
高達 秋良(こうだて あきら)
日本能率協会コンサルティグ・コンスイエル株式会社 技術最高顧問。日本能率協会(JMAC)でソニー、ホンダ、川崎重工など大手メーカーの経営コンサルティングを担当。1981年からフランス、1984年からイタリアに進出。1988年日伊ジョイントベンチャーでミラノにコンサルタント会社設立と同時に社長就任。イタリア企業のみならず大手ヨーロッパ企業数社の経営コンサルタントに携わる。1996年より現職。専門は研究開発、設計、生産技術管理。
私がミラノに住んだのは12年半前でした。我が社の設立の提案に対して、日本の母体JMACでは「コンサルティングのジョイントベンチャーは成功例が無い。イタリアはリスクが多い国だから認められない。」と、トップと同僚役員の全員が反対でした。私は「成功例がないというのと、試みた人がいないこととは違う。イタリアは日本での風評よりも、遥かに高水準でチャンスの多い国。リスクを恐れてチャレンジを避ける経営者ではありたくない。」との主張に対し「それなら、リスクが多いから奥さんを連れて現地に住み、経営に専任するならOKだ。」として、我が社が設立されました。
今では、JMACの国際化は進み、ジョイント・ベンチャーも含め、アメリカ・フランス・スエーデン・オランダ・韓国・タイ国などで、ビジネスを展開しています。規模は日本が約260人で、外国では120人になっていますが、然し外国では各国が20人以内に比べて、イタリアは45人、近いうちに50人になるでしょう。イタリアは、私が予想した以上に、成功していると言えましょう。
それは何故かと言えば、イタリアは日本に似た製造業が多くて輸出も多く、一時もてはやされた日本的経営が役立つことの裏ずけとも言えましょう。経営は当然、日本人とイタリア人の共同経営で、後継者の人材に恵まれたことです。ジョイント・ベンチャーの良さは、マーケテイングの有利さは勿論、優秀な人の採用がし易いことです。経営に当たり重視したことは、両文化の結びつきのキーをになう質の高い秘書と通訳の育成、全員の日伊両文化の学習です。
一方、問題は母体自体の経営変化や経営者の交代です。我が社でも提携先が買収された後に、我が社を支配しようとする態度が出て対立した時、2代目日本人経営者が日本を向くのみであった為に、それまで育成したコンサルタントがどんどん辞め、危なく潰れるところで、当然、経営者を交代をしてもらいました。
今は3代目経営者で、この問題も克服され安定成長になりましたが、一旦始めた経営の継続性は大切です。それは相互に異質文化の尊敬をこめた企業文化を作る事が、キーと言ってよいでしょう。
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