八木宏美(やぎ ひろみ)
1952年鎌倉生。インプット・イタリア・ジャパン社 代表取締役。日伊コミュニケーショ
ン・アドバイザー。ボッコーニ大学、トリノ大学で教鞭をとる傍ら、日伊文化交流協会を設立し、ビ
ジネス日本語講座を開講中。その他、日本の官公庁・外郭団体等の技術・法律・産業・社会部門にお
けるイタリア調査を委託で行っている。
イタリア社会は明らかなコネ社会である。
どんな仕事をする場合にも、正面から行くと取りつく島もないことが、知り合いがいるだけで簡単に実現する場合も多い。
イタリアでは廃止される法律が極端に少なく、ほとんどは修正法で処理されており、新しく法律ができても新法に明記されない部分は旧法が活きている。今でもムッソリーニ法や、前世紀の法律が顔を出すこともある。法律がたくさんあり過ぎると言うことは、ないに等しい場合があり、多くの問題が、結局は当事者や当局担当者の胸先三寸次第となっている。
イタリアで契約をする場合には、事情に精通したイタリア人のサポートが不可欠である。なまじ日本人だけで解決しようとしないほうがよい。
弁護士や公認会計士を使うにしても、こちらに全く知識がないと、人件費のコストばかりがかさみ、しかもその業界に明るくない弁護士では、埒があかない場合もままある。
そんな時、同業界の経営者など経験を積んだイタリア人を顧問に迎えるのは非常に有効である。たった1人のイタリア人スタッフの力で経営状態が雲泥の差となって顕れることもある。
役所の諸手続きが複雑さを極める中、イタリア人の人材確保はイタリアでの営業には欠かせない。また、こうした人材の処遇には気を使わないと、引き抜かれたり、急に辞められたりして、大損失につながる場合もある。