務。
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ここ数年、世界的に喫煙者の居心地が、ますます悪くなってきている。タバコ訴訟など、消費者の権利が非常に重視されているアメリカ社会に比べて、イタリアは、今までは喫煙に対して、比較的寛容な国だった。それが2002年1月から一転し、場所、状況によっては、警察に訴えられるほど厳しくなった。
新しい法律が指定する禁煙場所のリストは、数え出したらきりがないほど。学校、病院、市役所など公共の役所や事務所、郵便局、映画館、劇場、地下鉄、公共の乗り物や待合室で喫煙表示の無いところ、銀行窓口.....
そこでうっかりタバコをすった場合、25から250ユーロの罰金となる。
さらに、タバコの煙が与える害が最も心配される、妊娠した女性や12歳以下の子供がいるところでタバコをすった場合、その罰金は最高500ユーロまでになる。
確かに、タバコの煙は吸う人はもちろん、周りにいる人にも害になる。なんでもフィルターを通さずにタバコの火をつけた部分からの煙は、口にあてて吸う方の煙の5倍の発がん性があるという。
タバコを吸う人は、まわりに発がん性をまいているというわけだ。
禁煙にすべき場所に「禁煙」のマークを表示しない時も、罰金の対象となる。その額はさらに高く、200から2000ユーロ。みんなの健康をみんなが守る義務がある。
確かに、イタリアでは、毎年約9万人が肺がんで亡くなるらしい。そして、そのうち90%の原因が、タバコという統計もある。まあ、吸っている本人は、まだ、そのことを承知で吸っているのだから、仕方がないにしても、ただ隣にいる人が吸っているタバコの煙を、強制的にすわされてしまう、いわゆる受身の喫煙者の場合は、たまらない。そして、頻繁にこの受身の喫煙者とならざるを得ない人が、イタリアでは、なんと1500万人もいる計算になるらしい。
レストランやバールは、今のところ、喫煙場所リストには載っていない。ミラノでは、それでも、少しづつ、禁煙と喫煙のテーブルを分けるレストランがでてきている。もっとも、イタリアでは食事中に隣でタバコをすわれると、料理の匂いがわからなくなって まずくなるから迷惑だ、というのは一般的な認識で、すう前には必ず、周りに一言聞くのが昔からの常識だった。
「POSSO FUMARE?タバコをすってもいいですか?」喫煙者の方は、町で、ふとタバコが吸いたくなった時、どうかこの言葉を忘れずに。いや、この際だから、健康のために、自分の財布と回りの健康を守るために、思い切って禁煙を、と言ってしまったら、やっぱり大きなお世話なのでしょうね。(笑)