八木宏美(やぎ ひろみ)
1952年鎌倉生。インプット・イタリア・ジャパン社 代表取締役。日伊コミュニケーショ
ン・アドバイザー。ボッコーニ大学、トリノ大学で教鞭をとる傍ら、日伊文化交流協会を設立し、ビ
ジネス日本語講座を開講中。その他、日本の官公庁・外郭団体等の技術・法律・産業・社会部門にお
けるイタリア調査を委託で行っている。
旅行や商用でイタリアに到着するとまず通過しなければならないのがパスポートコントロールであるが、日本のパスポートはこれまで、ローマでもミラノでもほとんどフリーパスに近い待遇を受けて来たものだったが、近頃は様子が変わっている。
原因は最近、偽の日本国パスポートを所持する中国人が大量に摘発され本国送りになったという、あまりありがたくない外部事情によるものである。このため現在日本パスポートは、重点的に検査が厳しくなっており、通関で日本語で話しかけられた場合には、なんでもよいからすぐに日本語で返事をする方が無難である。
日本人ではないと思われると、やたらに質問が長くなる傾向がある。見本市など取引の場でも、いままで日本人は歓迎はされても、財布の状態を警戒されることはあまりなかったものだが、日本人だと偽って情報収集をする輩がいることや、また、日本人の顧客についても、長引く不況のせいで、すっかり信用が落ちていることは、残念ながら心得ておいた方が良い。
特に初めての取引の場合には、支払能力について、あからさまに不信の目を向けられる場合さえあることは知っておこう。会社の売上や、業績について、根掘り葉掘りいろいろ質問をされる場合もあるが、辛抱が肝心である。こんな時のために会社概況などを簡単な英文で用意していると役立つことがある。